【今週の一冊】テレジンの小さな画家たち―ナチスの収容所で子どもたちは4000枚の絵をのこした_野村 路子

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 テレジンの小さな画家たち―ナチスの収容所で子どもたちは4000枚の絵をのこした
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死と隣り合わせで描かれた子供たちの絵

第二次世界大戦の際、非常に大きな領土を持ったドイツ。

多くの占領した国に近い場所にあるテレジン収容所(チェコスロバキア)は、各国からユダヤ人を集めて「殺人工場」と言われるアウシュビッツ収容所(ポーランド)へ送る中継地点として利用されます。

テレジンに集められた子ども達は、空腹と労働で疲れ果て、一度行ったら帰ってこられない「東(アウシュビッツ収容所)」へ送られる不安の中、笑顔もなくなり絶望的になりました。

そんな中、収容所の大人たちはつらくみじめな生活の中で、子ども達が笑顔の浮かぶ時間を作ろうとドイツ軍に交渉します。

歌やゲームのみ許された「教室」では、密かに詩や絵画、宗教や歴史を教えます。

もちろん禁止されている絵画を描くので、道具は自分たちの持っていたわずかな画材を使ったり、大人の着ていたセーターをほどいたり、ドイツ兵の書き損じの書類をこっそり持って帰ったり。

本の中で描かれた絵を見ると、のびのび描いているというよりは、幸せな場面を思い描いてもどうしても描けないというように感じてしまいました。

僅かな画材でみんなで少しずつ分け合って使うといったことは、贅沢に画材を使って描ける日本の子供たちにも知ってほしいと思いました。

この絵はプラハのユダヤ博物館に展示されているそうです。実物を見に行きたいと思いました。

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