2014年、ブラジルW杯大会出場を決めたサッカー日本代表。本大会までの1年間、新たな戦術のオプションとして新戦力を試す機会が訪れたのではないでしょうか?ザッケローニ体制になってから3年間。日本代表に招集されても実戦で使われない選手。長らく代表候補と叫ばれながら召集すらされない選手もいます。ファンやサポーターの目線から、A代表で起用して欲しい選手をピックアップしたいと思います!
パサー不足の中盤に俊輔待望論が持ち上がる
日本代表はパスサッカーを重視する戦術を採用しています。しかし、香川や岡崎、長友などドリブルや飛び出しを得意とする選手に比べ、パサータイプの選手が少ないことが攻撃の停滞を招いてる一因だと言われています。ボランチに遠藤がいるときといないとき、トップ下に本田がいるといないときではゲーム運びに大きな違いが生じます。日本の攻めは終始リズムが一定で、パス回しに緩急がないので相手DFは守りやすいのです。そこで代表召集に待望論が出たのが中村俊輔です。
彼の武器は左足から繰り出される正確なパス。1発で戦況を変える30~40mのサイドチェンジ、抜群のキープ力でタメを作り、ワンツーやスルーパスを駆使して周囲の動きを引き出す展開力の高さです。35歳という年齢を迎えて円熟味を増し、昔のように持ち過ぎてボールを失うことも少なくなりました。Jリーグでは好調をキープし、中盤の司令塔として攻守を切り替えるスイッチの役割を果たしています。
先発でもスーパーサブでも代表に違いをもたらせる
中村俊輔が代表に加わるとどうなるのか?例えば俊輔を左MFに固定することで香川をトップ下に持っていくこともできるでしょう。本田をFWに上げて香川を攻撃に専念させることができます。同じパサータイプの中村憲剛と違い、中村俊輔はサイドMFとしての適性があるので、このような組み合わせも可能です。
リードされた試合終盤にリスクをかけて攻撃に出なければいけないとき、スーパーサブとして遠藤とボランチを組ませればパスの出所が増えるだけでなく、パワープレー要員として投入されたハーフナーマイクの高さを生かす効果的なロングボールをゴール前に配球できると思います。
フリーキックの精度は本田よりも上
日本代表のフリーキッカーは遠藤保仁と本田圭佑が担当しています。角度によって蹴り分けるパターンが多く、左サイドからは遠藤が、右サイドからは本田が蹴ります。そして、正面に近い角度や遠目からは本田圭佑が蹴る場合がほとんどです。しかし、本田の直接フリーキックは決定率が低く、代表ではゴールから遠ざかっています。本田のキックは無回転から予測不可能な動きで落ちるので、蹴った本人もどこにボールが飛ぶのか分からないのです。
一方、中村俊輔はインフロントに引っかけて鋭く落ちながら曲がるボールを蹴ります。計算され尽くしたキックはピンポイントでゴールマウスの四隅を捉えるので決定率も高いのです。また、直接ゴールを狙うシュートだけでなく、スピードを殺してふわりと上げるロブボールや、大きなカーブをかけてGKとDFから逃げていくいらやらしいボールを蹴ることができます。キックの種類や正確性を考えれば、ゴールを奪う成功率は格段に上がると思います。
総評
2010年南アフリカW杯を最後に代表を遠ざかっている中村俊輔。所属クラブの横浜Fマリノスでは攻守に渡って存在価値を示しています。ベテランの領域に達してからは攻撃面だけでなく、ゲームの流れを読んだ動き出しと巧みなパス回しで試合を組み立てます。攻守に限界を迎えていると言われるザックジャパンに新しいを風を吹かせられる選手だと思います。
関連リンク
最終更新: