サッカー選手の背番号には込められた意味があるといわれています。サッカー選手で背番号10とえばチームのエースやファンタジスタと呼ばれる選手がつけるもの。どうして背番号10が注目されるようになったのか?
それはサッカーの神様と呼ばれるペレがたまたま背番号10をつけていたからです。もともと10番に特別な意味はなく、フォーメーションでフォワードの左の選手がつけていた背番号です。それが1958年のワールドカップでブラジル代表監督が適当に背番号を割り振ったときに10番がペレになったのです。このとき、ペレはまだ17歳で控えの選手でした。通常、先発の選手がつける番号を割り振ったということは、監督はペレに期待を込めていたといえるかもしれません。ペレはこの大会で先発に大抜擢されました。その期待に応えてペレは大活躍!ワールドカップ史上最年少得点記録を決めるだけでなく、ハットトリックなどでゴールを量産しました。
彗星のごとく国際舞台に現れたペレは決勝戦のころには相手ディフェンダーを震え上がらせる存在になっています。決勝で戦ったスウェーデンの選手は試合前に「ペレも人間なんだ」と自分に言い聞かせたそうです。 17歳で世界的スーパースターになったペレは、10年以上にわたって世界最高の選手であり続けました。ブラジル代表でも所属先のサントスでも常に10番でした。その大きな影響があって、世界中のサッカー選手がペレの10番に憧れて背番号10番がサッカーのエースナンバーとなりました。ブラジル代表では10番は神聖化されていて、ペレの次には左足の魔術師ことリベリーノ、その次は白いペレことジーコに受け継がれました。
10番人気が最高潮に達したのは80年代から90年代です。80年代の代表的な選手としては、マラドーナ、プラティニ、ジーコの3人が10番を背負いました。90年代も時代を代表するファンタジスタがこぞって10番で活躍しました。日本で背番号10を背負ったいた選手もそうそうたる顔ぶれです。80年代ではフリーキックの名手として活躍した木村和司選手、90年代前半には闘将して知られたゲームメーカーのラモス瑠偉選手、90年代後半にはボランチとしてワールドカップに出場した名波浩選手。2,000年代では左足の魔術師として活躍した中村俊輔選手、最近ではドイツのドルトムントで活躍する香川真司が背負っています。どの時代をみても、チームの核となる中心選手が背負っていることがわかります。
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