~ 昨日のお言葉 2012年5月11日 ~
「NHKの速報で町民も困惑した」
5月6日の竜巻による大きな被害を受け、NHKは「竜巻注意情報」の運用を改めた。
警報より1ランク低い「注意情報」だが、NHKは5月10日、総合テレビで重大ニュースと同格のチャイム入りの速報で「竜巻注意情報」を伝えた。
産経新聞≪NHKの竜巻注意情報への賛否≫(2012年5月11日)は、被災地「大変有益」「大げさ」疑問視も(同)など、賛否双方の意見や対応を記事にまとめた。
賛成意見として紹介されたのは、「NHKで注意情報を流すのは防災面で望ましい。竜巻の予兆に住民が注意を払う機会にもなる」との東大大学院の田中淳教授(災害情報論)のコメント。
一方、日大の福田充教授(危機管理論)の「竜巻の予測は突発的なゲリラ豪雨よりも局所的で難しい。NHKの今回の対応は過剰だった」との指摘も伝えている。
山梨県身延町の、「NHKで速報しているのに、なぜ防災無線を流さないのか」と町民から問い合わせがあったという、自治体の困惑の声も紹介した。
身延町の防災担当者の言葉として伝えられたのが、今回のお言葉、「NHKの速報で町民も困惑した」。
過剰な反応を繰り返すことで「オオカミ少年」になる、という指摘も紹介された。
NHKは今後も状況に応じて判断すると言う。
◆以下私見◆オーストラリアを旅行すると、道路沿いなどさまざまな場所に、「Today's Fire Danger (本日の山火事危険度)」という表示板が設置されている。
山火事の危険性が高いオーストラリアでは、住民たちへの注意喚起として、24時間常に注意情報を発信しているともいえる。
山火事危険度の表示が「EXTREME(極めて危険)」なのに火事が起きないからといって、オオカミ少年扱いする人がいるだろうか?
情報を発するかどうかではなく、情報をどう受け止めるか、が問題の幹だと思う。
オオカミ少年化を恐れて情報を周知しないということがあれば本末転倒。防災・減災についての理解や教育についての議論が求められているのだと考える。
◇参考ページ:NHKの竜巻注意情報への賛否(産経新聞2012年5月11日)
◇参考ページ:竜巻注意情報 自治体の対応(産経新聞2012年5月11日)
最終更新:
tanoshimasan
「公共の電波」の意味を考えさせられますね・・・。適切な表現ではないかもしれませんが、正直なところ昨年の震災まで津波注意報・警報も大げさだと思っていました。