東北の味と「ひと」に大阪で出会う、の巻

iRyota25

公開:

5 なるほど
2,060 VIEW
0 コメント

大阪は難波の大阪タカシマヤで「大東北展」が開催されると聞いて、最終日の3月14日に行ってきた。平日(月曜日)なのにかなりの人出。最終日ということもあって売り切れ品も続出。岩手県のソウルフードのひとつ、「盛岡、福田パンのコッペパン」は売り切れ状態…

人出のなさそうな写真だけど、実は……
人出のなさそうな写真だけど、実は……

大阪タカシマヤ「大東北展」には東北各地から35店のブースと東北各県のアンテナショップ、そして「おながわ食堂」と「みちのく酒BAR」が一体となったお食事どころが出店。ずんだ餅や岩谷堂の羊羹、石巻の真アナゴ弁当などなどそそられるお店がずらりなのだが、この日のお目当ては「おながわ食堂」と「みちのく酒BAR」のコラボによる飲食スペース。催事場の一番奥のその場所に行くとーー

おそらく大阪タカシマヤさんの催事売り場のそうとう偉いさんらしきオジサンが、「最終日となり一部の食材がなくなったため、本日はウニが大盛りです。写真とは違う女川丼になっていますが…」と、弁明なのか客引きなのかよくわからないアナウンス。もとより、たとえどんなんであれ関西で女川丼を食べる! ってのが本日の目的だからもちろん入店、本日バージョンの女川丼をオーダー!

ジャジャジャーン、まるでウニとメカブの二色丼の間にマグロのとろとホッキ貝、ホタテ、タコなどが盛りつけられた「この日限定」「大阪タカシマヤ限定」の女川丼なのでした。ヤッター!

しかも「三陸の毛ガニ」クリガニのお味噌汁まで付いてきて!

もちろん、うまかっター!

たぶん、ここであんなりお腹いっぱいになって、他のお店での買い物がダルにならないようにとの配慮だろう、具はてんこ盛りながらご飯は控えめ。なのでもう一品、これまた女川名物、「ホヤきそば」をオーダー。具がホヤの切り身というこの焼きそば、一昨年の石巻川開き祭りの頃から大ブレークした激ウマ御当地グルメ。

塩味の焼きそばとホヤ、そして香り付けの大葉。これ、絶品過ぎる〜!

ホヤとくればやはり地元のお酒です。大阪タカシマヤ「大東北展」には東北各地からの名酒がずらりと出品されていましたが、三陸の海の幸といっしょに一献かたむけるならやはり三陸のお酒。ということで気仙沼の男山本店「陸前男山吟醸原酒」をお願いすると、気仙沼からやってきた小野寺さんが、お酒のいろいろをご説明してくれた。

これまた、うめ〜♪

で、美味しい!うめ〜!絶品じゃぁ〜! で終わらないのが関西グルメ(?)

まずはご覧下さい、このスタッフTシャツの背中。

今回の「おながわ食堂」企画に出店したお店の名前が記されたスタッフTシャツの背中です。

前も撮っていい? もちろん! 顔が入ってもいい? いいですよ〜

ってことで、テーブルのサービスを担当していただいた北村さんです。

笑顔が可愛らしすぎる彼女、5年間ずっと東北に関わることを何かしたいと思いながら、なかなか東北に行く機会がなかったらしい。でも、「大阪の求人誌でこの仕事を知って応募して、東北からきた人たちと一緒に働いてみて、やっとつながりができた。何なんでしょうね、やさしい人たちなんだなあって。もうつながりができたんだから行きますよ、まずは女川丼のおかせいさんに行かなきゃね」

じ〜ん。

まったくもう、素敵な話し過ぎるからもう一杯、男山原酒をお願い! とオーダーすると、東北の地元の酒蔵から大阪まで出張してきた陸前・男山の小野寺さんがお酒の説明をしてくれる。

とにかく旨かった。ピーンと張りつめたような原酒。どこの酒蔵でも原酒は甘ったるい感じになるものだと思うけど、男山の原酒はキリッとした辛口。世によくある辛口の酒みたく水っぽっくもない。何度も飲んだお酒なのに、大阪で飲むということでお酒の味が違って思えた。

そして小野寺さんがね、自分たちのお酒に対する愛情を惜しみなげに語ってくれるんです。ここ、灘の日本酒の本場、神戸ですよ。でも物怖じなんてしない。「関西の人は日本酒が好きで、日本酒のことが分かっている方が多いから、だからこそ美味しいといってもらったのはありがたい」

そりゃ旨いて言うわ。だって美味しいんだもの。

そんなやり取りをしていた中、最終日とあってようやく人出も減ってきた頃、特設女川食堂でひときわ忙しそうに飛び回り、「さあ今日はへべれけになって帰りましょう!」なんて穏やかならざる誘客をしていた若者とおしゃべりする。

彼の名前は大前さん。話せば話すほど、知り合いがたくさんいて驚いた。ほんと笑っちゃうほど。大学を休学してしばらく気仙沼地域で活動していた大前さんは、現地の活動と並行して、都会からの力をどうすれば東北沿岸部の被災した場所に届けられるかと腐心して、考えるだけではなく行動してきた人だった。

「東北でやってく中で成長した奴もいたよなあ。たとえばあいつとか」って名前を伏せて話してた当人が共通の友人(つまり、お互いに同じ人のことを語っていた)だったりしてびっくりすることばかりだった。

人生のある一時期に東北に遭遇して、そしてその場所の関わって、しっかり事績をあげてきた人。

この4月から社会人になります。そんな宣言を聞いて、「大前さんは新しい時代の社会人像をつくっていく人」になるんだと直感して納得した。

関西、関東、東北、静岡……。共通の友人がいること自体驚きだった。そんなことに驚いていてもしかたがない、つながっている人はたくさんいるということの意味。

気持ちを一緒にしたらできることがある。胸を叩いてみる。ドンドンと太鼓のような音がする。みんな同じような音がするはずだ。その音を目印に、みんなでドンドンと胸の太鼓を響かせて集まっていけばいい。

難しいことじゃない、だってみんなここにいる。

遠く思うかもしれない関西で、「あれ、ここって大阪だよね」って言い合って笑ったこと。こんな形がこれからのあり方じゃない?

付け加えとくけど、「関西は東北を忘れてない」よ。

最終更新:

コメント(0

あなたもコメントしてみませんか?

すでにアカウントをお持ちの方はログイン