【島の婚活】過熱する島婚活!求められる「ISLANDO」

tanoshimasan

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過熱する島婚活!

 交流イベントがさかんだ。巷では最近人気急上昇の大規模な交流イベント「街コン」や、FacebookやmixiといったSNSで人を募る「朝活」や「勉強会」など異業種交流会も溢れかえる。目的も”出会い”のみならず、”スキルアップ”、”自己啓発”など様々。それぞれの価値観に応じた交流イベントが全国各地で行われているのだ。  そんななか、本土から海を渡った離島の島々においても、交流イベントがにわかに活性化している。

「八丈島で島婚だ!」
「奄美大島で婚活してみませんか?」
「島づくり事業 恋活・婚活 in ハート岬」

(ページ2に詳細画像あり)

などなど。これは、国内の島々における観光協会や商工会が主催する、島の交流イベントの案内の”見出し”である。とにかく”婚”や”活”といった字が躍りまくっているように・・・こちらは直球で婚活である。そう。今、島では婚活イベントが活性化しつつあるのだ。なぜ、島で婚活が盛り上がりつつあるのか。これにはれっきとした事情がある。  国内の大半の島々に言えることだが、島によっては少子化と高齢化がより顕著で、人口流出に歯止めのきかない島も多い。島にある学校機関は軒並み閉校や休校が進み、必然的に子供たちは島の外へ。当然その流れで就職まで進めば、よほどのことが無い限り島には戻らなくなってしまうのだ。

 しかし、島から人が抜けては大問題。家庭や仕事の後継者がいなくなるのはもちろんだが、そればかりではない。 竹島や尖閣諸島の領土問題でも騒がしい今日。国家レベルで我が国周辺の海域管理の重要性を認識し始めたのである。つまり、国策上の観点からも、島から人が減ってしまっては困るのである。離島振興法の改正で2013年度より、「離島活性化交付金」が動き出すことが決まった。離島の活性化へ向け、島々が使用できる予算が増強される格好だ。国家レベルで島々の再生へと、動きが本格化しつつあるのである・・・!そう!離島を活性化させるため、島ぐるみで”婚活”時代が幕を開けたのだ・・・!!!

 筆者の記憶では、2006~2007年頃からちらほらと始まった島の婚活イベント。徐々にほかの自治体も興味をもち始めた今、まさに黎明期といえる。おそらく今後はより増えていくのではないだろうか。 

求められるは「ISLANDO」?

 さて、カタい話題から話を戻そう。もちろん闇雲に婚活をするわけではない。やはり参加者には求められる条件や資格がある。 かつては女性が男性に対して「高学歴、高収入、高身長」を求める、いわゆる”3高”なんてものがあった。今では激しく非難されそうな考え方である。時代が変わり、経済情勢や人々の価値観が変化した最近では”新御三K”なんていう言葉が登場。これは「価値観の合致、金銭感覚の一致、雇用形態の安定」を求めての”三K”である。時代が如実に反映されていると言っても良いかも知れない。

 さて、島も例外ではない。島だって、時代が如実に反映され、婚活参加者に求める条件があるのだ。それが”ISLANDO”である。言葉は筆者の造語だが、的は射ていると思うのでご覧いただきたい。 

 I・・・"interesting"(島に興味がある)
S・・・"single"(独身である)
L・・・"lady"(女性である)

N・・・&(そして)

O・・・"outsider"(島外者である)

  いかがだろうか。上記に挙げた項目、人によっては色々と思うところはあるだろうが、やはりこれにも事情があるのだ。

 【島へ移住する】記事一覧
potaru.com

島には島の婚活事情

 まずは、島の婚活イベントについて見ていきたい。 例えば前述のキャッチコピーでも取り上げた八丈島。東京から南へ291km、太平洋に浮かぶ南国情緒あふれる島である。

「八丈島で島婚だ!!」

「自分でみつけに 行かないとっ!」「未婚女性先着20名まで!!」

「島内男性も同時20名募集」「参加費25,000円」

「交通費・宿泊費・食事代込み!!」「イベント前にコーディネーターによる女子会も開催予定★」

だそう。いやはや、なんとも直球である。

 注目したいのは「”島内男性”と(島外)”未婚女性”の組み合わせ」、「そして破格の安さの参加費」だ。つまり広く公募するのは女性、そして参加費は格安ということになる。

 今でこそ、ビジネス社会において男女も関係なく仕事に奔走するが、島では男女の役割が重要視される。どの島においても主要産業は土木業、漁業、農業、サービス業が主だ。せいぜい女性が集まるのは農業、サービス業。島の仕事は男性向けのものが多いのが現状なのだ。その後、男女関係なく人口流出が続いたが、島の仕事の跡継ぎは、必然的に島で生まれた男子に求められてきた。 つまり、島に残る男性は圧倒的に”出会い”が足りないのである。このままでは急場しのぎで息子に跡を継がせたところで、その後が続かなければ結果的に根絶してしまうという、まさに危機的状況なのだ。 参加費が安い理由もそこにある。「男女づきあいは何事も男性が多く出す」とか、そんな簡単なものでは無い。遠く、安くない島へわざわざ来てもらうためにも、島が、自治体が、多く出すのである。島の人々を、家業を、伝統を、文化を絶やさないために。

2012年2月に行われた「佐賀県唐津市内の島々の独身男性」と「島外未婚女性」を対象にした婚活イベント。

主催は唐津市役所 男女共同参画・市民協同課 離島振興係 というのがおもしろい。

2012年9月に開催される鹿児島県瀬戸内町での島婚活イベントの募集要項。やはり参加資格者は「島暮らしに興味がある町外の独身女性」である。

なんだか重い話?いやいや 

 決してカップル成立やさらに結婚に至るカップルは多くはない。朝日新聞が報じた記事を参照すると、

・小値賀町(長崎県)では(中略)「本気の女性を」と10年から参加費を1万~1万5千円に上げ、参加者も10人程度に絞った。1組が今年6月に結婚する。
・新上五島町では10年に2回開き、男女計51人から1組が結婚した。
  (『【西方見聞録】島の婚活 波高し』 2012年04月04日付 朝日新聞 MY TOWN長崎) 

女性10~20数名の参加に対し、結婚までたどり着くのは1組いるかいないか。しかし逆を返せば、少ないながらも成果を上げていることが伺える。課題をどう活かし、今後に繋げていくか注目したいところだ。  とは言うものの、女性たちは重く考える必要はない。もちろん決定権は女性にあるからだ。まずは気軽に参加し、島を知ることから始めれば良いだろう。よくよく考えてほしい。結構メリットがある。

島婚活のメリット1.島好きには楽しいイベント
2.相手は島の仕事を持ち、安定
3.気軽に参加可能な参加費

もちろん生活するうえでの不便も多いが、島ならではの贅沢も多い。恵まれた自然や美味しい食べ物、無駄遣いのしにくい環境に加え、子供を育てるには物騒さとはまるで無縁の”のどかさ”もある。 価値観と金銭感覚が合えば、実は非常に”良い物件”だったりする島の未婚男性。「ISLANDO」を満たした皆様、島婚活から目が離せない!?

◇参考ページ◇

 『【西方見聞録】島の婚活 波高し』
mytown.asahi.com  

 2012年04月04日付 朝日新聞 MY TOWN長崎

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