2014年、ブラジルW杯大会出場を決めたサッカー日本代表。本大会までの1年間、新たな戦術のオプションとして新戦力を試す機会が訪れたのではないでしょうか？ザッケローニ体制になってから3年間。日本代表に招集されても実戦で使われない選手。長らく代表候補と叫ばれながら召集すらされない選手もいます。ファンやサポーターの目線から、A代表で起用して欲しい選手をピックアップしたいと思います！

【高萩 洋次郎】たかはぎ・ようじろう

生年月日：1986年8月2日（26歳）
出身地：福島県いわき市
身長 体重：183cm 68kg

在籍チーム：サンフレッチェ広島
ポジション：MF
背番号：10
利き足：右

高萩洋次郎 【総合力52点】

高萩洋次郎はサンフレッチェ広島の不動のトップ下です。ファンタジスタと呼ばれるプレーメーカーで、右足から自在に繰り出す魔法のパスで中盤からゲームを組み立てます。

A代表では本田圭祐が怪我の影響でトップフォームを取り戻せません。フィジカルを生かしたキープ力とゲームメークで攻撃では貢献していますが、ドリブルに本来のキレがなく、運動量も落ちてディフェンス力も低下しています。Jリーグで好調を維持している高萩はポスト本田の一番手として注目されてきました。

183cmという恵まれた体格で強靭なボディコンタクトを備え、豊富な運動量で中盤のあらゆる場面に顔を出し、攻守に渡って中盤を支えるプレーヤーです。ユーティリティ性に優れており、トップ下を中心にサイドハーフからボランチまで、あらゆるポジションをカバーします。特にパスセンスは非凡なものがあり、ワンタッチのショートパスでDFの裏を抜き、30～40mのロングパスで一気に局面を打開します。

巧みなボールコントロールで抜群のキープ力を発揮し、ワンフェイントからの切り返しでDFを抜き去ります。DFは足を出せば裏を取られるので飛び込めず、待てばディフェンスの裏にスルーパスを通されてしまうのでどうすることもできません。中盤でリズムに変化を与えるチェンジオブペースのできる選手であり、強豪国を相手に押し込まれたゲーム展開でも戦況を打開するアイデアに期待できます。

右足の強烈なミドルシュートも高萩の武器の1つ。25～30mのロングレンジまでを射程圏内とし、GKが準備する前に意表を突いたタイミングでミドルシュートを放ちます。2列目からゴール前に飛び出して行くダイナミックなプレーも持ち味で、ワンタッチで決めるボレーシュート、高い打点から振り下ろす豪快なヘディングシュート、フィジカルを生かした競り合いの強さは国際試合で威力を発揮するでしょう。

日本は攻守において1対1に弱く、攻撃ではゴール前の競り合いに負けてシュートを押し込めず、守備ではバイタルエリアで体をぶつけられて振り切られます。高萩のように体格差で世界に対抗できる選手は少なく、攻守両面で長谷部を上回るボランチに化ける可能性もあります。

また、右足のプレースキックは精度が高く、ピンポイントで合わせるコーナーキックでアシストを量産します。遠藤不在時の右足のプレースキッカーとしても貴重な存在に成り得るでしょう。