東日本大震災から7年。
震災についての事前学習で、過去訪れた場所について写真を見ながら子供たちと話をしました。
息子は2017年に行った田老の防潮堤の破壊が心に残っているそうです。
息子は、「あんなにしっかり作っているのに、津波が防潮堤を壊しているのを見て、怖いと思った。」と言っていました。
娘は、「小学校の子たち(おそらく大川小学校)がみんな流されちゃったのが、可哀そうだった。」と言っていました。
今年で5回目の東北。
最初は何が何だかわからなかった子供たちも、現地を訪れて地震や津波の恐怖を感じるようになったようです。
ただ、怖いだけではもったいない。
東北はおいしい味覚と、美しい自然があります。
そんな自然の魅力を感じながら、復興に向き合う人との出会いを楽しむ旅に出発です!!
絶景の猊鼻渓(げいびけい)
12月22日(土)、三島発の始発新幹線で岩手県の一ノ関駅へ。
一ノ関駅でレンタカーを借りて、30分ほど走ると猊鼻渓に到着。
猊鼻渓では舟下りを楽しみます♪
1時間に1便の舟下りは、残念ながらすでに出発済み・・・。
【料金】※別途送料がかかります。
・1人だと合計1,000円
・2人だと合計1,500円
・3人以上だと1人700円
ということで、息子と娘と母の3人で挑戦!!
ちょっとずつ和紙の溶けた液を流して、層を作ります。
乱暴に液を流すとせっかくのせた和紙が薄くなってしまうので難しい・・・。
和紙すきが思いのほか楽しくて、35分も経っていました。
娘はまだやりたそうでしたが、乗船時間も近づいたためタイムアップ。
3人の作品は乾かした後、後日郵送で送っていただきました。
船頭さんが舟をこぐ、100%人力舟なのでものすご~く静かで最高!!
終着場で舟を降りて、しばしの探索です。
奥に行くと、『うん玉(5個100円)』というものを発見。
これを岩の穴に入れると、願いが叶うのだそうです。
家族で挑戦しましたが、だれ一人入らず・・・。
夫は野球少年だったそうですが、全く片りんを見せませんでした・・・。
帰りは船頭さんのご厚意で舟の船首で景色を堪能。
90分の舟下りを満喫しました。
シャークミュージアムと氷の水族館
猊鼻渓から約1時間車で走り、気仙沼の『海の市』へ。
お土産屋さんやお魚屋さんだけでなく『シャークミュージアム』と『氷の水族館』があります。
まずは、『シャークミュージアム』に行きました。
ここはサメの展示だけではなく、東日本大震災のアーカイブ展示もあります。
「震災の記憶」ゾーンでは、震災被害の状況や気仙沼の今が映像で紹介されています。
また、被災者インタビューが視聴できるコーナーもありました。
もちろんサメの展示も充実しています。
ラブカというサメの妊娠期間が3年ということや、サメの種類によって卵生・卵胎生・胎生と繁殖法が違うことなど、親子で楽しめる内容でした。
次は1階にある『氷の水族館』へ。
厚いドアを開けると、そこはマイナス20度の世界。
気仙沼で水揚げされた魚がたくさん展示されています。
プロジェクトマッピングで幻想的な空間ですが、寒すぎて5分が限界でした。
大船渡の語り部ガイドTさんのお話
12月23日(日)の2日目は、椿の里・大船渡ガイドの会のTさんにお話を伺いました。
今年から小中学校の校庭に建てられていた仮設住宅が、次々に取り壊されているそうです。
7年間校庭の片隅で体育の授業が行われ、小学校生活で一度も校庭を駆け回ることができない学年もあったようですが、ようやく子供たちが校庭を駆け回ることができます。
