「いらっしゃいませー。おいしいさー。」「おっ、ニィニィ自慢の石垣牛だね!」6月半ば、池袋サンシャインシティで行われた「沖縄めんそーれフェスタ」に訪れた。沖縄県内から持ちよせた名品・珍品がブースに並ぶ。中でも石垣牛を扱った料理を出すブースがよく混んでいた。
石垣牛
石垣牛丼、石垣牛そば、ビーフジャーキー?なにせ、肉肉肉だ。石垣牛とは、その名の通り石垣島で飼育された黒毛和牛のこと。海や山に恵まれた石垣島の環境は、ストレスがなく、綺麗な水と一年中青く茂る草地が牛の生育に良いとされているそうだ。 同様の離島・焼尻島(北海道)でも、ブランド価値の高いサフォーク羊が有名だが、やはりその質の良さは、島の恵まれた環境、海風にあたって育ったミネラル豊富な牧草などに由来するという。本当に良い食肉というと、なんとなく山の上の広い草原で育つイメージがあるのだが、島で育ったものと違いがあるのだろうか。定かではないが、「島育ち」という部分に、「他にはない価値」を感じずにはいられない。
実際、今や全国的な知名度を誇る「神戸牛」「前沢牛」「松坂牛」など、黒毛のブランド和牛がいくつかあるが、これらは育った場所によって名前が決まっている。では、そんな牛たちの生まれた場所は・・・というと、石垣島をはじめとした周辺の島々なのだ。仔牛たちは8か月程度で全国へ出荷され、各地のブランド和牛として育てられる。つまり、高級なブランド和牛の原点こそ、石垣島にあると言っても過言ではないだろう。
筆者は「石垣牛焼きそば」を注文した。八重山そばに石垣牛、それらを島のスィートバジルと黒胡椒で作ったオリジナル調味料で炒めたという、非常にシンプルな塩焼きそばだ。焼きそばを作る時には基本的に豚肉しか入れない筆者だが、もはやそんなことはどうでも良く、フタを開けると「ただただありがたい湯気」が舞った。 しかしパンフレットなども含め、石垣牛を見わたすと、石垣牛肉入りコロッケ、石垣牛入りカレー、石垣牛ステーキ、石垣牛ハンバーグ、石垣牛焼肉・・・なんでも「石垣牛」を頭に冠するだけでありがたく見えてしまう。「おいしいでしょうー?」ブースの近くにいた、沖縄の方と思われるおじさんに声を掛けられた。
「おいしいです!いやー色々ありますけど、全部食べたいですね。」
「そうさー、素材が有名になるとラクよー。なんでも牛肉入れてしまえば売れるやっさ。はははははは!」「はぁ、なんでも・・・。」
「ごはんに石垣牛乗せて、焼肉のたれかけてそれだけでおいしい。何にでも化けてくれるからね。焼いて調味料振ったらおしまいよ。ははははははは!」
ま・・・まぁ確かに旨いからいいか(笑)。
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