東日本大震災から8年。
今回の旅では、2015年に石巻を訪れた際にできなかった「石巻津波伝承AR」アプリを使って街歩きを行います!
震災時の様子と今を見比べながら、石巻がどのように変化したかお伝えします。
そして、訪れた場所のスケッチをしながら、石巻・仙台の『お気に入りの場所』を見つけていきます。
復興支援ツアー内容
【日程】
2019年9月14日(土)~9月16日(月)
【メンバー】
夫、私、息子(小4)、娘(小3)、義母の5人旅!!
【やること】
・「石巻津波伝承AR」アプリで震災前・震災直後・震災後・未来を見ながら街歩き
・石巻・仙台の美味しいものを探す
・訪れた場所をスケッチしてお気に入りを見つける
塩釜水産物仲卸市場(1日目)
2019年9月14日(土)、三島発の始発新幹線で宮城県の仙台駅へ。
お腹がまだ空いていないということで、松島に立ち寄ってみました。
松島は日本三景の一つ。
せっかくなのでスケッチをしました。
海に小さな島が浮かぶ松島は、とても美しいです。
お腹もすいてきたので、予定していた塩釜水産物仲卸市場へ向かいます。
塩釜仲卸市場は、津波が押し寄せた時刻はすでに営業を終了していたそうです。
建物の倒壊はなく、被害は場内へのわずかな浸水だったようですが、漁港や魚市場が被災したため、2011年のGW直前にようやく震災前と同じ状態で営業再開することができたようです。
早速館内に入って、食べたいお魚に目星を付けます。
12時前でしたが、多くのお魚屋さんが値引きしていたため、お安く買うことが出来ました♪
そして、ご飯を購入しそれぞれ好きな具材をのせて、マイ海鮮丼を作ります。
近海生マグロの水揚げ量が日本トップクラスだけあり、美味しいマグロをお腹いっぱい堪能しました。
キリンビール 仙台工場
お次は仙台うみの杜水族館でしたが、工場見学の時間を変更できたため先に見学することにしました。
震災の避難場所としての機能を果たしたキリンビール 仙台工場。
ここの見学内容は別途リポートをご覧ください。
工場見学の最後には、キリンの復興への取り組みについて展示がありました。
ここまできて、『被災しているはずなのに、なんで説明や展示がないのだろう?』と疑問に思いました。
最後にここまで見学の案内をしてくださった女性スタッフにお伺いすると、
「ビール工場には被災された方も沢山見学にいらっしゃる。そういった方の気持ちを考えて、一般の見学では震災時のお話をしていない。団体の見学で、要望があった場合や、尋ねられる時は話している。」とおっしゃっていました。
<女性スタッフから伺った震災時のお話>
・もともとこの工場は、近隣の方の避難場所となっていた
・工場従業員、工業見学者、近隣の住民の500名近くの方々が屋上に避難した
・津波は工場の1階に浸水した
・仙台工場に避難していた人は、皆無事だった
・ビールタンクが4基倒壊した
・津波により缶ビールや瓶ビールが散乱した
・従業員などで、手作業の片付けと清掃をした
・震災後数年たって、敷地内からビールが出てくることがあった
見学者が待機するエントランスの一角に、震災に関する展示があると教えていただき見てきました。
仙台うみの杜水族館
2015年7月にオープンした『仙台うみの杜水族館』。
東日本大震災で甚大な被害があった『マリンピア松島水族館』の生き物が引き取られ、従業員の多くの方が移籍したそうです。
残念ながら『マリンピア松島水族館』は2015年5月10日に閉演しているため、今は見ることが出来ませんが、そこにいた生き物たちが今も仙台うみの杜水族館で出会えると思うと「がんばったね」という気持ちになります。
18時ころまで水族館を楽しみ、今回2日間お世話になるホテルへ。
南浜つなぐ館(2日目)
2日目は、野蒜地区経由で石巻へ行きました。
海岸には高い防潮堤があり、海の様子は分かりません。
平地部分には雑草が生い茂っており、2015年に訪れた時とあまり変わらない印象でした。
石巻に入ってからも、海岸に防潮堤が続き、海を見ることは出来ません。
民家はなく、居住禁止区域のようです。
道中の景色を見ながら、整備中の石巻南浜津波復興記念公園に到着。
以前植樹した場所がどこかは分からなかったのですが、アイリンブループロジェクトさんの花壇を発見しました。ハート型がかわいかったです。
次回の植樹の苗木も育てていました。
2021年の開園に向けて、整備が進んでいます。
