絵画に興味がないなんてもったいない!
絵画を楽しめれば人生が豊かになる!
という個人的な思いから、ちょっとでも興味を持てるような鑑賞方法を考えていきます!
今回は「モデル」に注目してみたいと思います。
ラファエル前派のミューズ
一人のモデルをいろいろな画家が描くことがあります。
19世紀イギリスのモデル:エリザベス エレノア シッダルはラファエル前派の画家によって広く描かれました。
ミレーの名作「オフィーリア」と彼女の夫ロセッティの「ベアタ・ベアトリクス」は、彼女を描いた作品です。
確かにどことなく面影が似ているような気もします。
実際の写真も残っています。
口元や顎が特徴的だったところから、ただ美しいというだけで描かれたわけではないようですね。
最近は美人というとなんだかみんな似たような顔に寄っていますが、印象に残るというのはやはり何かしら他とは違うものがあるのかもしれません。
そう考えると、みんなの認める一般的な美しさっていうのは、なんともつまらないものかもしれません。
日本人のモデル
大正美人画の竹久夢二、西洋画の藤島武二のモデルとなったのが佐々木カネヨです。
竹久の絵は彼の画風にモデルが寄っているので、ずいぶんと実際とは違うようにも感じます。
藤島の描く横顔は美しいですね。
絵だけ見ると同一人物とは思えません。
写真とも違うような...?
赤毛のヴィクトリア朝風の美女
アイルランド出身のモデル:ジョアンナ・ヒファーナンはホイッスラーとクールベによって描かれました。
こちらも同じ女性とは私には思えません。
ホイッスラーの絵画からは清楚さ。
クールベの作品からは奔放さを感じます。
画家が彼女をどんなふうに見ていたかが絵に投影されているのでしょうか。
まとめ
同じモデルでこうも趣が違うと「これが同一人物?」と疑問に思ってしまいます。
どちらかの絵が違うのだろうと考えてしまいますが、そうではなく画家にはそのように見えるということなのです。
私たちは画家の捉えたモデルを見ているのです。
当たり前のことだけれど、改めて考えると直接ではなく誰かを介してその人物を捉えるということはとても面白いです。
実際に画家とモデルは愛人や夫婦関係になることが多いですが、画家とモデルが親密になればなるほど、画家がどのようにモデルを捉えるかが鮮明に出てくるのかもしれません。
美術のモデルは今回あげた以外にも「オードリー・マンソン」「アリス・プラン」「オリーヴ・トーマス」などたくさんいるので、ぜひ見てみてください!
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