全然見ちゃいない
かつて野球をしていたこともあり、
気まぐれにバッティングセンターへ行くことがよくあります。
バッティングセンターと言えば、
打った打球が小さな的に当たれば「ホームラン」
みたいなサービスをしていたりするもの。
僕がよく行ってたバッティングセンターは、
「ホームラン」の的に当たれば1ゲーム無料券を渡してくれるのです。
特に現役だった中高生の頃は、
月3000~5000円のおこづかいの範囲でバッティングセンターに行ってたので、
「ホームラン」の的に当たれば、「もうけもうけ」の大騒ぎ。
僕は非力なので実際の試合でホームランを打つことはなかったですが、
バッティングセンターの的くらいの距離はワケなく届きます。(当たるかどうかは別)
◆◆◆
その日は調子が良かったのでしょうか。
友達と行ったバッティングセンターで、なんと2ゲームで2度も的にあたりました。
しかし当たれば流れるはずのBGMが流れません。
(サービスで「入りました!ホームラン!」と流れる)
受付のおっさんに聞きます。
「当たったんですけど見てませんでした?」
「当たったら音楽が流れるけど、流れてないからダメだね。」
まぁ、そうか。
確実に当たったのになぁ。反応が悪いのか・・・?
気を取り直して2ゲーム目。
カキーン、バコン!
「また当たった!!」
横の打席で打ってる人も「おぉ~」と言ってる。これは間違いない!
・・・しかし、やはりBGMは流れない。
受付のおっさんに確認に行きました。
「当たったんですけど。」
「なんでそんなウソつくの?」
「えっ、」
高校生だからでしょうか。
「当たった」とウソをついて、無料でゲームをしようとしてると思われたみたいです。
かなり頭に血が上りましたが、ここで騒げば問答無用で悪者にされるのが男子高校生という人種。
野球部という立場上、世間体もあります。
「当たってますから、ちゃんと見ておいてください。」
そう言って、ぐっとこらえ、その場を引きさがりました。
おっさんは見ていた
くっそ、マジありえへん。
心の声をボールにぶつけます。
しかし、まぐれで的に2回当たっただけというのも事実。
狙って的に当てられるほど僕は巧くありません。(プロでも難しいはず)
しかし、僕が「ちゃんと見ておけ」と言ったからか、
小憎らしいおっさんがこっちを見てます。
「絶対当てたる。」
マシンがボールを投げます。
その時!
横の打席から放たれた打球が、僕の打席のマシンが投げたボールとぶつかりました!!
(なんという奇跡!)
ズゴッ!!!
ボール同士ぶつかった勢いで、片方のボールが向きを変えて勢いよく僕の頭へ。
その場でふらつく僕。
心配するわけでもなく、なぜか無表情のおっさん。
幸い怪我はありませんでしたが、タンカを切った相手の前で、見返すどころか痛い目にあってしまいましたとさ・・・。
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