食の安全について考える ~完全無薬剤の木製食器~

cha_chan

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我が家では、子供が生まれてからも食器は陶器にこだわって使っていました。粗末な扱いをしたら割れることを知ることで、物を大事に使って欲しいという思いからです。割れて減ってしまった食器の買い替えをちょうど検討している時でした。

「地震の後キッチンを早く復旧させることが大事」との記事を目にし、割れない木製食器を検討することにしました。

木製食器について調べてみると、大量生産の食器は防腐剤や漂白剤などのケミカル剤が使用されており、小さい子供にとって安全なのかが疑問になりました。

「Tomato Batake」を知ったキッカケ

安全な木製食器について調べていると、すぐに「Tomato Batake」(以下、トマト畑)の横浜ウッドというブランドの木製食器が目に止まりました。

すべては大切な家族のために。毎日の食卓に、安全な食器を。

安全な食材を選ぶように食器も安全なものを選んでもらいたい。そんな思いから、私たちは完全無薬剤の木製食器をひとつひとつ手作りでつくっています。

トマト畑 会社情報 - 私たちについて

考えてみれば、食材と同じで食器も1日3食、365日直接口に入れます。食の安全を考えるのなら、食器も同様、安全なものを使おうと思いました。

そんなとき近所の自然食品のお店で、偶然トマト畑の食器が展示販売されていました。お店の人に食器について質問しようとしたところ、それなら近々社長がお店に来て講演してくれるから聴きにおいで、と紹介してくれました。先日運良く、直接講演を聴くことができました。

 横浜ウッド | TOMATO畑 - 安全安心の木製食器を大切な家族に
www.tomatobatake.jp  

講演で知ったこと

1時間という短い時間での講演会でしたが、トマト畑の社長、田中さんからは色々有意義なお話を聴くことができました。中でも安全性へのこだわりについては、じっくり時間をかけて説明されていました。

陶器の食器は「重金属」、プラスチック食器は「環境ホルモン」という極めて有害な物質が体に取り込まれてしまうことが問題となっています。木製食器は、自然素材から出来ているため一見有害物質とは無縁に感じてしまいますが、そうではないようです。

ホルムアルデヒドの危険性

木製の食器づくりは、材料となる木を用意する必要があります。

トマト畑では、原生林の森林保護のために伐採される木を入手し、100度の熱湯で24時間以上煮るそうです。これは、伐採されたばかりの木から大量に出る樹液がカビの原因となるため、それを洗浄するためです。さらにそこから1年間、木を養生させた後、やっと成形に入ります。

大量生産品の場合、早く大量に物を作る必要があるため、すぐ成形できるよう材木屋から防腐処理された板材を購入します。実は防腐処理に使われるホルムアルデヒドが人体に有害です。

新築住宅などで目がチカチカする、頭痛がする、アレルギー症状が出るといった「シックハウス症候群」が問題となっています。これは建材などに使用されている揮発性の高いホルムアルデヒドが、徐々に空気に溶け出しているからです。

ホルムアルデヒドは水によく溶ける性質があるそうです。ホルムアルデヒド漬けの材木で作られた木製食器を使って、熱い味噌汁を飲んだり、スプーンやお箸を口に運ぶときに溶け出したホルムアルデヒドを直接摂取することになり人体に悪影響があります。ホルムアルデヒドは発ガン性もあります。

二酸化硫黄の危険性

また大量生産品は、製品の見た目と均一性を保つため、二酸化硫黄で漂白をして染み抜きします。染みがあるとクレームになり、売れずロスに繋がるからです。見た目をきれいに見せるため、二酸化硫黄で白く漂白したケミカル臭のする割りばしを使ったことがあると思います。この二酸化硫黄も人体に毒性があります。

ホルムアルデヒドと同様、二酸化硫黄が食器から溶け出し食べ物と一緒に口から直接体に入ってしまうのです。

漂白して消えてしまった木目を人工的に着色しているケースもあり、危険であるため注意した方がいいとのことでした。

トマト畑では、木のシミをそのままにしています。安全性への取り組みを1人1人に丁寧に説明して共感していただいた方に利用していただいているそうです。

漆塗りの問題

トマト畑の木製食器は、毒性のない天然の漆に焼いて、殺菌をした瓦土を混ぜ込み粘土状にして塗り込みます。その後水溶きして洗い流し、何年も使えるよう強度をつけるため漆を6回重ね塗りし、木の目止めを行っています。漆目止めは毒性がなく安全性が高いそうです。

一方、大量生産の木製食器は、非常に手間がかかる漆目止めの行程を省き安く作るため、石膏を溶かして塗り込みます。それを水研ぎし目止めの行程を省略した後、その上から本塗りがされます。

上記は製品になったときに消費者にとっては見分けがつかないようです。

また大量生産品の漆塗りの食器は、乾く前に別の薬が塗られており、完全に乾いてないがゆえにカビが生えたり、アレルギー症状が出てしまいます。完全に乾いた漆は物理学上アレルギーを起こすことはありえません。

近年、漆塗り業者の中には、水銀朱を使って着色していた業者もいたそうです。元社員による告発で発覚しました。

300年続いてきた伝統には意味がある

トマト畑は200年以上の歴史を持つ箱根細工、300年以上の歴史を持つ小田原漆器の伝統技術を継承して木製食器を製作しています。

講演の最後に田中さんが、伝統工芸の価値を未来に残すには、形よりも何で伝統になったのかの本質を伝えることが大切だと言っておられました。

トマト畑の木製食器に、底に比重のある子どものお椀があります。小さい子供が倒しても、お椀がもとの状態に起き上がる工夫がされています。またトレーニングプレートというフチが内側に反っていて食べ物がスプーンにのりやすい形状のお椀があります。

これらは伝統工芸として、昔から使う人のことを想って、より良いものを作ろうとする中で技術が発展して出来上がったものだそうです。

今回、田中さんが子供が自分の食器を持つことの意味を教えてくださいました。

トマト畑の木製食器で「子供向けの食育3つ組セット」があります。子供が自分の食器をもつことで、ものを大事にすること、3つの食器を1つに綺麗にまとめる所作を整えること、「ごちそうさまでした」を意識できるよう考えて開発したそうです。

伝統的な部分を書くと、実は深い意味があります。

「頂きます。」は、料理を作ってくれたお父さんお母さん方だけでなく「(命を)頂きます。」という意味を含んでいます。お子様の食器3つが1つにまとまるのは、あまたの命を頂いて体と1つになるという意味です。

だから片付けることが重要というのは、日本の美しい文化だと思います。

製品特集:心と体を整える・ごちそう様をおぼえる伝統のナツメ食育セット【YOKOHAMA WOOD】 | お知らせ | TOMATO畑 - 安全安心の木製食器を大切な家族に

漆器は修理が可能です。漆が剥げたら塗りなおすことができます。

漆を塗りなおしてまた新品同様になれば、余分な木を使わなくてもよく、環境にも配慮できます。

今回講演を聞いた後、子供向けの食育3つ組セットを購入しました。子供が大人になったら汁器を買い足し、家を出るときに持たせてあげようと思っています。そして子供が自分たちと同じ親になったとき、またその子供に、この食器を引き継いでもらえたらと思っています。

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