石巻南浜津波復興記念公園の一角にある南浜つなぐ館では、震災前の石巻市南浜地区の立体模型がありました。
震災前の航空写真を3Dプリンタで再現したそうです。
車なども正確に再現されており、津波の伝承だけでなく、地元の方が昔を懐かしんで訪れることもあるとのことでした。
石巻南浜津波復興記念公園から徒歩2分くらいの場所には、日和幼稚園園児の慰霊碑があります。
書かれている詩には、亡くなった園児の名前が入っているそうです。
ここで、亡くなった園児のご冥福をお祈りしました。
石巻市立門脇小学校も見てきました。
こちらの小学校は震災遺構として残されていくようです。
グラウンドには草が生い茂り、8年前のここが学校だったことが嘘のようです。
橋通りCOMMON
予定よりも時間がオーバーしてしまい、腹ペコ状態だったため、『橋通りCOMMON』で先にお昼にすることにしました。
目玉焼きが特徴の石巻焼きそばは、麺がふっくらして美味しかったです。
【石巻焼きそばの特徴】
1.二度蒸しして茶色くなった生麺を用いる。
2.焼き上げ時に、だし汁を加えて蒸し焼きにする。
3.目玉焼きがトッピングされる。
4.食べる直前にソースをかける(必須ではない)。
橋通りCOMMONの隣には『石巻市復興まちづくり情報交流館』がありました。
入ってみると、石巻市の被害状況や過去の記録、メッセージなどが展示されていました。
「石巻津波伝承AR」アプリで散策
いよいよ『石巻津波伝承ARアプリ』を使って街歩きです。
震災時とどのように変わったかを見ていきます。
まずは、石巻市復興まちづくり情報交流館前の道路で震災時と今を比べてみました。
お次は『いしのまき元気いちば』から見た石ノ森漫画館。
震災時は対岸にテントが張られていましたが、今は綺麗に舗装された広場になっています。
漫画館周辺は芝生のある公園があったり、舗装された広場があったり、とてものんびりできる場所でした。
気持ち良い川辺から漫画館をスケッチ。
この日はコスプレした若者が楽しそうに過ごしていました。
『いしのまき元気いちば』では気になっていた、石巻で昔から親しまれるソウルフード『かきあめ』を購入!
牡蠣と飴のコラボなんて恐怖でしかなかったのですが、食べると癖になる美味しさ。
時おり牡蠣の風味がフワッと香りました。
『いしのまき元気いちば』周辺も震災時と比べてみました。
現在も工事中のこの場所。
未来は、川辺の遊歩道が続く開放感のある場所になるようです。
お次の写真は、同じ場所を探すのがとても大変でした。
後方に見える同じようなビルの形から、おそらくこの辺りだと思われます。
手前の家屋は一新されていました。
震災時と変わらない場所もありました。
浸水して、片付けが大変だったのではないでしょうか。
旧石巻ハリストス正教会教会堂
今回訪れたい場所の一つだった、旧石巻ハリストス正教会教会堂。
ここは石ノ森漫画館から道を隔てた場所にありました。
こちらも震災時は瓦礫が建物の前にたまって、窓も割れていたようです。
今までは入場するために予約が必要だったそうですが、8月から常時開放に変更されたということでタイミングが良かったです。
震災当時、津波が2階天井付近まできたそうです。
現在は絨毯が敷かれ、清掃されて美しくよみがえっていました。
外観も素敵な教会だったのでスケッチしました。
この日は晴天で、青空と白壁のコントラストが美しかったです。
石ノ森漫画館
対岸からスケッチした石ノ森漫画館にも、4年ぶりに訪れました。
通路を歩いていると、息子が「ママちょっとこっち来て~」と呼んできます。
見つけたのはQRコード。
QRコードを読み込むと震災直後と復興後それぞれの石ノ森漫画館の写真が表示されました。
こういうさりげない見せ方はとても素敵ですが、見落としてしまいそうです。
小学4年生の息子はすでに仮面ライダーを卒業していましたが、大好きだった歴代仮面ライダーで大いに盛り上がりました。
期間限定で行われていた企画の「弱虫ペダル展」も満喫しました。
3Fには震災時の様子が展示されたコーナーもあり、子供にも分かりやすくまとめられていました。
ここまできて、今回やりたかった「石ノ森漫画ロードで記念撮影」が出来ていないことに気づきました・・・。
ほぼ漫画館周辺の散策で時間が過ぎてしまった・・・。
ということで、次回来たときにはマップを見ながら石ノ森先生のキャラクター像を激写していきます。
また来るぞ!!
