発達障害の診断の難しさ

baikinman

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 [親子向け]セルフチェック | ADHDナビ
www.adhd-navi.net  

最近ではネットで簡単にADHDのチェックができるようになりました。

上の表は、ADHDチェックリストで息子の行動をチェックしたもので、判定をすると下記結果が表示されました。

このチェックリストによると、あなたは「ADHD」の 可能性がある と考えられます。

[親子向け]判定結果:可能性がある | セルフチェック | ADHDナビ

発達発達障害の専門外来で行ったWISCでも能力のばらつきがあり、簡単な問診の結果、息子はADHDの診断となりました。

 WISC(児童向けウェクスラー式知能検査)
ja.wikipedia.org  

ADHDへの対応

ADHDの特性ゆえに本人が困っていたり、周りの人が困っているような問題行動に対して、どんな対応がいいかを調べて、下記対応を今までおこなっていきました。

・刺激を減らす(教室では一番前などの席にしてもらう)
・視覚に訴えた対応(映像や写真、絵などで説明する)
・好ましい行動をしたら褒める(視覚優位なので、大げさな身振り手振り、表情で表現する)
・スケジュールを立ててパターンを作るようにする

下記は息子に行った対応の成功例と、失敗例です。

【成功例】
視覚優位ということなので、髪の毛を洗うことの必要性を説明するときに、しらみの写真を見せてみたところ、必ず毎日洗うようになりました。

【失敗例】
視覚優位ということなので、手を洗うことの必要性を説明するときに、手のばい菌の写真を見せましたが、言わないと洗いません。

年中からADHDの子供に効果的な関わり方をこころがけてきましたが、同じようにやってもうまくいく時とうまくいかない時があるようでした。

学校での離席という目の前の困りごともあり、息子が生活しやすくなるため、そして家族が息子に適切なサポートをするために、別の病院での検査をしました。

新たな見解

MRIや脳波などの検査、WISCとK-ABC検査をし、生まれてから今までの様子(おしゃべりした時期や、ハイハイの時期など細かく記載)、日常の様子をお話ししました。これらは数回に分けて、16時間程かけて調べていきました。

その結果、ADHDではなく「ASD(自閉症スぺクトラム)」という見解となりました。

今では使いませんがより分かりやすくということで、心理療法士の先生は「アスペルガー」という言葉で息子を表現されていました。

ASD(自閉症スぺクトラム)の特徴

特徴としては下記だそうです。

・対人関係を築くのが苦手
・コミュニケーションがとりにくい
・周囲の状況に合わせた関係が作りにくい
・常同的で反復する行動が見られる
・同一性へのこだわり、習慣的・儀式的行動への固執が見られる
・興味関心が偏っている
・感覚刺激への過敏または鈍麻

ADHDの特徴に当てはまるけれど・・・

真逆の特性にも思われるASDの子どもとADHDの子どもですが、その行動はとても似ているそうなのです。

例えば下記です。

〇 忘れ物が多く、物をよくなくしてしまう(ADHDチェックリスト4番)

心理療法士の先生の見解では、息子の場合は自分にとってその物が重要ではないので、忘れているようだとのことでした。
その理由として、ADHDのお子さんの場合は、出来ない自分を責めて、泣き出す子もいるそうですが、息子は忘れることに対して何も気にしている様子がないからだそうです。
実際息子は、自分が忘れてはいけないと思っていることは決して忘れませんでした。

〇 授業中に座っていられず、歩き回ってしまう(ADHDチェックリスト8番)

息子の場合は衝動的ではなく、理由があるように見えるとのことでした。
彼の中では「この勉強は分かるから聞かなくてもいい」「今はそれよりも暑さを何とかしたい」という理由ではないかということでした。
息子の中では論理的に考えてその行動を起こしているので、離席が衝動的な行動ではないようなのです。

学年が上がり2年生になって、離席が全くなくなったと先生に伺ったため、なぜ離席をしなくなったのかを息子に尋ねたところ、「お兄さんになったから」とのことでした。どうやら自分の中で納得できる理由ができたため、離席をやめたようです。

成功例と失敗例の違い

先ほどの髪の毛を洗うことの必要性と、手を洗うことの必要性を説明した時の成功と失敗にも理由があったようです。

髪の毛を洗うことは、息子の中で「髪を洗わないとパパみたいに髪が少なくなる」という理由が納得できて守っているが、手を洗うことに対しては、ばい菌の絵を見ても自分にとっての納得できる理由がないのでやらないようです。

今回検査をしたことで、今まで衝動的だと思ったり、視覚的な説明で効果があると思っていたことが、実は違かったことが判明していきました。

息子は自分なりに論理的に考え、「納得できたからやる」「納得できないからやらない」と線引きをしていたようなのです。

例えば「恥ずかしい」ということを親が言っても、曖昧で理解できないので、息子は問題行動をやめません。しかし論理的に納得できる理由を説明すれば、問題行動をやめることも可能とのことでした。

子どもの行動の理由に気づくことで、特性が分かる

このようにASDとADHDでは同じ結果になっても、根本の要因が全く異なるようです。

そのため、ADHDのチェックリストで調べると当てはまる項目が多く、ADHDの診断が下っても実は異なる発達障害の場合もあることを知りました。

発達障害の子どもは、周りと同じように行動できなかったり、コミュニケーションが上手くとれないことで、誤解をされたり、叱られることが多く、自信をなくしてしまったり、生活が楽しくなくなってしまうことがあります。

どのような診断だったとしても、その子に合ったサポートをすることで、少しでも生きやすくなることが大切だと私は思っています。

ASDとADHDは関わり方が異なってきます。

ADHDのチェックだけで判断せずに、その問題行動をおこす理由に目を向けることで子供を理解することが大切なのだと思いました。

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