夏も冬も大人気。岩手のソウルフード「じゃじゃ麺」♡

yumenoshippo01

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もうすぐ冬がやってきますね。冬の東北・岩手の食べ物といえば、そう「じゃじゃ麺」ですよ~☆

名前はよく聞かれる割に、岩手三大麺「わんこ蕎麦」「冷麺」に比べるとちょっと実体が知られていない感じがしないでもない[じゃじゃ麺」。

じゃじゃじゃじゃじゃ~~~~ん♪ その実物とはこれで~~~す。

あっ、ゴメンナサイ、これテーブルにサーブしてもらった瞬間、余りにも美味しそう過ぎたんで、もうまぜまぜして食べはじめた後の写真なんです。とほほ……

まぜまぜ前の雰囲気はすっきり端正で、これぞ東北の心意気かと思わせるほどの美しさなんです。それを混ぜると一瞬にして雰囲気ががらっと変わって、こんな感じになっちゃう。そこがまた東北らしいだよなって思えたりして。

本当にごめんなさい。かき混ぜる前のじゃじゃ麺と、その後をお見せしなければ、じゃじゃ麺に込められたこの土地の気質が伝わらないかもしれませぬ。(なんて言うほど大仰な問題じゃないかもしれませんが)イラストでお伝えしようとか、他のお店の画像でとかいろいろ考えたものの、じゃじゃ麺の真価は変化にこそありということで、でも取りあえず混ぜる前の様子を再現してみたんだけど、右の写真はまったくのウソ。まるで肉そぼろうどんみたいに見えるけど、実物はもっと肉味噌がみそみそな感じで、こんなのとはぜんぜんまったくの別物です!

それにしても、なんで盛岡の地でじゃじゃ麺文化が花開いたのか?

TVチャンピオンの第6回ラーメン王・山本剛志氏はこう言っています。

 盛岡のご当地麺「じゃじゃ麺」を考案したのは、この「白龍」の創業者。戦後、旧満州(中国東北部)から引き揚げてきた彼が、満州で食べた「炸醤麺(ジャージアンミエン)」を元に、日本の食材を使って始めた屋台の味がベースになっている。
 アツアツの太うどんの上に、たっぷりのキュウリと肉味噌、薬味のネギが乗る。丼の縁にはおろしニンニクと紅生姜。これらをかき混ぜて麺を引き上げる事で、味噌の甘さや塩分で食べ進められる。卓上にはこの肉味噌や、ラー油・酢などがあり、徐々に味変して楽しめる。
 麺を食べ終わった更に生卵を落とし、店員に「鶏蛋湯(チータンタン)」を注文(50円増し)。茹で湯で作った玉子スープに、肉味噌や調味料を加えて、最後まで楽しめます。

山本剛志
TVチャンピオン第6回ラーメン王。「ラーマガ」共同責任編集者

ぐるなび - 白龍本店(盛岡/喫茶店)

「満州」という言葉から分かるとおり、この麺には中国大陸で地元の人たちと交歓しながら過ごした日々、敗戦をきっかけとして起きた苦難の時、捕えられた肉親との別れ、現地で生活していく中で感じていたさまざまな悔恨の情などなど、かんたんには言えないいろいろなものが込められているのだと思います。

じゃじゃ麺の食べ方は、人によって、またお店によって様々です。最初は肉味噌と混ぜただけで食べてみて、そのあといろいろな薬味も混ぜながら、ご自身のお好きな味を探し出して下さいねと、私が行ったお店のメニューには書かれていました。ところが別のお店では、薬味を混ぜないでとか、逆に最初からニンニクやショウガをふんだんに混ぜてとか、いろいろな流儀があるようです。

だけど、どんなお店にも共通するのは、肉味噌うどんであるじゃじゃ麺を食べ終わったら、お皿に残った味の成分を無駄にすることなく、お皿にスープを注いでもらい、テーブルに備え付けられた生卵を入れて「鶏蛋湯(チータンタン)」にして、美味しさの一滴すらも残さずに食べてもらいましょう、ってこと。これは盛岡でじゃじゃ麺を出しているお店の共通項なのです。(もったいない文化、なんて思うかもしれませんが、食べた後の皿まで舐めたい気持ちを上品に解決してくれる、これも岩手のやさしい文化の現れなのです。ほっこり)

このチータンタン、マジで旨かった。食しに行ったのはまだ暑さが残る頃だったのですが、チータンタン食べるとあったまるのです。ほっこりと。((超小声で)もしかしてじゃじゃめん以上?)

夜更けに盛岡に到着したので、じゃじゃ麺をいただいたのは駅前で遅い時間まで営業されている「Hot Jaja」さんでした。じゃじゃ麺のオリジナル、「白龍」さんは駅からちょっと歩いた県庁の近くです。

でもね、「Hot Jaja」さんに行って良かったと思うのは駅から近いとか、夜遅くまで営業しているというだけではなかったんですわ。

「Hot Jaja」さんはじゃじゃ麺の他、冷麺や朝鮮料理やらのお店を複合的に展開している会社の一店舗だったんです。そういうと都会でいろいろ問題になっている、あそことか、あそことか連想するかもしれませんが、調理するのに手の込んだじゃじゃめんはもとより、手作りのおいしい食べ物のあれこれ、岩手のおいしいお酒のバラエティなどから想像するに、まじでいいお店でした。

旅先に行けばおいしい地酒とそれに合う料理、ま、当然ということで。南部美人(ゴメンなさい、升から溢れるほどだったのに、お決まりのズズズってのをやってたら勢い余って、升に入っていた分のほとんど呑んでしまった)。そしてアテはトン足サラダ。この組み合わせがまたよかったんだな〜

NHKのBSで朝ドラ「どんど晴れ」が再放送されてたりすることだし、今年の秋は岩手に来られてみてはいかがです?

紅葉の景色もいいし、飯もうまいし、もちろん人もいい。なんもかんもいいからこそ、ちょっとくらいキツイことあっても、

どんど晴れ。

そんなこと言える人たちに会いに、ぜひ東北へ。冬には冬ならではの美しさが一杯ですからね〜

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