アルガルベ杯でベールを脱いだ新生なでしこジャパン。2年後のカナダワールドカップ、3年後のブラジル五輪に向けて、若手に経験を積ませるという佐々木監督の狙いが話題を呼びました。澤、宮間らのベテラン組を外し、U-20代表から田中陽子、田中美南など初代表組を多く選出した新生なでしこ。今大会で注目の選手をピックアップしたいと思います!
金髪ショートカットで派手にA代表デビューを飾る
アルガルベ杯2013でA代表デビューを飾った小川志保。中学校ではバスケットボール部に所属し、サッカーを始めたのは15歳という異色の経歴の持ち主です。各年代別の代表経験はなく、24歳にして初の日本代表に選出されました。
なでしこリーグ通算28試合6得点という成績は、FWとしては決して十分な結果を残せたとは言えません。ノルウェー戦で初代表初先発に名を連ねた小川志保は金髪にショートカットという派手なスタイルで登場。代表デビュー戦に並々ならぬ気合いが伝わってきました。
卓越したスピードでDFの裏に抜ける動き出しの巧さ
小川志保の特徴的なプレーはDFの裏に抜ける動き出しの速さにあります。バイタルエリアからペナルティエリアに向かって危険なスペースを嗅ぎ分ける能力に長け、味方のパスを引き出すオフザボールの質は一級品です。ディフェンスラインの前から消える動きでマークを外し、MFがボールを持って前を向いた瞬間にDFより一歩先にスペースに飛び込むスピードは迫力があります。
空中戦に強く、ポストプレーとゲームメークも上手い
166cmという大柄な体格で身体能力は総じて高く、スピードと高さの両面を備えます。ノルウェー戦では170cmを超える大型DFにも空中戦の競り合いに勝ち、前線で起点となるポストプレーにも強さを見せました。DFを背負ってから鋭いターンで前を向き、巧みなボールコントロールでタメを作り、正確なショートパスでゲームを組み立てたてる器用さも持ち合わせます。
課題は得点力、シュート意識を高めてほしい
フォワードの最大の仕事はゴールです。ゴールを奪えないフォワードはDFにとって怖さがなく、ずば抜けたスピードとテクニックを持つ選手でもあまり意味を持ちません。小川の課題はゴールに対する執着心とシュート意識の低さにあると思います。いい形でボールを受けても判断が遅く、次のプレーに移る前にDFに潰されるシーンが目立ちました。
ペナルティエリア付近はプレッシャーが強く、時間とスペースも限られているのでパスを受けたら即シュート!という気持ちの強さがなければゴールは奪えません。小川が国際大会で結果を残す条件は、簡単に倒れないボディコンタクトの強さと判断力の速さが必要になるでしょう。
総括
今大会は3試合0得点という結果に終わり、目立った活躍を見せることができませんでした。フォワードとして出場しながら、シュートをほとんど打てなかったことは屈辱的だったでしょう。高さとスピード、オフザボールの動きに高い能力を持つだけに、今後の飛躍に期待したい選手の1人です。
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