日和山公園
2日目の最後は、震災時に多くの方が避難した『日和山公園』へ。
ここからは、復興が進む石巻の沿岸部を見ることが出来ます。
次回訪れた時は、どんなふうに変わっているのか楽しみです。
ゆりあげ港朝市(3日目)
最終日の最初の訪問は『ゆりあげ港朝市』。駐車場は工事中でした。
入口でまず目に留まったのは、宮城県の郷土料理「せり鍋」。
MONKEY MAJIK と サンドウィッチマンの『ウマーベラス』の歌詞に出てきたセリ鍋!!
ということで、さっそく食べてみました。
セリの味はくせがなくて食べやすかったです。美味しい~♪
朝市では生ガキを店先で食べたり、魚介を買って好きなように焼いて食べました。
閖上の記憶
ゆりあげ港朝市の先には『閖上の記憶』があります。
こちらで見た動画には、津波から逃げている車の映像が写っていました。
すぐ後ろまで津波が来ているけれど、前が混んでいるため反対車線が開いているにもかかわらず、じっと待っている様子が現実に起こっていたとは思えませんでした。
ゆりあげ港朝市を挟んで、閖上の記憶と反対側には慰霊碑があります。
真ん中の塔の高さ(8.4m)まで津波が来たそうです。
亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。
道中ではかさ上げをしている風景がみられました。
名取市立閖上小中学校にも行きました。
ここには、東日本大震災で犠牲になった宮城県名取市立閖上中学校の生徒14人の名前を刻んだ慰霊碑があります。
閖上の記憶で慰霊碑の名前を触れてほしいと伺ったため、ご冥福をお祈りして家族で名前を撫でました。
仙台市立荒浜小学校
旅の最後は仙台市立荒浜小学校。
被災した校舎の中の見学もできます。
子供が遊びながら震災や津波について学べるような工夫もされていました。
触って動かしながらというのが、子どもにはよかったようです。
こちらでは、震災前の貞山堀の風景や住民の営みの動画が流れていました。
その映像を見た後に震災の様子や周りの風景を見ると、すべてが失われてしまったことがよく分かります。
今回のツアーを通して
大きな被害のあった石巻沿岸部は、今まさに復興のために工事がされていました。
震災前の様子を『石巻津波伝承ARアプリ』で見ると、2011年3月11日にこの場所で生活していた人の、基盤となるものが無くなってしまったのだと痛感します。
石巻の街中には東日本大震災の記録を知ることができる施設がいたるところにあります。
まだまだ復興道半ばかとは思いますが、石巻の現在を忘れないよう日和山から家族で眺めた南浜地区の街並みをスケッチしました。
今回の旅の『お気に入りの場所』がここです。
次に訪れた時に、どんな風に街が変化しているかを見るのが楽しみです。
ツアー費用
◎交通費 125,106円
[新幹線] 98,520円
・三島駅 ⇄ 仙台駅
[レンタカー] 25,286円
・レンタカー 20,870円
・レンタカー保険代 1,620円
・ガソリン代 2,796円
[駐車代] 1,300円
・1日目 ホテル グリーンパレス付近駐車場
1泊 400円
・2日目 石巻駅周辺駐車場
600円
・2日目 ホテル グリーンパレス付近駐車場
1泊 300円
◎食費 24,350円
〈1日目〉
・昼食:6,350円
・夕食:4,000円
〈2日目〉
・昼食:3,800円
・夕食:7,200円
〈3日目〉
・昼食:3,000円
◎宿泊費 52,100円
1日目 ホテル グリーンパレス(朝食込)
大人: :5,210円×3人=15,630円
子供: 5,210円×2人=10,420円
合計:26,050円(税込)
2日目 ホテル グリーンパレス(朝食込)
大人: :5,210円×3人=15,630円
子供: 5,210円×2人=10,420円
合計:26,050円(税込)
◎その他 9,200円
・仙台うみの杜水族館(合計:6,400円)
大人 1,900円×2名=3,800円
子供 900円×2名=1,800円
シニア 800円×1名=800円
※割引券ゲットでお安くなりました。
・石ノ森漫画館(合計:2,800円)
大人 800円×3名=2,400円
子供 200円×2名= 400円
◎お小遣い 30,000円
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■合計
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交通費 125,106円
食費 24,350円
宿泊費 52,100円
その他 9,200円
お小遣い 30,000円
------------------------- 240,756円
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