第13回 島グルメ美食の会~大島の椿とジオパークの魅力~【島グルメを堪能する】

tanoshimasan

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キャンセル待ちで当選!

 2月某日。自宅のポストを除くと「東京愛らんど」と書かれた封筒が届いていた。開けてみると、「今回、定員を大幅に上回る申し込みがあり、」「誠に残念ながら」云々とある。がっくし。

 伊豆諸島・小笠原諸島の11島を船で結ぶ玄関口、竹芝桟橋。島フリークならお馴染みのこの場所には、「東京愛らんど」という島のアンテナショップがある。昨年12月、僕はこの場所で開催された『島グルメ美食の会』に参加したのだが、この1日にすっかりハートを射抜かれてしまった。なにせ、島々の食材を活かしたオリジナル料理をフルコースで食べられるというのだ! 前回は右も左もわからぬ初参加だったが、どうやらこのイベント、島ファンやグルメ家、もしくは僕のような島ファンかつグルメ気取りの間では評判のイベントらしい。3月2日に行われる『島グルメ美食の会』に応募していたものの、競争率が高いとの理由で落選してしまった。

 ところが、神は見捨てていなかった。ダメで元々とキャンセル待ちに期待したところ、なんと補欠当選!晴れて僕は競争率の高い『島グルメ美食の会』に参加できることになったのだ。第13回目の今回、サブタイトルは「~大島の椿とジオパークの魅力~」。3月の今、まさに旬の伊豆大島の椿!本来見て楽しむものだと思っていた伊豆大島の椿!これも食材に加わっているらしい。 さすが島グルメ!さすが美食の会!グルメ気取りにとっては早くもヨダレものでございます。

椿が!明日葉が!うまー!食べ方の発見に伊豆諸島の底力を体感!

 個人的な話なのだが、この日は朝から何も食べていなかった。35名分の座席に着き、前回と同じくウェルカムドリンクの小笠原産のパッションフルーツジュースを頂く。それを口にしつつ、東京都島しょ振興公社のお偉いさんの開会のあいさつが始まった。ここでお行儀よく、お話を伺いながら慎ましく料理を待つ。これこそが気品ある大人の振る舞いなのだが、空腹とは正直なもので、わりと恥ずかしい音でグルグルと鳴ってくれた。

 さて、今回のトップバッターは大島名物茹で落花生(大島)、ひんぎゃの塩茹で枝豆(青ヶ島)。

 ちなみにこの『島グルメ美食の会』は、参加費3000円でフルコース+島酒飲み放題!この日は休日ということもあり、食事は当然のこと、昼から島酒まで堪能できるというおまけつきなのだ!さて、いきなりおつまみが登場したわけだが、伊豆大島の名物に茹で落花生というのがあるらしい。千葉や茨城などの国産落花生ほど知名度はないものの、島の農家では細々と作られており、島内ではそれなりに流通しているそうだ。 それにしても、普通は炒るだろうところを茹でるなんて・・・と思いきや、これがまたこれでうまい!「炒る」が香ばしさ重視であれば、「茹でる」は風味重視と言ったところか。柔らかい食感で落花生らしい香りが口いっぱいに・・・!!島内でも探せば普通に食べられるそうな。これは覚えておこう。使用されているひんぎゃの塩は青ヶ島産。塩みにはカドがなく、むしろ旨味を感じる・・・気がするのだ。(※このあたりがグルメになりきれません)

 さてお次。明日葉を使ったツナサラダ(大島)。

 伊豆諸島の名産・明日葉をツナサラダに。これは前回の新島編にも登場したスベリ知らずのごく旨サラダ!明日葉自体、そこそこクセのある食べ物なのだが、マヨネーズを和えるだけでかなり食べやすくなるらしい。前回の新島産明日葉と比べ、この大島産明日葉は色がほうれん草のように濃く、見た目から少し違っていた。茹ですぎず、ほどよくシャキシャキ感を残すのがポイントらしい。

 大島名物はまだまだ続く。蒸かしジャガイモの大島バターと赤イカの塩辛のせ(バター/大島、赤イカの塩辛/神津島)。 いやいや、これには驚きと感激が押し寄せた。まず、うまい牛乳と言えば、何をイメージするでだろうか。僕であれば、山の上の牧場で育った濃厚でコクのある牛乳が云々。とかく、濃厚さをイメージしがちなのだが、大島は真逆。ホルスタイン牛のあっさりした口当たりが特徴なのだ。では味気ないのかと言えば全くそんなことはなく、あっさりしていてコク深いというのが大島産。

 そしてその牛乳から作ったバターをジャガイモに。ここまではわかる。しかし、その上に乗っているのが!なんとイカの塩辛である。先に言っておくと、神津島産の赤イカの塩辛はこの会場、アンテナショップ東京愛らんどにて売上1位の座に座り続けている圧倒的人気の商品だ。しかし、それをイカの塩辛に、しかもバターと一緒に。北海道ではよく食べられているそうだが、それを伊豆諸島の名物でコラボするなんて・・・、グルメ気取り(僕)の理解を越えてしまった。食べてみるしかない。 ・・・・・・!こんなことがあって良いのか。伊豆諸島ならでは。驚きのコラボである。恐らく、この組み合わせでこの料理を食べるなんて、日本でもこの場所だけなはず。味がどうこう言うのは野暮かも知れない。これこそ百聞は一食にしかず。蒸かしイモに大島産バターと神津島産塩辛!騙されてみてほしい。・・・誰が考えたんでしょうね。感激しました。

 ムロアジのタタキ揚げ(新島)、ちぎりくさやと、炙りエイヒレの島唐辛子マヨネーズ添え(くさや/新島、島唐辛子/小笠原) 新島産のムロアジのタタキ揚げもまた島の定番。揚げたての香ばしいかおりがたまらない。さめてもうまいタタキ揚げだが、揚げたてを食べられる機会なんてそうそう無いような気もする。それこそこのタタキ揚げは噛んだ瞬間ムロアジの旨味を含んだ油がじゅわっ。スーパーで売られているさつま揚げなんかは、保存料を使用してまで日持ちさせるものも多いけれど、新鮮なものを食べると添加物なんて本末転倒だなぁと思ってしまう。

 そして、相変わらず貫録の臭気を放つ新島産くさや!今回はエイヒレも付いてて居酒屋感がアップしていた。島唐辛子マヨネーズはなかなかオシャレかもしれない。お父さんの味かと思いきや、周辺の女性客も美味しそうに食べていたのが印象的でドリンクコーナーもさすがに混雑!酒が進みます。。

 椿の花びらジャムの豚角煮、大根と明日葉添え(大島) 真ん中に乗っているものが何かわかるだろうか。一見紅ショウガに見えるこれは椿ジャムらしい。「角煮にジャムを足す」なんて言うのは意外と見かけるのだが、そのジャムに椿を用いてしまうあたり、さすがは椿の島!角煮は普通に美味しかったけれど、欲を言えばもう少しジャムが欲しかった。

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