僕の地元は兵庫県・尼崎市です。大阪、神戸の2大都市に挟まれた尼崎は、都会的雰囲気と下町情緒が入り混じった独特な町。あまり観光地というイメージはありませんが、何かと見どころが溢れています。このシリーズでは、尼崎を離れて久しい僕が、地元・尼崎の魅力を掘り起こしてみます!
尼崎市の象徴的存在
日本有数の工業都市でもある尼崎市。特に尼崎港、大阪湾に面した工業地帯は有名です。学校の授業においても、尼崎の工業地帯についてはよく習いました。高度経済成長期にはまさにイケイケの勢いで発展、阪神工業地帯をリードする存在だっと言っても過言ではありません。 そんな尼崎の象徴的存在でありながら、おそらく、市民のほとんどが工業地帯についてと触れることも無く、日々を過ごしているのではないでしょうか。海に面していることから物流面においても利便性が高い一方、市民の生活とは一線を画している印象です。実際、工業地帯方面に進むにつれて住宅は減り、街灯も少なくなっていきます。それだけに、気軽には近寄りがたい印象がありました。
ところが、その工業地帯の上を走る阪神高速5号湾岸線。夜に車でココを走ると、まぁそれまでの見方が変わってしまいます! まさに光の芸術。複雑に“配線”された工場群は、「工場萌え」でなくともそそられるものがあるはずです!
時代を支え続ける工場群が醸し出す独特の雰囲気
細かく分ければ、何百色とも何千色とも言えそうなその鮮やかな光には、つい魅せられてしまいます。調べてみれば、有名なパナソニックのプラズマディスプレイ工場を筆頭に、日本油脂、大阪チタニウム(旧住友チタニウム)、クボタなど、金属、機械といった分野の工場が目立ちます。日本を動かさんばかりの大企業が軒を連ねていることも、その存在感をいっそう強めている要因のひとつではないでしょうか。 高速道路から見える景色は、無数に伸びた工場の配管や煙突が、光に照らされて独特の雰囲気を醸し出してくれます。また、それらにも歴史があり、パナソニックのように近年建てられてたいかにも「ハイテク!」と言いたくなるような新しい工場がある一方、老朽化を感じさせつつも味わいのある工場もあり、これらが並んでドンと構えているのも時の流れを感じます。
とは言え、面積にすれば決して広くない尼崎。高速道路を走る時間で言えばほんの数分のことです。それでも大阪や神戸を含めた工業地帯の中で、尼崎の工場群がひときわ目立つことには上の理由がある気がするのです。
楽しみかたいろいろ
一番のオススメは夜。大阪方面から阪神高速5号湾岸線に乗り込み、左車線で神戸方面へ。大阪湾を内側にして走るので、まるで大規模な灯篭流しを見ているかのようでたまりません!車道脇の壁が低い場所も多いので、景色は十分に楽しめます。
ただし、工業地帯付近ゆえに大型トラックも多いので、よそ見は厳禁。安全運転に努めましょう。 また、意外と近づけるもので、海沿い各所では釣りもさかん。淡い夜景の中で釣りを楽しむ人も多いほか、カップルデートなんかも見かけます。
良くも悪くも飾らない町として評判の尼崎です。昼間に見る工業地帯だって緑あふれる自然とは真逆の存在かも知れません。ところが、そんな尼崎の工業地帯がひとたび光を放てばこんなにも美しいワケです。何事も見た目では判断できませんね。
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