オバマ大統領のヒロシマでのスピーチが続いている。
「核兵器をなくすだけでは十分ではありません。たとえ粗末なライフルや爆発物であっても、人が人を殺傷するということ。私たちは私たちのマインドセットを変えなければなりません。私たちが過去に犯してきた過去から学ぶことができる。共通の人類という意識を持つことが重要なのだ」と。
踏み込んだ言葉だった。
ヒロシマの平和記念館の展示順路の最後に、原爆投下の1カ月後に被爆地で芽生え、そして花開いたカンナの花の写真がある。この写真を見たアメリカの大統領が、核兵器にとどまらない平和へのメッセージを、この町の空の下語っている。あの日、あのキノコ雲が立ち上った同じ空の下に立っていることの意味を。
焦土に咲いたカンナ
爆心地から約820m/基町(1945年(昭和20年)9月18日〜25日)
中国軍管区砲兵補充隊の焼け跡に、被爆後、再び芽を出したカンナは、涼しい秋を迎える頃、美しい花を咲かせた。
「75年間は草木も生えぬ」と言われた焦土の中で、これを見た人々は、再び生きる勇気と希望を抱いたという。
Canna Blooming in the Scorched Earth
広島平和資料館 図録「ヒロシマを世界に」
75年間は草木も生えぬと言われたこの場所に、あの日から71年後、新しい花が開かれようとしている。
表面的な言葉だけではないもの。ヒロシマからの道がカンナの花で彩られて続くことを希う。
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