3ヶ月ほど前のことです。東日本大震災から7年目の3.11今年は日曜日で休日でした。地元の伊豆丹那の酪農王国オラッチェで開催された「被災していない僕たちが頑張る!」というイベントを午前中参加しつつ、午後は有限会社マザール様主催の被災者応援企画『ZAN~ジュゴンが姿を見せるとき~』上映会に行きました。
そもそも私はジュゴンのことを全く知りません。人魚のモデルとなったクジラのようなマナティのような哺乳類で絶滅危惧種のようです。国の天然記念物にも指定されています。ジュゴンは沿岸部浅瀬の海草を食べて生息しています。とても怖がりなので、夜になってから海岸の海草を食べにウミガメと一緒に訪れるそうです。色々な摩訶不思議な伝説もあるようですが実在する草食獣です。
日本で生息されていると言われているのは沖縄の北部です。沖縄基地を辺野古に建設することにより多くの豊かな自然が破壊されジュゴン生存が危ぶまれてしまうと映画では伝えています。
普天間から辺野古への米軍基地移設問題は地元住民の安全や米軍兵士の問題行動や騒音被害などの問題だけではなく、環境を破壊し美しい海に住む生物動物の命を危険にさらしているのです。
そのジュゴンたちの命も基地建設によって脅かされるなんて・・・大浦湾の自然が破壊される前に見に行こう。
そうだ!大浦湾に行こう。
ZAN ~ジュゴンが姿を見せるとき~の映画観賞から、仕事や生活に追われながらも沖縄のこと、ジュゴンのこと、大浦湾が気になっていました。
基地移設で大浦湾の自然が破壊されてしまう。その前に美しい海の生物を見に行きたい、環境破壊を目の当たりにして自分ができることはなんなのかを感じたい!と思っていたとある日、時間が空いたので、そうだ大浦湾に行こう!と思いたち出発しました。
わんさか大浦パーク
沖縄空港に着き大浦湾に向かいます。
目的地に到着する途中に見つけた「わんんさか大浦パーク」。地元のお野菜や果物、ソフトクリームやかき氷などを販売して休憩できる施設です。
沖縄の地元住民の方はみんな笑顔です。そう島時間。ときの流れが違うのです。ここ沖縄は時がゆっくり流れています。
大浦湾のグラスボートのポスターを見つけました。そうだ!グラスボートに乗ろう!!
わんさか大浦パーク
ちょっとした休憩もいいし、レストランでがっつりごはんもOK!
グラスボート大浦湾ツアー!
わんさか大浦パークの笑顔満点の店員さんにグラスボートは乗れますかと聞きました。船長に確認しますと言って船長に即お電話。
ちょうど5分後に出港する船に乗れるとのことで、急いで集合場所の汀間漁港に向かいます。港までは車で1、2分。
船長がこれまた満面の笑顔でお出迎え。船に乗るには岸壁から鉄のハシゴを真下に10段ほど下る必要があるため、サンダルやスカートはNGです。スニーカー+デニムパンツをオススメします。
汀間漁港
グラスボート大浦湾ツアー出港場所
ジュゴンが生息していると言われている大浦湾。船長に早速質問「大浦湾にはジュゴンがいるんですか?」「いますよ~」「ジュゴンは見れますか?」「見るのは難しいですねぇ、昼間は海岸には出てきません。」※愚問でした・・・笑
あわよくばジュゴンに会えるかも~なんてお気軽に期待していましたが、地元住民でも中々出くわすことがないとのことで、ますます神秘的であり絶滅させてはならない存在です。
大浦湾周遊45分、グラスボートからは美しいサンゴ礁が見えます。ニモもいます。
大浦湾は2007年に長さ50m、幅30m、高さ13mという北半球最大の巨大アオサンゴ群落が見つかりました。こちらのアオサンゴもジュゴン同様絶滅危惧種に指定されている生物です。基地移設で潮の流れが代わりアオサンゴの生息に影響があるかもしれないと地元住民は心配されています。
私は残念ながらダイビングは体験くらいしかしたことがありません。サンゴのことはよく分かりませんが、大浦湾では巨大コブハマサンゴやミドリイシといったサンゴ礁が見ることができるそう。海の中の神秘的な世界はとても魅力的です。
また、大浦湾には5,000種類以上の生物が生息しているそうです。この海の下で多数の生物が共存しています。また大浦湾の特異な地形により多くの生物が生存できる特別な環境のようです。毎年のように新種の魚もみつかっているとのこと!
アオサンゴのスケールといい、大浦湾もグレート・バリア・リーフ同様、世界遺産に匹敵するのではないでしょうか。
想像してみて下さい。
穏やかな浅瀬に広がる海草は、ぷくぷくと泡を出し、ゆらゆら揺れる海のゆりかご。魚たちがが卵からかえります。そこへ大きなジュゴンが悠々と現れ、海草を食べ始めます。アオウミガメもやってきてジュゴンと並んで泳ぎます。
~中略~
しかし、今この海の貴重な自然を壊し、新しい米軍基地が造られようとしています。私たちの税金を使って。
本当にそれでよいのでしょうか。「仕方がない」と諦めなければならのいのでしょうか?
