4月21日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
G6タンクエリアへの移送配管で高濃度のストロンチウム汚染水が漏洩。量は2.7リットルと少ないながら、漏れた場所は堰の外
※4月20日午後7時20分頃、構内のG6タンクエリアへの移送配管より、G6タンクエリア外堰の外側に水が滴下していることを当社社員が発見。
滴下が確認された配管はストロンチウム処理水を移送する配管であり、ストロンチウム処理水の移送先をG4タンクエリアからG6タンクエリアに切り替え操作を行った後の現場確認において、当該配管の保温材より水の滴下があることを確認したもの。
発見時の滴下量は1秒に1滴程度であり、滴下の範囲は当該配管下部に約30cm×30cmの範囲にとどまっており、構外への影響はないと考えている。
水の滴下箇所の地面に吸水材を設置および配管にビニールによる養生を実施するとともに、滴下箇所周辺に土嚢を設置。また、滴下した水については、吸水材による回収を行っている。
吸水材の設置およびビニール養生を実施した滴下箇所について水の滴下状況を継続的に確認しているが、現在、ビニール養生内に留まっており、地面への滴下はないことを確認。また、当該配管から地面へ滴下していた時間は90分程度と推定しており、滴下した量は最大で約2.7Lと推定。
滴下した水の放射能分析結果は以下のとおり。
・全ベータ :260,000Bq/L
・セシウム134: 1,100Bq/L
・セシウム137: 5,100Bq/L
上記分析結果から、滴下した水は当該配管内のストロンチウム処理水と判断。
また、滴下した水のセシウム134、セシウム137および全ベータの放射性物質の濃度(告示濃度限度に対する割合の和)が、実施計画にて定めた排水基準(0.22)を超えていることから、4月20日午後11時18分に核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第62条の3に基づき制定された、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則第18条第12号「発電用原子炉施設の故障その他の不測の事態が生じたことにより、核燃料物質等(気体状のものを除く)が管理区域内で漏えいしたとき」に該当すると判断。
なお、4月20日午後11時10分現在、B・C排水路の連続側溝モニタにおいて有意な変動は確認されていない。
福島第一原子力発電所の状況について(日報)|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社 2016年4月21日
漏洩した配管の場所、漏洩現場の写真等が下記の資料に記されている。
サブドレンNo.4中継タンクの配管で漏洩
※4月21日午前10時20分頃、サブドレン他水処理施設において、No.4中継タンク出口配管のフランジ部より2秒に1滴程度の滴下があることを協力企業作業員が発見。
このため、午前10時34分に揚水ポンプによる汲み上げおよびNo.4中継タンクから集水タンクへの移送を停止。その後午前10時40分に滴下が停止していることを確認。
なお、No.4中継タンク周辺には漏えい拡大防止の堰が設置されており、滴下した水も堰内にとどまっている。
現在、現場確認を行っている。
福島第一原子力発電所の状況について(日報)|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社 2016年4月21日
漏洩した配管の場所、漏洩現場の写真等が下記の資料に記されている。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクGから海洋排水を実施。排出量は910トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクGの分析結果[採取日4月13日]について、運用目標値を満足していることを確認。4月20日午前10時より港湾内へ排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時9分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、午後4時16分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は910m3。
福島第一原子力発電所の状況について(日報)|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社 2016年4月21日
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクAからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクAの分析結果[採取日4月15日]について、運用目標値を満足していることを確認。
福島第一原子力発電所の状況について(日報)|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社 2016年4月21日
※ 一時貯水タンクは浄化後のサブドレン・地下水ドレン水を海洋排出前に一時貯水するもので「サンプルタンク」とも呼ばれる。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(4月13日採取分)
※ 集水タンクはサブドレン・地下水ドレンから汲み上げた水を浄化施設に送る前に貯えておくタンクのこと。
地下水バイパス
◎日報に新規事項の記載なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
<最新のパトロール結果>
4月20日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
福島第一原子力発電所の状況について(日報)|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社 2016年4月21日
◆H4エリア
◎日報に新規事項の記載なし
○H4エリア周辺地下水E-1<全ベータ>
4月19日採取分:13,000Bq/L
4月18日採取分:14,000Bq/L
4月17日採取分: 悪天候のため採取中止
4月16日採取分: 9,000Bq/L
4月15日採取分: 6,100Bq/L
4月14日採取分: 8,400Bq/L
4月13日採取分: 8,100Bq/L
4月12日採取分:11,000Bq/L
4月11日採取分: 8,700Bq/L
4月10日採取分: 6,700Bq/L
4月09日採取分: 7,700Bq/L
4月08日採取分: 6,200Bq/L
4月07日採取分: 7,400Bq/L
4月06日採取分: 6,000Bq/L
4月05日採取分: 6,900Bq/L
4月04日採取分: 8,900Bq/L
4月03日採取分: 8,100Bq/L
4月02日採取分:11,000Bq/L
4月01日採取分:12,000Bq/L
これまでの最高値:710,000Bq/L(2013.11.10)
※ 地下水バイパス・サブドレン海洋排水の運用目標値:5Bq/L
◆H6エリア
◎日報に新規事項の記載なし
1~4号機タービン建屋東側
◎日報に新規事項の記載なし
地下貯水槽「i」の北東側の全ベータは260,000Bq/L
◎日報に新規事項の記載なし
最終更新: