中間貯蔵施設って言うけど最終処分方法に目処はあるの?

51mister

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ゴールが決まってないのに「中間」って・・・

福島県大熊、双葉の両町約16平方キロに建設される計画で、最大2200万立方メートルの容量を持つ「中間貯蔵」施設に向けて、いよいよ3月13日より、汚染土壌や焼却灰の搬入が開始されるようです。

最長で30年間、汚染土壌は防水処理をした上で埋設され、放射性セシウムが1キログラム当たり10万ベクレルを超える廃棄物は専用容器に入れてコンクリートの建屋で保管され、国が全額出資する特殊会社「中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)」が運営に当たるという。

この頻繁に出てくる「中間」という日本語の使い方が非常に気に入らない。それから、30年後には、貯蔵された廃棄物は、県外で最終処分する「方針」が関係法に盛り込まれているというのだが、いちいち引っかかるのが、この「 」でくくった日本語。

「中間」、「中間貯蔵」、「方針」とは具体的にどういうことだろうか。

①「中間」「中間貯蔵」とは、一定期間の仮置きなんでしょうけど、それは、最終があって初めて成り立つ中間だと思うのです。掛け声ばかりの最終という思惑があるだけで、具体的な最終処分の形は、実は何も見えていない。後の世まで、絶対安全な処理方法でなければならない最終処分の適切な方法が見いだせてないのだから、最終処分場の場所なんて決まるわけがない。

②中間貯蔵開始後30年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずることが、「中間貯蔵・環境安全事業株式会社法」3条2項後段、「中間貯蔵施設の周辺地域の安全確保等に関する協定書」第14条で明文化されています。

(国の責務)
第三条  国は、中間貯蔵及びポリ塩化ビフェニル廃棄物の処理の確実かつ適正な実施の確保を図るため、万全の措置を講ずるものとする。
2  国は、前項の措置として、特に、中間貯蔵を行うために必要な施設を整備し、及びその安全を確保するとともに、当該施設の周辺の地域の住民その他の関係者の理解と協力を得るために必要な措置を講ずるほか、中間貯蔵開始後三十年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずるものとする。

中間貯蔵・環境安全事業株式会社法

(最終処分を完了するために必要な措置等)
第14条 丙は、中間貯蔵・環境安全事業株式会社法(平成15年法律第44号)第3条第2項の規定に基づき、中間貯蔵開始後30年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずるものとする。

中間貯蔵施設の周辺地域の安全確保等に関する協定書

この解釈は「中間貯蔵開始後30年以内に福島県外で最終処分を完了する」なのか「中間貯蔵開始後30年以内に、必要な措置を講ずる」なのかが、私には読み取れません。前者であれば、福島県外で最終処分が完了するということなので、30年以内に、中間貯蔵施設からすべての廃棄物が県外へ移し終わることを明記していることになります。しかし、後者の解釈であれば、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を30年以内に手段と方法を考えて実施するという意味となり、廃棄物の移設を30年以内に済ませるとの意味にはなりません。

手段と方法を考えて30年以内に実施するということだと、極端な話をすれば、

①最終処分施設の建設に着手しました。完成は1万年後です。完成後に廃棄物は中間貯蔵施設から搬入します。それまでは、中間貯蔵施設で保管を続けます。国は、福島県外での最終処分が完了するために必要な措置を30年以内に講じましたので、協定は守りました。

②貯蔵開始後30年の直前になり、ようやく最終処分の用地買収が始まりました。将来福島県外での最終処分を完了する目処がたちました。

なんてことが、まかり通るのではと心配です。それとも私の国語力が低いのかな?

福島県外での処分を福島県と約束した時(福島県との協定締結によらなくても、中間貯蔵・環境安全事業株式会社法3条2項に謳っていますが)、他の46都道府県との合意はどうなっているのでしょうか。

福島県外で最終処分すると法律で規定したから、残りの46都道府県は自動的に決定みたいなことなのでしょうか?そもそも、この法律って、各都道府県の首長さんは合意していたのかな?

米軍基地の二転三転と、なんだか一緒みたいな感じを受けます。

ここで言いたいことは、最終処分場を何処にするかという問題ではありません。

処分のゴールが見えない、方法が確立していない、目処が立たない、安全が保証出来ないという状況の中で、それでも原発を再稼働をしようとする神経が理解できないということを強く訴えたいのです。

最終更新:

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    iRyota25

    霞ヶ関文学によって煙に巻かれた、この中間貯蔵施設は、若杉洌の「東京ブラックアウト」にも登場しますね、ニッポン国の墓標の象徴として。