グラスボートに乗って、大浦湾の豊かさを自分の目で確かめ、そして考えてみて下さい。私たち一人一人にできることを。きっと答えが見つかるはずです。
アオサンゴ群集@大浦湾 -a colony of Blue Coral at Ourawan,Okinawa-
YouTube
名護市東海岸に位置する大浦湾は,大浦川河口からリーフまでのおよそ5kmの間に,マングローブ,海草藻場,サンゴ群落,砂地,泥場,岩礁など,多様な表情を持つ海です。多様な環境には,それぞれに多様な生き物たちの暮らしが育まれ,大浦の海は豊かな自然で彩られています。
『すなっくスナフキン』は,この大浦湾をホームグラウンドとしてダイビングを楽しんできました。しかし今,この海の将来は不安定な状態にあります。私たちは,大浦の自然を映像として記録に残し,多くの人に知ってもらうための活動を始めました。
美しい海、瀬嵩の浜(せだけのはま)
グラスボートも終わり周辺をドライブ。
「この美しい海をジュゴンの保護区に!」という看板がありました。「ビーチクリーンしています」近隣の保育園児が書いた看板のようです。
海をみたいので車をとめて海まで歩きます。
白浜の右側に見える岩、その先には奇岩エリアがあります。波は静かです。小魚も泳いでいます。水も冷たくありません。泳げるかも!
瀬嵩の浜
目印は郵便局とジュゴンの看板!
わたしたちに今できること
私のように思い立ったら吉日精神で現地に行かなくてもできることはたくさんあります。
ジュゴンについて、環境問題について、辺野古移設について、現地に住む人の気持ちに、思いを馳せて考えることはいつでも誰でもどこにいてもできるからです。
ZAN ~ジュゴンが姿を見せるとき~の出演者でプロデューサーの木佐美有氏は映画鑑賞会のトークショーで刺すような鋭い眼差しで言われました。
「当たり前の生活は何かの犠牲によって成り立っている」
そうです。私たちが「仕方がない」とあきらめて何も考えずに流れに任せたまま、当たり前の日常を送っている中で「何か」が犠牲になっているのです。その現実を想像できますか?犠牲になるものを例としてあげられますか?本当にたくさんあるはずです。
ドリアン助川氏も続いてこのようにおっしゃいました。
『個人としてどう生きるかだ。好きか嫌いかをはっきりさせる、言えないことで何かに巻き込まれているからだ』
最後に木佐美有氏はこう言いました。
「自分の頭の中で、自分の意見をしっかり持つこと」
自分の意見を持って生きるのと、なにも考えずにただ流れに身を任せて生きていているのも、どちらもいいも悪いもないと思う。
ただ考えないことで何かが犠牲になっているのだとしたら、それでも「何も考えないこと」をわたしたちは人生において選択していきますか。考えない大人の行動が100年先の子どもたちを苦しめることになりませんか。考える大人の選択で地球の裏側の今にも消えてしまいそうな子どもたちの命を救うことができるかもしれません。
自分の目の前にある何気ない日常は何かが犠牲になっているかもしれないという視点に立って考えられる機会や気づきを広め、世の中の表とウラそしてグレーも含めじっくり考えて自分の意見を持って行動できる世の中に変えていきたいです。
美しい沖縄の海でジュゴンがゆうゆうと泳ぎ亀と一緒に海草を食べる姿を想像すればまさにそれは「平和」そのものです。私たちが何も考えない「選択」から考える「選択」をすることで、沖縄に生息する平和の象徴ジュゴンを絶滅から救えるかもしれないのです。
オススメスポット!
最終更新:
baikinman
思い立ったら即行動!
あいかわらず素敵です。
現地まで行けなくても、視点を変えて自分なりに出来ることはあると思うと何でもできますね。
cha_chan
普段「何気なく」生活していて、何かの犠牲の上にその生活があるということを考えられていませんでした。
1人1人がそのことに気がついて、意識と行動を変えないと地球が人間の手によって生物が住めない星になってなってしまうのではないかと感じます。
pamapama
瀬嵩の浜、イイ岩だしてますね!
東京時代、沖縄出身の友達(いまは沖縄にUターン)が基地について「あって当たり前の中で育ってきたからね」と言っていましたが、いまどう思っているかはわかりません。
ともあれ自然は戻らないので、時代時代の人間が未来にまで責任を持つことを考えなくてはいけませんね!
akaheru
さすがきれいな海ですね!(奇岩も見に行きたいです)
大浦湾に限らず環境問題を抱える地域は日本だけでも多数あるはずです。
こういった様々な問題に対して自分自身で考え、なにかを選択できているのか、見つめ直すとともに家族とも話をしていきたいと思います。