絵画鑑賞を楽しむ ~色の不思議~

baikinman

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『アテナイの学堂』ラファエロ・サンティ
『アテナイの学堂』ラファエロ・サンティ

絵画に興味がないなんてもったいない!
絵画を楽しめれば人生が豊かになる!

という個人的な思いから、ちょっとでも興味を持てるような鑑賞方法を考えていきます!

今回は「色の不思議」です。

問題!!

これは何色でしょう?

薄緑色??
これはある絵の一部分を抜いています。
分かりますか?
実は。。。

『サン=レミ』フィンセント・ファン・ゴッホ
『サン=レミ』フィンセント・ファン・ゴッホ

ゴッホの絵の肌の一部分を切り取ったんです。(赤い四角の部分)

肌は肌色だと思っているけれど、実は違うんです。

絵画をじっと見ていると、肌に緑だったり、赤だったりと、思いもかけない色が使われていることもあります。

私たちは絵画を見るときに、緑色と認識するのではなく、緑色でも肌色で認識しているのが面白いです。

名画の肌の下の秘密

ルネサンス以前のフランドルは白地に直接色を置いていたと考えられています。

『若い女の肖像』ペトルス・クリストゥス
『若い女の肖像』ペトルス・クリストゥス

人間の肌の感じというよりは、マネキンに近い質感に感じます。

その後イタリアのルネサンスになるとラファエロ、ダビンチ、ミケランジェロが出てきます。
彼らの描く人物の表現は奥深く、より人肌に近くなってきます。

『ミラノの貴婦人の肖像』レオナルド・ダ・ヴィンチ
『ミラノの貴婦人の肖像』レオナルド・ダ・ヴィンチ

その秘密は下地にあったのではないかと考えられています。

1.最下層を茶色
2.人物の下地をグリーン(テールベルトではないか?)
3.その上から肌色

直接見えないけれど、下地にグリーンを置くことによって、その上の色がより生きてくる。
そうやって下地を生かして塗り重ねることで、絵の奥行きが出たのだと思います。

まとめ

名画の面白いところは、単純にそのものの色をのせるのではなく、周りとの関係で思いもしないような色が入っているところです。

そして、単なる赤が実は下地に色々工夫があって、いま見えている赤になっていること。

そういうことを知ると、じっくりと鑑賞したくなってきませんか?

絵が分からないというのは表面的にしか捉えられないからなのかもしれません。

ぜひ、じっくり見てください!

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