釜石市尾崎白浜地区で発生した山火事がなかなか鎮火できないでいる。山火事が発見されてた翌5月9日の夕方、釜石市の町なかから徒歩数分の魚市場の岸壁に行ってみた。ここは毎年10月に開催される釜石祭りで、尾崎神社の御神体が船に乗って還御されるのを町じゅうの人たちがお見送りする場所。距離は離れているものの、ここから山火事現場を眺めると、自衛隊による懸命な消火活動を目の当たりにすることができた。
自衛隊の大型ヘリは、吊り下げた赤いバケットに釜石湾で海水を汲み取って、火災現場に飛んで行って放水。すぐさま釜石湾に戻って来て海水を汲み取って現場に向かい放水を繰り返す。
何機もの大型ヘリが海から山へ、また海へと時計回りにまわっている。1機の飛行時間を計ってみたら、バケットに海水を入れて海から飛び立ち山火事現場へ飛行するまでに3~4分。山火事現場で放水して海まで戻るのに2~3分。海上でホバリングしながら海水を汲み取るのに1分ほど。
放水する場所にもよるが、活動の1サイクルはわずか6、7分。まさにヘビーローテーション。
三陸の沿岸部には急峻な岸壁が続く。急傾斜だからクルマはもとより人間が踏み込むことすら容易でない場所で、今回の山林火災は起きてしまった。消火の手だては空中からの消火活動と、集落や神社など生活の中心となってきた場所を守るための消防隊員たちによる放水に限られている。
だからこそのヘビーローテーション。
山火事の火勢を抑えるとともに、地上で活動する消防隊を援護する。延焼を阻止するとともに地上班の安全を確保する。
消火活動に取り組み人たちを釜石観音も見守っていた。
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