僕の地元は兵庫県・尼崎市です。大阪、神戸の2大都市に挟まれた尼崎は、都会的雰囲気と下町情緒が入り混じった独特な町。あまり観光地というイメージはありませんが、何かと見どころが溢れています。このシリーズでは、尼崎を離れて久しい僕が、地元・尼崎の魅力を掘り起こしてみます!
市民にとってもシンボル的存在!
兵庫県の東端に位置する尼崎市。西隣には西宮市がありますが、この両市を分けるように武庫川が流れています。 尼崎市としては西の端っこを流れる河川ながら、ここはたくさんの市民が集う憩いの場。武庫川沿いには広々とした河川敷があり、ランニング、散歩はもちろん、ゲートボール、釣り、少年野球といったスポーツのほか、お花見にバーベキューに盆踊りまで、市民の娯楽はあらかた武庫川で賄えそうなほど、日々多くの人が集まっているのです。僕自身も、野球やランニング、犬の散歩などで武庫川にはよく通っていました。
また、調べたところ、武庫川沿いにある小・中・高校の校歌には、ほぼ必ずと言っていいほど、武庫川が登場します。それだけ、市民にとってもシンボル的な存在なんだなと改めて感じます。
心が開放的になれる場所!
兵庫県内では1位、全国でも20位という人口密度を誇る尼崎市。たくさんの人が暮らす市である一方、広場や公園といった場所はそれほど多くない印象です。それだけに、広々と使える武庫川は、どこか市民の心を開放的にさせるパワーがある気がするのです。
特に男性が服を脱ぐ確率はアップする気がします。バーベキューや花見などの酔った勢いはもちろん、暑い夏場なんかは上半身裸でランニングをしているおじいちゃんなんかも珍しくありません。あまり大きな声では言えませんが、完全に下を穿いていない人も年に1~2度は見かけました。 また、中・高校生カップルのお忍びデートスポットとしても機能している印象があります。僕の友人Aは、彼女とのデートが周囲に冷やかされることを嫌い、よく夜の武庫川でデートをしていました。新芽が芽吹く春も、盆踊りの夏も武庫川で過ごし、ついに秋には初キスを交わしたそうです。ところが、そのまま冬も武庫川に通い詰め、体調を崩した彼女に「つまんない」と言われ、結局別れてしまいました。開放的な心も、寒さには勝てなかったようです。
騒音も問題なし!
広い河川敷ゆえ、少々うるさくしたところで、特別問題がないのも特徴です。色々な人がいるもので、歌う人、管楽器や弦楽器を練習する人、漫才の練習をする2人組など、よく見かけました。中でも毎日のようにトランペットの練習をしていた中年男性は印象的でした。それこそ雪の降る寒い日も、猛暑日と言うべき夏の日もよく演奏していたのですが、ある夏、その彼がよく練習していた場所に救急車が止まっていたのです。聞けば熱中症で倒れたとのことで、そこまでせにゃならんのかと思ったものです。 僕は僕で小学生のころ、父親に連れられてこの河川敷に通っていました。当時、内気で消極的な性格だったので、「度胸を付けるために」と、夜のこの場所で大声を出すと言うめちゃくちゃな特訓をさせられていたのです。当時は恥ずかしさのあまり死にたくなる思いでしたが、なんだかんだである程度の度胸が付いた今となっては良い思い出です。
うるさくできるこの場所のおかげで、成長していった人は多いのだろうなぁとしみじみ感じます。
日本でも珍しい橋の上の駅!
市内南部を走る阪神電車には武庫川駅という駅があります。この駅は武庫川を挟んで両市にまたがる鉄橋がそのまま駅になったという、国内でもわりと類を見ない珍しい駅だったりします。この駅が面白いのは、駅のホームから下を見下ろせば、川の流れが見えるという点。骨組みの上に線路があるだけなのです!ですので、例えば物を落としても「駅員さんに拾ってもらえば・・・」とはならないのです!
一時は武庫川駅を毎日利用していた僕。ある日この駅の自販機でジュースを買おうと財布を開けました。しかしその瞬間、特急が通過!財布から飛び出し、風に舞う1000円札!線路に落ちたと思いきや、そのまま線路をすり抜け川に浮かぶ1000円札!そのまま笹舟のように、大阪湾へ流れていく1000円札・・・。 楽しい思い出だけじゃなく、少し苦い思い出もあったりします。
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