そしてまず最初に訪れたのは『加茂神社』。
津波がきた時に、多くの人がこの高台に逃げました。
足に自信があった人は、ここではなく遠くまで走って逃げたそうです。
しかし、そうやって遠くへ逃げて助からなかった人もいるそうです・・・。
Tさんは子供たちに「津波が来たときに遠くに逃げてもダメ。近くの高いところに逃げよう。」とおっしゃっていました。
高台から景色を見ていると、Tさんが写真を出しました。
Tさん「この写真に人が2人写っているね。カメラマンが360度回転して周りの景色を撮影してまたこの場所を見たら、この2人がいなくなっていたんだよ。なんでだと思う?」
子ども達「・・・?」
Tさん「ここに写っている2人は津波にさらわれてしまったんだ。津波は何度も繰り返し来る。そして押し寄せる波より引き波のほうが力が強くって、あっという間にいなくなってしまったそうなんだ。」
津波警報解除は2日後の午後5時58分だったそうです。警報が解除されるまでは決して戻ってはいけないとおっしゃっていました。
息子には強烈な内容だったようです。
帰りの新幹線の中でも、Tさんのこのお話をしていました。
大船渡魚市場へ
お次は大船渡魚市場へ行きました。
旧大船渡魚市場は、老朽化や衛生管理エリアの不備、開放的で鳥獣類の侵入を防ぐことができない理由から、平成21年3月に新たな大船渡魚市場の建設が進められていました。
しかし、平成23年3月11日の東日本大震災により被災し、工事が中断されて、平成26年3月に完成したそうです。
三陸復興国立公園(碁石海岸)
碁石海岸レストハウスに戻って、碁石海岸の見どころ一つ雷岩・乱曝谷(かみなりいわ・らんぼうや)を見に行きます。
碁石海岸は、岩手県から宮城県にある三陸復興国立公園の一部です。
三陸復興国立公園は、東日本大震災により被災した三陸地域の復興に貢献するために、平成25年5月に創設された国立公園です。
南北の延長は約220km、北部は「海のアルプス」とも称される豪壮な大断崖、南部は入り組んだ地形が優美なリアス海岸が続きます。海岸にはウミネコやオオミズナギドリなどの海鳥の繁殖地があります。また、海岸の独特の環境に適応した多様な海岸植物が生育しており、野生生物を間近に観察することもできます。浅海域にはアマモ場や海藻藻場が形成され、海洋の生物多様性を支える場にもなっています。
八戸・宮古・釜石・大船渡・気仙沼など日本有数の水揚げを誇る漁港を有しており、新鮮な海の幸を味わうことができるのも魅力です。災害からの復興を目的のひとつとした、国内では前例のない国立公園であり、防災教育の学習を目的とした人々も全国から訪れています。
息子がガイドのTさんに「妹は震災の日に生まれた」と伝えたところ、涙ぐんでいらっしゃいました。
大切なお友達とその息子さんを震災で亡くしてしまったそうです。
震災の語り部だけでなく、東北の美しい自然も案内してくださり、終始笑顔でお話してくださいましたが、あの震災で大切な人をたくさん失ったのだと感じました。
大船渡市立博物館
碁石岬と碁石海岸
博物館の後は、車で5分ほど走って碁石岬へ。
松並木を抜けると碁石埼灯台が見えます。
この灯台は恋する灯台に認定されているそうなので、ぜひ恋人と訪れてください♪
灯台を抜けてさらに進むと、展望台からまたもや絶景が!!
海の幸ふるまいセンター
お腹がすいたので昼食を食べるために、漁港付近を探索すると『海の幸ふるまいセンター 』という食事処を発見!!
時間が遅かったのでお客さんは少なかったのですが、味もお値段もgood!!
