『なでしこジャパン』の下の世代、『ヤングなでしこ』の存在を知っていますか?U-20代表と呼ばれている20歳以下の若い選手達です。2012年8月19日より、FIFA U-20ワールドカップが日本で開催されています。各選手はこの大会で自分の力をアピールし、ビッグクラブへの移籍やA代表への選出を目標にしています。今回はヤングなでしこの攻撃的ミッドフィルダーとして、得点源の一人になっている柴田華絵選手のプレースタイルに迫ります!
守備から入るトップ下
柴田華絵のポジションは攻撃的ミッドフィルダーの中央、いわゆる『トップ下』。ゲームメークから得点までを期待される攻撃のキーマンで、サッカー界では多くのスター選手が名を連ねる花形です。しかし、柴田選手のプレーは華やかさよりも堅実さが目立つ縁の下の力持ちという印象を受けます。攻撃的プレーヤーにも関わらず守備から入るというスタイルを徹底しており、前線からボールを追い回すチェイシングに多くの力を割いています。
中央に構えながらも、流動的に左右にポジションを動かして広範囲にプレッシャーを与えます。前線からプレスをかけることで攻撃のスピードを遅らせ、パスコースも限定されてディフェンスの的が絞りやすくなります。 柴田の守備から中盤のゾーンディフェンスが始まるのです。
変幻自在、サポートタイプのプレーメーカー
「柴田がいないと攻撃が始まらない」と思わせるほど、柴田はボールによく絡む選手です。オフザボールの動きの質が素晴らしく、味方がサポートして欲しいタイミングで、パスを出したいスペースに必ず顔を出してゲームを動かします。ディフェンスの裏に走って縦パスを受ける動き、ゴール前に斜めに走り込んでフォワードのおとりになる動き、左右に開いてサイドの起点になる動きなど、局面で流れを読みながら最適なプレーを選択できる高い戦術眼を持ちます。
少ないボールタッチでパスを回し、ダイレクトプレーで攻撃のリズムに変化を与えてゲームを組み立て、周りを使うプレーも自分が使われるプレーにも長けています。一発のスルーパスや破壊力のあるドリブルで突破するタイプではなく、豊富な運動量と正確な技術でパス&ムーブを繰り返し、的確な距離で味方をサポートしながらゲームを作るプレーメーカーです。
類まれなテクニックとシュート力でゴールを量産
足元のテクニックも非常に高く、細かいタッチと巧みなステップでボールをキープ。優れたボディバランスを持ち、DFに囲まれてもボールを失うことはありません。トラップの技術は素晴らしいものがあり、背後からボールを受けても反転しながら前方にトラップし、攻撃のスピードを緩めることなく次のプレーを展開します。両足の強烈なミドルシュートも武器の一つ。ディフェンスが密集するペナルティエリア付近でもワントラップでDFの裏を取り、コースが空いた瞬間に躊躇なくシュートを放ってゴールに叩き込みます。
シュートパターンが多彩なのも特徴で、アーリークロスをニアサイドで合わせるスライディングシュート、DFの裏に走り込んでスルーパスに反応するダイレクトシュート、ゴールキーパーの動きを見切ったループシュートなど、常にディフェンスの嫌がる場所にポジションを取りながらゴールを狙います。後半からチームの運動量が落ちると前線の足も止まりますが、苦しい状況でもフリーランを繰り返す柴田のプレーが日本の中盤にリズムを与えます。
総括
近い将来、A代表に召集される選手だと思います。トップ下だけでなく、両サイドハーフでも遜色ないプレーができるユーティリティ性も強みです。将来的にはボランチやサイドバックなど、守備的なポジションでも大成できるポテンシャルを秘めていると思います。中盤のダイナモとして『ポスト川澄奈穂美』を目指して欲しい逸材です。
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