2014年ブラジルW杯出場を決めた日本代表。本大会までの1年間、新たなオプションとして新戦力を試す機会が訪れました。ザッケローニ体制になって以後、代表に招集されても実戦で使われない選手、長らく代表候補として注目されながら召集すらされない選手もいます。ファンやサポーターの目線から、A代表で起用して欲しい選手をピックアップしたいと思います！

【佐藤 寿人】さとう・ひさと

生年月日：1982年3月12日（31歳）
出身地：埼玉県春日部市
身長 体重：170cm 69kg

在籍チーム：サンフレッチェ広島
ポジション：FW
背番号：11
利き足：左足

佐藤寿人　【総合力・51点】

佐藤寿人は史上初のJリーグ9年連続2桁得点を挙げた希有のストライカーです。2008年はJ2で得点王。2012年はJ1で得点王に輝き、Jリーグ通算376試合167得点という金字塔を打ち立てました。おそらくこの10年で最もゴールを量産したFWでしょう。しかし、ザッケローニ体制になってから日本代表に招集されたのは僅かに1試合。起用された試合はゼロ。

これほど代表監督に冷遇された選手も珍しいですね。左利きの選手でありながら、左右両足のシュート精度が高く、ペナルティ内からも外からもシュートが打てる！決められる！1シーズンで何度もハットトリックを決められる爆発力、勝負どころで確実にゴールを奪える安定性。FWとしてこれほど信頼できる選手はいません。

1トップ3シャドーという戦術を考えた場合、寿人が攻撃陣のどのピースに当てはまるのか？ザックの要求する1トップは高さと強さを持ち合わせ、ボールを前線で収められる選手。トップ下はボールをキープしてゲームをコントロールできる司令塔。そうなれば残るポジションは左右のサイドアタッカーのどちらかです。

左サイドの香川にはドリブルでの崩しとクロス。そして得点。右の岡崎にはフリーランでDFを引っ張りながら前線にスペースを作る動き出し。ペナルティエリア外からゴールに対して斜めに飛び込んでいくプレー。寿人のプレースタイルを考えれば、右サイドの岡崎と競わせることができると考えます。

サンフレッチェ広島では1トップを務めながら、チャンスメークからフィニッシュまでこなす幅広いプレーで攻撃を1人でリードしてる感があります。狭いエリアでも細かなワンツーで相手の裏を取り、時にはハードなポストワークから体を張って味方にボールを落とすなど、数多くのアシストを決めています。右MFの岡崎慎司と比べても遜色ないか、プレー精度ではそれ以上の動きが期待できます。

岡崎の穴を埋めるMFとして乾や清武の存在もありますが、乾はフィニッシャーではなくドリブラーであり、清武はパサーという感が否めません。2列目からの得点力を考えれば、一発のシュートを持つ佐藤寿人の存在は希少価値が高いのです。個人の打開力よりもパスワークを主体とする戦術において、佐藤寿人を日本の切り札に置く価値はあると思います。