柏崎刈羽原子力発電所5号機で制御棒が過挿入

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3月8日に発生したよく分からないトラブル。よく分からないというところが極めてアブナイこのトラブル、東京新聞は次のように報じている。

 東京電力は八日、定期検査中の柏崎刈羽原発5号機(新潟県)で、原子炉に挿入されている制御棒を動かすための設備を点検していたところ、制御棒自体を操作していないのに制御棒一本が動いてしまうトラブルがあったと発表した。

 東電は原子力規制庁にトラブルを報告するとともに、原因を調べているが「安全上の問題はない」としている。

東京新聞:柏崎刈羽5号機 制御棒点検中に1本異常動作:社会(TOKYO Web) 2016年3月9日 朝刊

制御棒を動かしていないのに勝手に動いてしまう!

制御棒は原子炉の炉心の核分裂をコントロールする非常に重要な設備。制御棒を制御できない原発などありえない。東京電力は原子力規制庁にトラブルを報告したということなので、規制庁のページを見てみると次のように「東京電力柏崎刈羽原子力発電所5号機で定期検査中における制御棒の過挿入について報告を受理」としてホームページに記載されていた。

東京電力柏崎刈羽原子力発電所5号機で定期検査中における制御棒の過挿入について報告を受理

平成28年03月08日
原子力規制委員会

 原子力規制庁は、平成28年3月8日、東京電力株式会社より、定期検査中の柏崎刈羽原子力発電所5号機において制御棒が過挿入した件について、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に基づく報告を受けました。

1.東京電力からの報告
 平成28年3月8日14時08分頃、東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所5号機において、制御棒水圧制御ユニット(※1)操作(弁の操作)を実施していたところ、制御棒の操作を行っていないにもかかわらず、「制御棒ドリフト警報(※2)」が発報したとの連絡を受けました。

 その後、東京電力(株)において、制御棒の状態を確認したところ、当該制御棒が全挿入の位置から、さらに挿入側に一時的に動作(過挿入)していたものと確認したため、15時23分、本事象を核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第62条の3に該当すると判断したとの報告が15時47分になされました。

 本件について、外部への放射性物質による影響はありません。

※1 制御棒水圧制御ユニット:制御棒を炉心内に挿入したり、引き抜いたりするために、制御棒を駆動させる機構に駆動用の水を送る装置
※2 制御棒ドリフト警報:制御棒が正常の位置にない状態となったことを示す警報

2.原子力規制庁の対応

 本件については、同日(8日)、現地の原子力保安検査官が当該制御棒が正常な位置に戻っていること及び環境への影響がないことの確認を行いました。

 今後も、東京電力(株)が行う原因究明及び再発防止策について、厳格に確認していきます。

東京電力柏崎刈羽原子力発電所5号機で定期検査中における制御棒の過挿入について報告を受理 | 原子力規制委員会

制御棒を差し込めば核反応は抑えられる。今回のトラブルは、制御棒が全挿入の位置よりもさらに深く、勝手に挿入してしまったというもの。毎日新聞は、状況をさらに詳しく紹介している。

 東電によると、午後2時8分ごろに制御棒のずれを知らせる警報が鳴動。約1分後に警報は自動的に止まり、制御棒は正常な位置に戻っていた。制御棒を上げると核分裂を強く抑え、下げると制御が弱まる。東電は「一時的にずれ上がった後、重力で落ちて元に戻った」と判断している。

柏崎刈羽原発:制御棒1本、勝手に動く 規制委に報告 - 毎日新聞 2016年3月8日 20時38分(最終更新 3月8日 20時53分)

勝手に動いたのみならず、重力で自然に元に戻るとは!

事業者である電力会社の意図とはかかわりなく、勝手に動いて勝手に戻る。しかもそれが原子炉の安全をコントロールする重要な装置。このトラブルで環境への影響がなったとかそういう問題ではないだろう。

原子力規制庁には、厳格な上にも厳格に確認をお願いしたい。

最終更新:

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