[大雪対策]時ならぬ大雪に見舞われる前に

Kazannonekko452

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除雪機で掘り下げ、後は雪の横壁を人力で壊して、ようやく何台かの車を外に出すことができました。なぜ車を外に出すか? それはいくらスタッドレスタイヤを履いていても、タイヤハウス以上、いやボディ下の高さ以上の雪では車を動かすことが出来ないから。この後さらに積雪があった場合に備え、できるだけ安全な場所に車を出しておきたい。それが地元の方の切なる要望でした。

建物が密集した市街地でなくても、この積雪。除雪は大したことないと思って、ボランティアチームの猛者たちは夕暮れ迫る頃に作業開始したのだが…
建物が密集した市街地でなくても、この積雪。除雪は大したことないと思って、ボランティアチームの猛者たちは夕暮れ迫る頃に作業開始したのだが…

一見、大したことないじゃないかというお宅も。夕暮れ時、パパッと作業できればと取り付いたところが大苦戦。思いのほか雪は深かったのです。そして、ご依頼主が留守だったので、雪に埋もれた下の地形がどうなっているのかが分からない…。

雪を掘ってみると、花壇のようになっている場所と、駐車場、さらに排水溝や、玄関へのれんが造りのアプローチなど、ものすごく複雑な地形でした。

プロパンガスのタンク置き場まで歩いて行こうとすると、ズボッと深い雪にはまってしまう。掘り起こして始めた分かったのですが、そこは斜面に建てられた住宅で、敷地に何カ所か段差があったのでした。

さらに、人力で試掘しながら、ズボッ、ズボッと何人かが深みにはまりながら、傾斜地に複雑に組み合わされた花壇と排水路と土地の土台の段差がようやく明らかになっていく…。

作業完了したときには日没を過ぎていた。
作業完了したときには日没を過ぎていた。

ようやく駐車場らしき場所を除雪機で掘り出しました。その後は人力で通路や排水路を掘り出します。雪に埋もれた場所は、下の状況がまったく分からない――。

ボランティアながら、雪の恐ろしさの別の一面を実感できた貴重な経験でした。

エネルギー途絶という恐怖

ボランティア活動をさせていただいたお宅の方が口々に話されていたのは、「いつ救援がくれるのか」ということ、そして一部停電になっていた地域での「灯りもない、テレビもラジオもない、家によっては暖房や井戸水の給水まで止まってしまった」ということ、そして地域全域として言われていたのが、灯油とガスのこと。

「広い道に面しているところはいいのよ、自衛隊がやってくれたから。でも路地を入った奥のうちなんかでは、灯油を買いに行くことができなかったの。寒い中、いつなくなってしまうのかと、そればかりが不安だったわ」

「この辺はプロパンガスなんだけど、ガス屋さんによっては『ウチで除雪します』って言ってくれるところもあったらしいけど、やっぱり人手が足りなかったみたいね」

プロパンガスのボンベは、ほぼ間違いなく家の軒下です。ということは雪に完全に埋もれてしまう。ボンベがある場所までのアクセスも、雪に埋もれた軒の下。「玄関が開けられるようになったら、あとはとにかくガスボンベのところまで除雪してほしい」と要望されることもありました。

灯油も同様です。軒先に赤いポリ缶を置いていたり、庭の倉庫にしまっていたり。いずれも取り出したくても取り出せない。定期的に給油してもらうように大型タンクを設置しているお宅でも、タンクまでのルートが雪に埋もれて給油してもらえない、あるいはタンクローリーが入ってこられないのです。

とにかく、籠城のための準備を早めに

屋根からの落雪で玄関が開かなくなる。玄関が開いても、外に置いてある灯油やプロパンガスへのルートが塞がれてしまう。

道は雪に埋もれてとてもじゃないが歩けない。

無理して歩けば、スリップしたり側溝に落ちたりという危険もある。そもそも、家の近くの段差でも滑りやすくて危険だし、出歩く先に歩道橋など屋外の階段や段差があったりすれば危険この上ない。

着雪で電線が切れるほか、倒木で電線が倒されて停電することもある。

まずは、食料と暖をとる為の資材、そして水と燃料の備えが肝心だと思います。オール電化の家が増えたいま、重要なライフラインのひとつが断たれることで、生命の為の補給線という本来の意味でのライフラインが断絶しないように備えることが大切です。

激しい寒波がやってきて、たいへんな積雪があるかもしれません。

備えを。とにかく備えを万全にしてくださいね。

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