本書では、子供が「生きる力」を養う教育方法について書かれています。著者は「生きる力」とは下記であると定義しています。
・大地をしっかりと二本の足で踏みしめて立つ力
・自らを肯定する力
・自らを常に磨く力
・自己実現へ挑戦する力
・意志の力
・物事を前向きに解決する力
・大自然を畏怖する心
・全体の中で適切に調和的な立ち位置を確保する力
・人勢を楽しむ心
・感受性、感性
・独創力
・決断力
・好奇心
・やる気
・人間的魅力
・積極性、行動力
・バイタリティー
・交渉力
本書P29~P30
現在の日本の教育は”与える”教育であり、子供たちの表面的なスキルの向上ばかりを追求し内面的な発達は配慮されてきませんでした。これでは子供の「生きる力」は養われないばかりか、むしろ子供たちの自由な発想や行動を制限しており、生きる力を削いでしまっています。
生きる力をつけるためには”引き出す”教育が大切だそうです。”引き出す”教育において「フロー体験」を積むことが最も重要となるようです。
フロー体験とは、熱中して何かに取り組んでいる状態を言います。子供が夢中になって泥んこ遊びをしている時などはフローを体験していると言えます。フロー体験をたくさん積んだ子は、自ら積極的に行動に移すようになり、問題を解決していく力を身につけます。またフロー体験を積む中で自動的に社会性や正常化も身についてくるようです。
しかし子どもが泥んこ遊びをしている姿を見て、つい服が汚れるからやめなさい、と注意してしまいがちです。このようなフロー体験を度々中断された子供は、人の目を気にして外からの動機で行動するようになり、表面上はしつけの行き届いた良い子を演じるようになるけれど正常化の機会を失い、あるとき非行に走るようなケースに繋がるようです。
我が家にも6歳と3歳の子供がいますが、大人の感情で子供の本能や自由な発想を妨げて「生きる力」を殺してしまわないように、「フロー体験」をたくさん積ませてあげられるようにしていきたいです。
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