去年だったか、一昨年だったか、はっきりとは覚えていないのだが、一枚の写真を目にした。白い雪を頂に抱いた富士山があり、その手前には、色とりどりの花が一面に広がっているものだった。最初、合成されたものかと思い、にわかに信じることができない代物だった。なんとも不思議で美しいコントラストを成していた。
それからしばらくして、それが本物であったことを知る。 富士山北西山麓の本栖湖近くにある、富士本栖湖リゾートに植えられた芝桜(シバザクラ)だった。
富士山麓に広がる芝桜について
富士山麓に広がる富士本栖湖リゾートの芝桜は、例年4月~5月かけて花を咲かせる。同園では、2008年から見ごろの時期を見計らって「富士芝桜まつり」を催している。今年は4月19日(土) ~ 6月1日(日)の期間で、開催されている。
わたしが訪れたのは、昨日、5月11日。その時点では「五分咲き」とのことだった。しかし、半分とはいえ、見ごたえは十分であり、満足のいくものだった。
富士本栖湖リゾートには、約2.4haという広大な土地に、首都圏最大級と言われる約80万株の芝桜が植えられている。時期になると「マックダニエルクッション」、「スカーレットフレーム」、「リトルドット」などの6種類の芝桜が咲き誇る。
同園に設置された看板によると、近くにある本栖湖には、龍神伝説があるそうだ。言い伝えによると、その昔、湖から龍が現れ、富士山が噴火する旨を告げると、小富士(現在の龍ヶ岳)の山頂に登って行ったという。お告げを聞いた村人たちは、一時的に避難をして、噴火の難を逃れた。その後、噴火活動がおさまり、再び湖畔の集落に戻って来た村人は、災難を事前に告げてくれた龍神様を崇め、大切にしたという。この伝説に因んで、同園の芝桜は上空から見ると、巨大な龍のように見えるよう植えられているという。
芝桜について
芝桜(学名:Phlox subulata)は北米原産の花であり、4月~5月に、赤、桃、白、紫などの色をした、花径1~2cmの小さな花を咲かる。草丈は5~10cm程度。別名ハナツメクサ(花詰草・花爪草)とも呼ばれる。
花の形がサクラに似ているのが特長で、芝生のように地面を覆って育つことから芝桜と呼ばれているそうだ。
花言葉は、「臆病な心」、「忍耐」、「燃える恋」、「華やかな姿」など。
富士芝桜まつり情報
■「富士芝桜まつり」情報
【場所】山梨県南都留郡富士河口湖町本栖212
富士本栖湖リゾート
【祭り期間】平成26年4月19日(土) ~ 6月1日(日)
【時間】8:00 ~ 17:00
※開花状況等により期間・営業時間が変更になる場合あり。
公式WEBサイトによると、当面の間、平日は朝7時、土日は朝6時より
営業開始とのこと。
【定休日】期間中は無休
【入園料】大人:520円、子供(3歳以上):210円
【駐車場】あり。約1,000台
(普通車500円、バイク300円、大型車2,000円)
※駐車場は混雑により入場を制限し、周辺の臨時駐車場に案内する
場合あり。
【問い合わせ】0555-89-3031(富士芝桜まつり事務局)
【アクセス】富士芝桜まつり期間中は、周辺道路が非常に混雑するので、
出来る限り公共交通機関(鉄道・バス)をご利用くださいとのこと。
公共交通機関等については、下記を参照。
富士芝桜まつり会場
・道路渋滞について
駐車場への入場待ちの車が道路まであふれ出て、激しい渋滞を引き起こしている。
わたしが訪れた時(5月11日午前)も混雑が激しく、会場入り口から数キロに
わたって渋滞が発生していた。会場を出たのは15時だったが、その時も渋滞は
続いていた。周辺の臨時駐車場への案内も行っていたようだった。
・駐車場への入場について
わたしが駐車場から出る際に、本栖湖方面から来た1台の乗用車が駐車場に
入ろうとしたのだが、交通整理をしていたスタッフが「一方通行です」と
言って、朝霧高原方面からの入場しか認めていないようだった(※公式WEBサイト
には、何も書かれていないようなので、確認の必要はあり)。
・渋滞回避ルートについて
帰路の渋滞回避として、富士本栖湖リゾートの園内にあった渋滞回避ルート案内
のパンフレットによると、東名(新東名)高速道路方面に行かれる方は、会場を出て、
国道139号で本栖湖へ → 国道300号 → 国道52号を利用して、新清水ICなどへ
行くことを推奨していた。
満開は、今週末~来週末?!
富士本栖湖リゾートの芝桜満開時期について、現地で同園のスタッフの方に聞いた話によると、「天候により変わるので断言はできないが、来週か再来週に満開になるのではないだろうか」(5月11日時点)とのことだった。
芝桜がピークを迎える週末は、今週末か来週末の可能性が高そうだ。ただし、休日は大変混むことが予想されるので、可能ならば、平日に行かれることを強くおすすめする。
残念ながら、わたしはピークの芝桜を見ることができなかった。しかし、いつか、富士山麓に咲き乱れる満開の芝桜を見てみたいと思う。
参考WEBサイト
Text & Photo:sKenji
最終更新: