陸前高田の竹駒、ひまわりハウスのあたりを走っていると、コンビニの向こうに大きな橋の工事現場が見えてきます。昨年3月に大船渡方面から陸前高田まで開通した三陸縦貫自動車道(三陸道)の続きの部分です。3年後をめどに気仙沼方面につながる予定で工事が急ピッチで進められています。
遠くから見ても、大きくて勇壮な感じのする橋ですが、近くから見上げた迫力は息を呑むほど。
橋脚はほぼ完成しているみたいで、いまは橋桁をつないでいく工事が進められているようです。ゆぅっくり動く巨大なクレーンが大きな部品を吊り上げていくのは見ていて飽きません。上ばかり見ているから口があんぐり開いてしまうけど。
ところで、東北地方を南北につなぐ高速道路といえば東北道がまず思い浮かびますが、東北道は内陸部を走っているから、沿岸部から東北道に乗ろうとすると山越えしなければならないところがほとんど。それに1時間以上はかかってしまうんですよね。
しかし、沿岸部を通る三陸道は、仙台から北に向かって走って行くと、松島や石巻を通って、登米東和というところまでしかつながっていません。沿岸部でいうと南三陸のあたりです。そこから先は、陸前高田から大船渡を通って越喜来あたりまでとか、釜石や山田、宮古付近で部分開通しているだけで、どうしてもアクセスに時間がかかってしまいます。
国交省の資料によると、東北道がある内陸部なら、盛岡・一関間約92kmの所要時間が約65分なのに対して、ほぼおなじ距離の宮古・大船渡間93kmは103分もかかるとのこと。海沿いをのんびりドライブできるのはいいけれど、たとえば急な病気で病院に救急搬送しなければならない時には大問題。現在のところ宮城県や岩手県の救急搬送に要する時間は、全国平均に比べて長い時間を要するそうです。もちろん高速道路が整備されたら、観光や物流でも大きなメリットがありますよね。たとえば仙台から八戸までは現在8時間の道のりですが、三陸道が全通すると3時間に短縮されるとか。
そうなれば、これまで気仙沼にクルマで行くなら東北道を一関で降りて下道を使う、釜石なら花巻から山越えという行き方だったのが、ずっと三陸沿岸を走って行くのが便利になるわけです。震災でダメージを受けた沿岸部にとって、交通が整備されることは復興につながる朗報なのです。
三陸道が全線開通するのはまだ先の話ですが、陸前高田から気仙沼方面がつながるのは3年後の予定。陸前高田の町は2015年9月15日にかさ上げ工事用の巨大ベルトコンベアの運転が終了し、これから本格的なまちづくりがスタートします。町の再建とほぼ歩調を合わせるかのように進む三陸道の延伸工事。陸前高田の町から遠望できる高速道路の工事現場は、復興の新たなシンボルでもあるのです。
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