目の前で売っている魚介類を出してくれるんです。
サン・アンドレス公園
かもめテラス
こちらではDECOかもめの玉子が作れるそうです。
時間が決まっているので今回は参加できませんでしたが、やりたそうにしている娘を見た店員さんが、DECOかもめの玉子を子供たちに1つづつくださいました♪
店内には、さいとう製菓の歴史が書かれたパネルもあります。
東日本大震災からの再開についての記載もありました。
BRT(バス・ラピッド・トランジット)
次は希望の灯り・大槌。
ですが、時間が遅くなって辺りが真っ暗だったことと、雨が強くなってきたので今回は断念。
次回訪れることにしました。
2日目のホテル『三陸花ホテル はまぎく』へ。
山田町の語り部ガイドSさんのお話
12月24日(月)の3日は、新生やまだ商店街協同組合・震災語り部ガイドのSさんに、山田町を歩きながらお話を伺いました。
震災前は国道45号線沿いに店舗がありましたが、津波に流されてしまい40~70㎝のかさ上げがされたそうです。
現在9.7mの防潮堤が作られていました。
この防潮堤は、町民との相談がなく建設がすすめられたそうです。
そのため、山田湾が見えないことや、海岸に出るのに回り込む必要があり不便なことから、今では不満があるそうです。
防潮堤の耐久年数は200年と言われており、それも修理しながらなので、一度作って終わりではありません。
住民の方たちは、防潮堤についてはいろいろ思うことがあるようです。
Sさんはお年寄りが一緒になってきちんと逃げることが大切だとおっしゃっていました。
震災当時、避難をしない両親を置いて逃げることができず、逃げ遅れたお嫁さんも一緒に津波にのまれて、現在も行方不明になっているそうです。
旦那さんが県外までお嫁さんを探しに行ったけれど、心労で病気になってしまったとお話されていました。
息子は帰ってからおばあちゃんに「地震になったらおばちゃんも早く逃げないといけない」と言って、このお話をしていました。
もともと一軒家が多かった山田町。
災害公営住宅に入ったお年寄りが、ルールが守れずに周りから孤立してしまい、部屋から出られなくなってしまう例もあるそうです。
急に変わった環境に、ついていけなく困難を感じる方がいることを知りました。
浄土ヶ浜
Sさんとお別れして、お次は浄土ヶ浜へ。
透明度が高くて美しい海に、石投げをして遊びました。
浄土ヶ浜ビジターセンターには『三陸海岸ガイド』があり、三陸の見どころを紹介していました。
今回のツアーを通して
今回は災害の恐怖だけでなく、その災害が起きる自然がどれだけ美しいかも感じる旅でした。
東北は本当に美しい。
震災があったなんて嘘みたいに、本当に美しいです。
震災だけでなく、その美しさもぜひ東北に行って感じてほしいです。
自然だけでなくその町に暮らす人たちも素敵でした。
大切な人を失っても一生懸命生活している姿は、東北の魅力の一つだと思います。
復興の格差はあると思いますが、これから先も東北の魅力を感じる旅をしたいと思います。
ツアー費用
◎交通費 119,285円
[新幹線] 99,980円
1日目
・三島駅 ⇄ 盛岡駅
大人:33,350円×2人=66,700円
子供:16,640円×2人=33,280円
※三島⇔盛岡往復のほうが往復割引が適応になりやすいと駅員さんに勧められ、盛岡往復に変更。
[レンタカー] 19,305円
レンタカー 17,160円+ガソリン代2,145円=19,305円
◎食費 12,667円
1日目昼食:3,013円(コンビニでお弁当購入)
2日目昼食:3,724円(海の幸ふるまいセンターで食事)
3日目昼食:4,860円(盛岡冷麺の店「ぴょんぴょん舎」で食事)
3日目夕食:1,070円(駅でおにぎり購入)
◎宿泊費 64,152円
1日目 大船渡温泉(夕食・朝食込)
大人: 8,370円×2人=16,740円
子供: 8,370円×80%×2人=13,392円
合計:30,132円
2日目 三陸花ホテル はまぎく(夕食・朝食込)
大人: 11,340円×2人=22,680円
子供: 11,340円×50%×2人=11,340円
合計:34,020円
◎その他 16,720円
・東山和紙「紙すき館」紙すき体験
700円×3名=2,100円
・猊鼻渓舟下り
大人1,600円×2名=3,200円
子供 860円×2名=1,720円
・氷の水族館とシャークミュージアム
大人 900円×2名=1,800円
子供 400円×2名= 800円
・語り部(大船渡) 3,000円
・大船渡市立博物館
大人 300円×2名= 600円
子供 無料
・語り部(山田) 3,500円
◎お小遣い 20,000円
■合計
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交通費 119,285円
食費 12,667円
宿泊費 64,152円
その他 16,720円
お小遣い 20,000円
------------------------- 232,824円
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