島で働くためには?

tanoshimasan

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島で働きたい人と島の仕事

 島への憧れが高じて何度も訪れる人は多い。いわゆる”リピーター”という人で、「なんとしても今年の、来年の●月までには××に行く!」というモチベーションで日々働くパワフルな方々だ。しかし、そんなリピーターよりももっとテンションが高い人(?)は、勢い余って島で仕事を見つけてしまう。全てをかなぐり捨て、島を生活の一部・・・いや、メインステージにしてしまうのだ。 僕自身、1年間だけ大学を休んでいくつかの島で働きながら過ごした。良く聞かれるのは、「そんなに求人あるの?」「どこで探すの?」といった話題である。なるほど、たしかに非日常な空間で仕事をするわけだから、興味を持たれるのも頷ける。今回改めて島の求人について調べてみた。

どうやって探すの?

インターネット

 探し方については当時よく聞かれた。今となっては想像に難くないと思うが、インターネットである。僕の場合は宿のスタッフだったが、これはもう直接HPを訪問しまくり、スタッフの空きが無いかを調べた。非効率的な気もしたが、なんだかんだで見知らぬ島の見知らぬ職場を探すわけだから、この手段は結果として悪くなかったと思う。どうしても気になるところは直接電話もして問い合わせたほどだ。職場としても見知らぬ島外の人間が、突然「働かせてくれ!」というのだから、大変だろうなと思う。ほとんどの場合、「面接をして採否を下すプロセスが省かれる」ワケで、突然訪れた人間を雇うのだから穏やかじゃないはずだ。宿を例に挙げたが、宿以外も同様で、ダイレクトに探すのはひとつの手段である。 もちろんそれ以外の方法もある。(財)日本離島センターの公式HP「しましまねっと」には、全国の島々の求人情報がリアルタイムで掲載中。どちらかと言うと移住者、もしくは長期滞在者向けの求人が多く、そのほとんどが医療系な印象だ。また、各島自治体や、各島観光協会のホームページでも掲載している場合がある。個々に覗いていくしかないのが面倒だが、気になる島があれば探してみると良いだろう。大手求人サイトでも島にまつわる仕事は多少ながら見かける。アルバイトでも良ければリゾートに特化した求人サイトもあるので、仕事に出会うことは比較的容易だ。

『島へ。』求人募集ページ

 海風舎が発行している島専門雑誌『島へ。』にも求人ページがある。こちらはアルバイトから正社員まで幅があり、毎号ある程度募集求人も変わっているので、見ていて面白い。多いのはダイビングやトレッキングなどの観光ガイド、宿泊施設に飲食店の順でよく見かける印象だ。全国の島々の求人が、多少の偏りこそあるものの、万遍なく掲載されていると言う点では見ていて楽しいのではないだろうか。

現地で

 さて、最後は少しハードルが高いかも知れない。直接現地で仕事を獲得するのである。「スタッフ募集 調理補助 35歳前後まで 寮・光熱費完備」等々。

島を歩いていると、内地となんら変わりなく、求人の貼り紙が出ていることがるのだ。一度島を訪れた旅行客を相手に募集を掛けるのだろう。この場合、島の雰囲気も既に知っているし、即面接の上、採否を決めることも可能だ。職場としては比較的安心して採用できるメリットがある。 また、僕自身、宿のスタッフ(ヘルパー)として働いていた島で、とあるツアー業者の正社員のお話を頂いたこともある。これは島における人脈や、その人の人間性を見てもらった上での”スカウト”と言ってもいいかも知れない。そのほか、とても愛嬌のある長期滞在のお客さんが、島民の方に気に入られて島で働き始めた例も見たことがある。現地での採用は、ある程度仕事におけるパートナーを吟味することが可能だ。島の求人は基本的にスタッフの出入りが激しいサービス業が多い傾向があるが、現地での採用の場合は少し変わりダネの仕事に出会えることも。他人とはひと味違った経験もできるので、ぜひ心に留めておいてほしい。

(僕で言えば、島の植生回復事業のスタッフとして森林の中で作業をしたことも。)

注意点

島の給与水準は低い!

 言うまでもないが、島の給与水準は低い。それが良い悪いという話をここでするつもりは無いが、内地と同じような感覚で仕事を探してカルチャーショックを受ける人があまりにも多いので、その点は注意して頂きたい。例えば正社員なら月20万、アルバイトなら時給1000円、内地では当たり前のこの水準も、島ではまず期待してはいけない。 場所にもよるが、月給で10万円、時給なら650円以上あれば、悪くないくらいだ。僕自身、働いた宿は日当1000円~3000円。ヘルパーという名のボランティアスタッフだった。ある沖縄の飲食店の「週休1日、月給3万円~」という求人を見かけたときは、さすがに度肝を抜かれたが、このあたりも良く検討して選んでいただきたい。ただ、島での滞在中は実は意外とお金を使わないため、日当3000円でも月2万程度の貯金ができたほどだった。しかし、「島で稼ぎたい!」と思う人には、やはり島での雇用はおすすめできない。独立を目指した方がいいだろう。

給与以外にも要注目!

 手に職を持つ場合、どうしても気になるのは給与や待遇面。せっかく島の雰囲気や生活を体感しようにも、給料が低いために、働いて寝てのその日暮らし。なんてこともあり得るのだ。そうすると、一念発起して島に訪れても結局は長続きせず、内地に帰っても無職である。それだけに、給与以外の項目もしっかりと目を通して熟慮していただきたい。島の場合は土地柄のせいか、待遇面も島独自のものがあるので見ておくべし。 例えば「●ヵ月以上の勤務で交通費片道分支給」といったもの。せっかく島で働くにしても、基本的には遠い場所。交通費が結構かかるのも現実である。特に島での仕事は基本的に給与が少ないため、こういった補助をしてくれるとありがたい。また、採用する側としても、●ヵ月以上勤務という一定の信頼関係を築いてから+アルファの手当を出したいのだろう。

 また、寮完備の有無、光熱費の有無にも注意したい。と言うのも、基本的に勤務スタイルは住み込みである。かと言って新規で不動産契約をするわけにもいかないため、部屋は職場が用意してくれるのだ。ただし、寮費を徴収するかしないか、光熱費を徴収するかしないかというのも職場によってまちまちなのである。 さらに3食付きかどうかという点も職場によって分かれる。炊事ができない人なら必須項目だろう。それに、島ではお金を使う機会が少ない分、食費が掛かるか掛からないかでも、島での生活に違いが出てくると言って良い。島で働く人のモチベーションには、「自由時間は島で遊びたい!」という点も少なからずあるだろう。どうせ使うお金なら、このあたりも考慮してみてはいかがだろうか。

遊びではない

 当然だが、遊びではない。たしかに島を訪れる理由として「遊び」を兼ねている点は、恐らく採用する現地の方々も重々承知しているはずである。しかし、あくまで仕事であるため、「気軽な気持ちで来て頂いては困る」と念を押す方々が多いのも事実。かと言って、仕事に没頭しすぎて、何もせずに滞在期間を終えるのでは味気がないだろう。要はメリハリということになるのだが、僕個人としては、仕事に対する意識を見つめなおす機会になった。必ずいい経験にはなると思う。

まとめ

 以上、思いつくままにご紹介させて頂いた。あくまでこれは僕の経験に基づく主観的な見解なので、参考程度にして頂ければ幸いである。

 日刊楽島コラム
potaru.com

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