こちらの書籍は東日本大震災発生後の2011年7月に監修されたものです。
以前、放射能の専門家によるセミナーで、放射線を正しく知り、正しく怖がろうと教わりました。前回は限られた時間の中で専門的なお話しをしていただいたため、
さらに放射能の知識を深めて、万が一の原発事故から身を守ろうと、こちらの書籍
を手に取りました。
まず自分の認識では、一定値(100mSv)以下の線量の被爆では、細胞が修復されガンなどのリスクはないと思っていました。
しかし一定値以下の線量でも、それに比例した分のリスクを伴うという説や、放射線を浴びていない周囲の細胞にまで影響を与え、世代を超えて遺伝子に影響が及ぶためリスクはさらに増加するとする説があることを知りました。
こちらの書籍ではリスクが増加するという説を前提に書かれているため、かなり厳しめに放射能対策が記されている書籍だと思います。
放射能対策に関する知識
放射能に関しては下記の知識が自分にとって参考になりました。
・内部被ばくと外部被ばくの合計が年間の被爆放射線量限度を上回らないようにすることが重要(内部被ばくだけ、または外部被ばくだけを意識してもダメ)
・最近の花粉やウイルスまで除去できる家庭用空気清浄機は、空気中のちりやほこり、水蒸気に付着した放射性物質を取り除く効果が期待できる
・家庭用浄水器での放射性物質の除去効果は限定的であまり期待できない
・野菜を中性洗剤で洗ったり、ゆでたりすると多くの放射性物質を除去できるという研究報告があるが、監修者がチェルノブイリ原発事故の際に小松菜を念入りに洗いよくゆで絞ったもので放射能は半分程度しか減らなかった
・大学や企業の実験用原子炉でも原子力災害は起こりうる
地震対策に関する知識
放射能以外の地震や津波の対策も書かれており、参考になります。
・2階建ての場合は2階よりも1階の方が危険
・地震が来たときガスの火を消しに行かない
・広いフロアでは中央が危険
この書籍はただの知識ではなく、5人の専門家により、理由やデータをもとに知識の説明がされており、読んでいて理解が深まったと実感でき、おすすめです。
最終更新: