1杯のコーヒーの温かさ。それはコーヒーだけの温かさではなかった
神戸を目指したのは、東日本大震災から2年となる日、「がんばろう!石巻」の看板で行なわれた慰霊行事で出会った人たちのことが忘れられなかったから。
「コーヒーでホッと一息。神戸からお届けします。」とポスターが貼られた仮設のテントで無料のホットコーヒーが振る舞われていた。がんばろう看板の黒澤さんは、神戸の人たちだからこそのやさしさだと言った。同じ寒い季節に家を失い、家族を亡くした経験があるからこそ、1杯のコーヒーの温かさがありがたいと。
テントのポールに飛散防止用のウェイトが3つ重ねられているのが分かりますか?
がんばろう!石巻が設置されている門脇・南浜地区は海のすぐそば。猛烈に風が強い場所。慰霊祭に参列する人たちに万が一がないように、念には念を入れて設置されたたことを3枚重ねのウェイトが物語る。(ウェイト1個だけでも相当な重さがある)
コーヒーの温かさだけではないあたたかさ。寒風吹きすさぶ石巻で教えられた神戸の人たちのきもちを探しに西へ向かった。
高揚と悔恨の1〜2日目
大阪在住の若手パフォーマーの人と合流する予定だったのだが、どうにもスケジュールが合わず中止に。その代わりではないのだが、タカシマヤに行けば「きっと知り合いに会えるよ」と教えられて出向いたのが、大阪タカシマヤで開催中の大東北博の最終日。たしかに、知り合いの知り合いに出会い、関西と東北の絆を実感する午後になった。
(内容を追加して更新します)
「出会う、の巻」なんてタイトルの記事を書いているところからも、ずいぶんはしゃいでいたのが分かる。
その後、新快速に乗って神戸の三宮へ。御本家を見ておきたいと思っていた「希望の灯り」へゆく。灯りに記された、
「…たった一秒先が予知出来ない人間の限界…」
という言葉に、そうだよなと思った。
翌日、2日目は「人と防災未来センター」を訪ねることから始めた。まずはお勉強というわけだ。視察ツアーとしては定番のコースみたいなもの。
その定番コースで思いっきりぶん殴られた。殴られたというのは尋常ではないが、根っこを揺さぶられる衝撃だった。
「…たった一秒先が予知出来ない人間の限界…」
ここはそのことを教えてくれる場所だった。
1、2時間さらっと見て回ってお勉強して、それから新長田へ行って、なんてプログラムは吹っ飛んだ。まる1日いても足りないほどだった。順路の途中から、もう一度立ち返って見直したいという思いにかられたが、ところどころに順路を逆行することを諌める表示もあったので、次の機会にもっとしっかりと心に期す。
気づけば昼ご飯を食べないままだった。元町に移動して南京町で遅めのランチをとる。町は…やはり賑わいの中にある。
元町から三宮あたりを歩いていて、神戸市役所の「備えとう?」に行き当たる。
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