それでも靴・・・履きますか?
周知のとおり、全国を探せば北海道から沖縄まで、大小さまざまな島がありまして。そして、その島々の大半が瀬戸内海~九州以南なのも、なんとなくイメージがわくかもしれません。そしてそして、それらの島々の観光シーズンは総じて夏と言って差し支えないでしょう。(もしくは通年夏のような気候の島もありますが・・・。) では夏を想像してみます。暑いです。暑い中遊びます。海へ、山へ、集落へ。気軽に出かけていきたいものです。そんな時、恰好はどうですか。半袖・・・女性なら日焼け止めを塗るか、薄い長袖かも知れませんね。日差しは強いでしょう。帽子は被っておいた方が良いです。水筒もしくはペットボトル飲料は持ちましたか。足もとは・・・。
足もと、特に筆者は夏場に足が熱くなるのがたまらなく嫌いです!!(強めの語気) 割り切ってスポーツなどするのであれば構いません。怪我は出来ないですから、走るスポーツや不安定な足場を歩くならもちろん靴を履きます。でも、それ以外、ちょっと散歩する。ちょっと買い物に行く。ちょっと原付で近くまで。ちょっと泳ぎに。ちょっと・・・。旅先ではこんなシチュエーションは多分にあります。靴でいいんですか。靴下も履くんですか。 それでも「うるせーな!靴派だ!」と仰る方、しつこくてすみません。たいへん失礼いたしました。この記事はここで終わりです。それ以外の「別に靴派じゃない」方、もしくは無所属(?)の方はもう少しお付き合い頂けると嬉しいです。
小笠原発、全国行
暑い時期に靴を避けたい貴方に。徐々に徐々に、勢力を拡大している素晴らしきアイテムがあるのです。「サンダルでしょ?」 そうです、サンダルです。ここまで話しておいてサンダル以外のモノを出せるほど、気まぐれドラマティックな話ではありません。ですが、改めてその価値を見直されるべき、素晴らしきサンダルです。それが、ぎょさんなのです。
ぎょさんとはこういうものです。お察しの通り、便●サンダルによく似ています。(似ているというか、そのものですが) もはや最近では、お手洗いでも見かけなくなった気さえします。ところがこいつが素晴らしい。そんじょそこらの、イラストがプリントされてる奴とか、すぐ鼻緒部分が千切れたりする奴とか、履いているうちに足裏部分がポロポロ削れていく奴とか・・・とは、全然違います!頑丈です。滑りません。履き心地も抜群です。値段も・・・まぁ手ごろ! 改めてぎょさんを紹介しますと、普通に●所サンダルとして使われていたように、全国各地に普通に流通していた実用的なサンダルでした。ところが、なぜか小笠原諸島においてはその機能性の高さにいち早く注目したのか、漁師たちの間で流行したのです。これが小笠原諸島が日本に返還された直後のことですので、小笠原では実に40年以上の歴史を持つのです。いつの間にか島民も愛用するようになり、ついには小笠原名物としてその地位を築きあげました。「漁師が履くサンダル」、「漁協で売られているサンダル」ということで、「ぎょさん」なんですね。
(小笠原諸島・父島の雑貨屋さん。たくさんのバリエーションで売られていて値段も手ごろ。サイズ別で女性用・男性用とある。)
さてさて、そんなローカルアイテムのぎょさんですが、小笠原での流行をきっかけに、徐々に便所●ンダルのような赤茶色以外にも多数のカラーバリエーションに恵まれ、2000年頃からはお洒落アイテムとして進化を遂げつつあります。(ラメ入りなんかの可愛らしいものも・・・)小笠原諸島では安ければ788円、高くても2000円以下の値段で売られ、観光客にもよく売れるようになりました。今では小笠原に限らずとも、愛好者が自身の経営するお店、ネットショップなどでも気軽に購入できるほどになっています。長年の時を経て勢力拡大中でございます。
こうなるともちろん、小笠原発の流行はゆるやかながら確実に波及し、今では”(自称)島旅ツウ”が、他の島でもぎょさんを履いているのを見かけます。全国的には元々ただの便所サン●ル、ただお洒落なだけではここまで流行することはなかったでしょう。実用的な要素を備えているからこそ、着実に評価されてきたと言えます。気軽な島歩き、そのお供におひとつどうぞ。
◇参考ページ◇
(ネットショップ)
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