なぜロールケーキに「わかめ」なのか。それは南三陸生まれのロールケーキだから。 細かく刻んだわかめがクリームの中に直接入っていて、しかも宮城の伊達の旨塩でほんのりと味付け。甘すぎなくて、といってわかめの味が出しゃばるのでもなく、やわらかなクリームにプチプチしたわかめの食感が絶妙。このロールケーキにはたくさんの物語と、明日への希望が込められているんですよ。
三陸復興への思いに包まれたロールケーキ
正式名称は「絆ロール」。震災前にはくりちゃんロールケーキと呼ばれていました。名前の由来は、ケーキをつくっているパティシエが三浦宮倫子(くりこ)さんだから。メディアにも取り上げられているのでご存知の方もたくさんいるでしょうけど、くりちゃんロールが絆ロールに変貌した経緯をざっくりとご紹介しますね。
三浦さんは南三陸の歌津地区、泊崎にあるホテル「ニュー泊崎荘」のお嬢さん。ホテルに工房を構えて震災前からケーキ作りをしてきました。震災では高台にあるホテルは無事だったものの、南三陸の町はたいへんなダメージを受けました。たくさんの人が流され、家を失い、避難所で苦しい日々を送っていました。少しでも元気になってほしいという気持ちから、三浦さんは避難している人たちにロールケーキを配って食べてもらったんだそうです。
辛い時、悲しい時、心がふさぎ込んでいる時、「甘いもの」が発揮する効果は、皆さんも体験的にご存知でしょう。もしかしたらお薬よりも効果があるかもしれません。心をあたためてくれるという効果が。
避難所でくりちゃんロールに出会い、「また作ってね」という人たちの声に後押しされて、くりちゃんロールは絆ロールに生まれ変わりました。
わかめ入りの商品を開発したのは、「南三陸といえばわかめ」だから。わかめロールケーキのおいしさや意外性から、地元・南三陸に目を向けてほしいという思いが込められているのは間違いありません。
逆に日本を元気づけたい
経営理念なんていうと難しそうですが、絆ロールをつくっているパティスリーくりこの経営理念はぜひぜひ知ってほしいのです。
経営理念
「絆ロールを全国に広め被災者の雇用を増やします」
「被災者の頑張っている姿を見てもらい、逆に日本を元気付けられるような元気な会社を目指します」
わかめの入ったケーキで地元の漁業を応援するばかりではなく、被災された方の雇用を通して町の再生にも取り組んでいるのです。
それだけではありません。「地元の海で泳ぎたい」という子供たちの夢を、大人たちは住民が力を合わせて実現した長須賀海水浴場の活動でも三浦さんは中心メンバーとして大活躍。ケーキを通して、そして子供たちとのコラボを通してもがんばってる三浦さんたちのこと、ぜひとも応援してほしいな、と思うのであります!
もちろん絆ロールは「わかめ」だけではありません。プレーン、バニラ、メープル、キャラメル、小倉、ゴマ、ずんだ、くるみ、モカ、抹茶、かぼちゃ、チョコなどなどバリエーションは20種類近いとのこと。値段はロングが1,554円~1,950円、ハーフで840円~1,050円、1カットなら245円~290円。
お買い求めはニュー泊崎荘、伊里前福幸商店街のマルエーさん(洋服屋さんですが冷凍庫で絆ロールを取り扱っています)のほか、上記のホームページからも注文できます。4,000円以上で送料無料になってお得ですよ~☆彡
伊里前福幸商店街・マルエーさん
以上、歌津の佐藤さんに伺った話を元に構成しました!
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