「恋人の聖地」と呼ばれる島があります。愛知県渥美半島と三重県鳥羽市、双方がはさむ海のちょうど中間あたりにぽっかり浮かぶ、周囲3.9kmの小規模な島・神島。一見近隣の島々と同じく素朴な島ですが、デートスポットとして知られています。　その大きなきっかけとなったのが、三島由紀夫の小説『潮騒』。神島は、この『潮騒』において新治と初江の淡い恋の舞台となり、吉永小百合と浜田光夫、山口百恵と三浦友和、堀ちえみと鶴見辰吾など、その時代を彩る俳優らが主演を務め、合計で5回も映画化されました。

　さらに神秘的な島の雰囲気も魅力で、日本国内で選定される「恋人の聖地」に選ばれています。訪れる際はぜひカップルで行ってみては。　そして意外とグルメな島。海の幸も必見です。

かつては島内唯一の時計で、島の人々に時刻を伝え続けていました。当時のものは島の人々と縁の深い富山の薬屋から送られたものだったそうです。その後長らく時計の無い状態が続いていましたが、現在は動物のイラストの入った時計が組み込まれています。風格のある出で立ちの時計台を思えば、昔から親しんできた人ほど、動物のイラストに違和感を感じたそうですが、これはこれで似合っているような・・・（？）

1979年、島民にとっては念願の水道がやってきました。今日に至るまで、島も随分と利便性が向上したようですが、かつては水も貴重な存在。それを象徴していたのが、この共同洗濯場です。神島港から民家の路地を進んだ先、その名残が今も残っており、その場所に流れる表流水を共同で使用していました。『潮騒』の中でもその情景が描かれています。

こちらも『潮騒』の舞台として知られ、縁結びのためにお祈りを捧げる人も多い八代神社。「恋人の聖地」として、カップル向けのツアーもたびたび開催される神島ですが、この八代神社では、アワビの貝殻にメッセージを込める独特の奉納もその人気のひとつ。※ 八代神社を訪れたときの記事です。【旅レポ】神島・八代神社へ登ってみる。～三島由紀夫が好んだ景色へ～

1910年（明治43年）に建立した灯台。1908年に神島近くの伊良湖水道で戦艦「朝日」が座礁したことを受け、造られました。数度の改修を経ているためか、比較的綺麗な状態が保たれています。お隣の菅島灯台とともに日本の灯台50選にも選ばれており、展望台からの景色もなかなかのものです。※ 神島灯台～監的哨～ニワの浜（中学校、カルスト地形）を訪れたときの記事です。【旅レポ】神島、「恋人の聖地」～甘美な響きの裏に見えるたくましさ～

さてこちらは『潮騒』のクライマックスの舞台です。旧陸軍が伊良湖から試射砲訓練の着弾点を確認するという目的で建てられたコンクリート造りの2階建て。見るからに戦跡を思わせる渋い状態で残っていますが、屋上に上ってからの景色は抜群で、条件が最高に良いときは富士山まで見れるかも・・・？という絶景スポットです。

標高１７１ｍ。島は小さいため、短時間で登って降りることができます。至る所から渥美半島を眺められ、気分も爽快。

資料によっては港から徒歩40分と表記されています。が、その場合、切り立った崖を登っていくうえ、50cm程度の幅の道を崖づたいに歩く必要があります。かなり危険なため、オススメできません。海から船で回り込むのが良策か。訪れる場合は島の人によく相談することが必須です。

カルスト地形が特徴的で、鳥羽市の天然記念物に指定された浜です。石灰岩が長い年月と共に浸食し、鮮やかな白色を見せています。小さな浜は海女さんらの休憩地なんだとか。  

神島で獲れるたこは、やや甘めの深い味。贅沢にも、同じく神島近海に生きる伊勢エビやアワビがエサになっているんだとか。そんなタコを食べやすく調理し、ハンバーガー仕立てにしてしまったのが、神島の山海荘。素朴な島ですが、実はこんなＢ級グルメもあるんです！※ 営業日：通年（不定休）、提供時間：11：30～15：30、住所：鳥羽市神島町75、電話番号：0599-38-2032、ホームページ：http://www.sankaiso.net/ 

【名　称】神島（かみしま）

【所在地】

三重県鳥羽市（地図）

【面　積】0.76㎢

【周　囲】

3.9km

島内散策、釣り、海水浴、キャンプ

伊勢エビ、アワビ、干しタコ、なまこ

たこかつバーガー（山海荘）、さんまのアラメ巻き、小女子の釜揚げ、ひじきの煮物、タコ飯、うに飯、めかぶ汁、めかぶの酢の物、わかめの茎の佃煮

カルスト地形

イワシ・アジなどの干物類、煮ダコ

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