FIFAクラブワールドカップ2012が日本で開催されました。この大会は世界6大陸における選手権大会の優勝チームと、開催国における国内リーグの優勝チームが一堂に会して『クラブチームの世界王者』を決定します。欧州からはUEFAチャンピオンズリーグを制したチェルシーが、南米からはブラジルの名門コリンチャンスが参戦します。日本からはJリーグの覇者、サンフレッチェ広島がエントリーしました。今回はチェルシーVSモンテレイの対戦レポートをお届けします!
世界最高クラスのプレーヤーを揃えるチェルシーを攻略できるか?
昨シーズン、ヨーロッパチャンピオンズリーグを制覇してクラブW杯の切符を手にしたチェルシー。2012欧州選手権の得点王に輝いたフェルナンド・トーレスを筆頭に、スペイン代表のゲームメーカーを務めるマタ、ブラジル代表で10番を背負うオスカル、ミスターチェルシーと呼ばれるイングランドの英雄ランパード、世界最高のGKと評されるチェフなど、世界最高クラスのメンバーでクラブW杯に挑みます。
対する北中米王者のモンテレイは2大会連続でクラブW杯出場を決めました。前大会では準々決勝で柏レイソルに敗れましたが、今大会はアジア王者の蔚山現代を退けて初の準決勝進出を果たしました。ロンドン五輪でメキシコ代表として金メダルを獲得した若いメンバーを中心に置き、攻撃的なプレースタイルでチェルシーを迎え撃ちます。
左サイドのアザールがモンテレイのディフェンスをズタズタに切り裂く
前線に1トップ3シャドーという布陣を敷いてきたチェルシー。センターフォワードにフェルナンド・トーレスを配置してターゲットマンとし、セカンドトップは左にアザール、中央にオスカル、右にマタという世界最高クラスの攻撃陣を揃えます。特に左サイドのアザールのドリブルはDFが2~3人マークしても止められず、ペナルティエリアに次々とピンポイントクロスを入れてモンテレイのゴールを脅かします。
前半17分、左サイドをオーバーラップしたアシュリー・コールがオスカルとのワンツーで縦に抜け出し、左サイドを完全に崩してクロスを入れます。中央でフリーになったマタがゴール左隅に冷静に決めてチェルシーが先制ゴール!その後もボランチのダビド・ルイスが積極的に攻撃を仕掛けると、高精度のスルーパスを前線に連発。モンテレイのディフェンスラインの裏を突いて決定機を作ります。
3-1でチェルシーが勝利!格の違いを見せつける
後半に入って僅か20秒、左サイドを敵陣深くまでドリブルで切れ込んだアザールが中央に折り返すと、ペナルティエリア内でボールを受けたフェルナンド・トーレスがワンフェイントでDFをかわすと左足でシュート!ボールはDFに当たってゴールに吸い込まれ、2点目をゲット!
更に後半3分、左サイドを突破したトーレスが右足アウトサイドでピンポイントの高速クロスをファーサイドに送ります。ゴール前でフリーになったマタがダイレクトで中央に折り返すと、DFチャベスに当たってオウンゴール。あっという間に3-0と突き放し、チェルシーが完全に試合の主導権を握ります。終了間際にモンテレイが意地を見せて1点を返しますが、3-1で試合終了。優勝候補のチェルシーが格の違いを見せつける結果となりました。
遅攻でも速攻でも得点を奪えるチェルシーの柔軟性
世界最高クラスのチーム力を誇るチェルシーの強みとは何でしょうか。最も印象的なのは遅攻でも速攻でも得点を奪える戦術の柔軟性です。1点目のゴールは遅攻から生まれました。自陣に引いて守備を固めるモンテレイに対し、チェルシーは中盤でゆっくりボールを回して相手を焦らし、バイタルエリアにスペースが生まれた瞬間にDFアシュリー・コールが前方に飛び出してゴールを奪いました。
後半開始20秒で生まれた2点目は、全体的に前かがりになったモンテレイに対し、MFアザールがディフェンスラインの裏に抜け出してサイドを切り崩す形で生まれたゴールです。中盤でボールを奪ってから10数秒でゴールネットを揺らすという見事な速攻で得点を奪いました。相手がどのような形でディフェンスを組織しても、それに対抗する攻撃姿勢を取れるチェルシーの個人能力と戦術眼の高さは驚異的でした。
総括
3-1の圧勝でモンテレイを退けたチェルシー。決勝は南米代表のコリンチャンスが相手です。欧州王者VS南米王者の頂上決戦は、どのような形で幕を閉じるのでしょうか。想像も及ばない高次元の争いになることが予想されます。クラブW杯がどちらの手に渡ってもおかしくない戦いになることでしょう。
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