津波の被害を後世に伝えるために「津波等高線」を作ろう

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私たちが住む日本の国土面積は37万8,000平方kmで、世界の面積に占める割合は、たったの0.28%です。それでも活火山の数は108あり、世界の活火山数1,548に対して7%の割合を私たちの国で占めています。いまさらですけれども「超火山大国」なわけです。それは同時に「地震大国」であることをもさします。

日本列島は、「ユーラシアプレート」と「北米プレート」に乗っかています。東からは、「太平洋プレート」が西へ向かって移動しており、「北米プレート」とぶつかってもぐり込むところが「日本海溝」です。南からは、「フィリピン海プレート」が北へ向かって移動しており、「ユーラシアプレート」とぶつかり、もぐり込むところが「南海トラフ」です。

こうしたプレートの摩擦により地震が引き起こされ、また、プレートの摩擦によって岩石が溶けてマグマとなり、地中のマグマが地面をおしあげたり、地表に噴きだしたりして火山がつくられます。そのため日本海溝や南海トラフに平行して、火山帯が存在します。

気象庁HP 【日本付近のプレートの模式図】
気象庁HP 【日本付近のプレートの模式図】
気象庁HP 【1960年から2011年にかけての日本付近で発生した地震の分布図】
気象庁HP 【1960年から2011年にかけての日本付近で発生した地震の分布図】

地震が多くて当たり前、大きな地震が発生するのも当たり前なのです。
私たちは、そうした環境の上に住んでいることを素直に受け止め、冷静に暮らし、行動しなければなりません。

厚さ100kmの岩盤であるプレート(大規模プレートで14-15枚、そこに属する小規模プレートが40枚ほどあるそうです)が、それぞれ別の方向に動いているのが地球です。全人類(地球上の生物全てですが)がその上で暮らしています。特に日本は、東日本大震災の震源となった日本海溝を含め、4枚の大規模プレートがぶつかり合ってる上に乗っかている国です。日本の陸地は、それらのプレートにまたがって乗っかています。そりゃ揺れますよ、世界一。
下の図では、もはや日本列島見えません。

気象庁HP 【世界の主なプレートと地震の分布】
気象庁HP 【世界の主なプレートと地震の分布】

ですからわが国は、長い歴史の間でたくさんの地震や噴火による被災を繰り返してきたわけです。本来その体験は、教訓として活かされていなければなりません。しかし、あまりにも長いスパン(周期)の中での出来事であったこと、今と違って古い時代のものは、記録が多くないこと、国として統一した管理ができるようになってからは、歴史上では、日が浅いことなどから、過去の教訓が現代で確実に活かされているかというと、甚だ疑問となるわけです。

とはいえ、過去のからの言い伝えをしっかりと伝承して、最悪の事態を免れた地域があるのも事実です。

今ここで、日本中に散りばめられている、言い伝え、記念碑、神社などに奉納されている書、棟札などに記録されている「過去の真実」を時代を超えて繋ぎあわせて、日本の津波の実態をわかりやすく可視化しようという試みが「津波等高線」の作成です。

等高線を完成させるには、地形的な連続したデータが必要です。出来上がる図表が、いわゆる等高線としては、表せないものになるかもしれません。必要なのは完成度ではなく、過去の津波が遡上した最高到達点をエリアごとに可視化していくことだと思っています。

いざという時、どこを目標に逃げたら良いのかを生きている間だけ覚えていれば良いのです。

過去の津波の遡上高を可視化したいのは、津波の被災は、津波の警報発生後から、逃げる時間の猶予が「少しの時間」あるからです。命をつなぐチャンスがあるからこそ、短時間で最良の避難行動が取れるための予備知識を持たなければなりません。そしてその「少しの時間」が重要なキーワードでもあると思います。

「津波等高線」を日本中のみんなで協力しあって作りませんか。

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