2014年、ブラジルW杯大会出場を決めたサッカー日本代表。本大会までの1年間、新たな戦術のオプションとして新戦力を試す機会が訪れたのではないでしょうか?ザッケローニ体制になってから3年間。日本代表に招集されても実戦で使われない選手。長らく代表候補と叫ばれながら召集すらされない選手もいます。ファンやサポーターの目線から、A代表で起用して欲しい選手をピックアップしたいと思います!
扇原に求められるアンカーとしての役割
東アジア杯でA代表に初選出された扇原貴宏は、昨年のロンドン五輪でボランチとして6試合中5試合に先発してブレイクし、セレッソ大阪でも不動のレギュラーの地位を確立しています。日本代表で扇原に求められる仕事はディフェンスラインの手前でバイタルエリアのスペースを消すフィルターの役割です。
世界トップクラスの強豪国と対戦した場合、ペナルティエリア外からのミドルシュートで失点するパターンが目立ちます。長谷部と遠藤のダブルボランチはどちらか一方が守備に比重をスタイルではなく、同時に攻撃に参加する傾向があり、前線でボールを奪われると致命的なカウンター食らうケースがあります。
守備に比重を置きながら攻撃の起点になれる
扇原は積極的に前線に進出してアタッカーと絡むタイプではなく、中盤の底に留まって守備陣形のバランスを整えながら攻撃の起点となるパスを出せるボランチです。第一に守備を考えてリスクマネジメントを徹底し、中盤のスペースの穴を埋めるカバーリング能力に長けます。
攻撃型ボランチの遠藤保仁とコンビを組ませた場合、扇原が中盤の底で人とスペースのマークを請け負うアンカー役になることで、遠藤を攻撃に専念させることができます。ボランチが縦関係を築いて攻守の役割を分担することで、サイドバックが守備のリスクを懸念することなく、左右が同時にオーバーラップを仕掛けるなど、日本が武器とするサイドアタックを効果的に引き出すことができます。
左足のロングフィードで展開力に期待
東アジア杯では日本屈指の精度を誇る左足のロングフィードに期待します。スピードと突破力に長ける前線のタレントを生かすには扇原のパスセンスは特に有効です。一瞬の動き出しでDFの裏を突いて勝負する柿谷曜一朗や豊田陽平にピンポイントパスを配球できる選手です。
扇原は30~40mの一発の縦パスで決定的なチャンスを作り出すことも、相手の目先を変えるサイドチェンジで戦況を一変させることも可能です。個の力で世界に対抗することができない日本は、フィールド全体を広く使って人とボールを大きく動かす組織力が鍵を握ります。ハードなディフェンス力と展開力を持つ扇原が日本の中盤にどのような違いをもたらすのか注目したいと思います。
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