2月18日、会社の人たちと3人で静岡県小山町須走地区へ、除雪ボランティアに行ってきました。
自動車通勤している人の車で御殿場駅まで入りそこからタクシーで山梨県との県境方面へ向かいます。同じ静岡県に住んでいるのだから、まずは同県の御殿場市や小山町で雪かきサポートをしたいという気持ちをいだきつつ、タクシーの運転手さんに案内をお願いしたところ、薦められたのが小山町の須走地区でした。
雪で閉鎖された東富士五湖道路のインターチェンジから側道に入ると、迷彩服を着た自衛隊の人が要所要所に立って吹雪の中で交通整理をしています。車が走る路面の外は盛り上がった雪のかたまり。その向こうは吹雪の中に視界がフェイドアウトしていくような風景です。
冨士浅間神社の参道に続く須走地区の中心地は、救急搬送の問題から早い時期に自衛隊に救難要請をいていたということで、町内のメインの通りはかなりしっかり除雪されていました。
しかし枝道や路地は真っ白なところもあり、たまたま見かけた路地で除雪作業をしていた方に声をかけたところ、「おー、助かるわ、ぜひ手伝ってくださいよ」とのこと。
押し掛け雪かきボランティアを開始しました。
そこはクルマが1台通れるほどの路地でしたが、通学路とのこと。今日まで休校だった小学校も明日10時半から再開という話です。すでに除雪車が入っていて、1メートル弱くらいだったという雪も道路に関してはほぼ取り除かれていましたが、道の両脇には雪が残り、高齢者が住むという家の車庫前や駐車スペース、お蕎麦屋さんの駐車場はまだまだ雪だらけ。その部分を、お蕎麦屋さんとお蕎麦屋さんの奥さんのお兄さん、ご近所の人たちと恊働して雪かきしました。
作業は、持参した角スコップでとにかく雪をすくい取って軽トラックに投げ入れ、荷台がいっぱいになったところで、少し離れた広場に運び、荷台から雪を投げ下ろす。その繰り返しです。
雪を運ぶための軽トラックがあったのが大きかった。もしも人力で雪を運んでいとしたら、どうなっていたことやら。毎年雪が降る土地とはいえ、新潟などの豪雪地帯のように、雪を投げるための水路などなく、除雪した雪を移動させる手段をどうするかが、このエリアの除雪の最大の問題だからです。
実働は4時間弱くらい。その路地については除雪のニーズに応えることができました。
軽トラックを広場に入れて雪を下している時に、「いま車が通っていったよ。何日ぶりだ? この通りを車が走ったのは」と地元の方が顔をほころばせます。
車庫の前の雪をかき出したらすぐに、そのお宅の方がやってきて、「ありがとう、諦めていたんだが、これで病院に行けるよ」とすぐに車で出かけて行きました。
これはうれしかった。
お昼時にはお蕎麦屋さんが「ぜひ食べて行って」と、この辺では珍しい鰊そばをふるまってくれました。温かくて、大きな鰊がどーんと入っていて、おいしくて。推し掛けて行って手伝わせてもらっているのに、よくしていただいてうれしかったです。
お蕎麦屋さんの勝又さん(屋号は「おらがの」さん。須走支所のすぐ近く)、勝又さんの奥さん、奥さんのお兄さんの遠山さん。地元の方がたと知り合えたのもとてもうれしい経験でした。
手伝わせていただいて「ありがとう」、おいしいお蕎麦を「ありがとう」、たくさんたくさん「ありがとう」を伝えたい。
しかしーー、
汗かいて、ふうふう言って、ちょっと達成感を感じたりもしたものの、大人4、5人でやれたのは路地1本。町を見ればまだまだたくさん雪が残された場所があります。
達成感と「もっとやらなければ」という思いが同じくらいの重さで心の中にある――。
帰り道、お蕎麦屋さんのご主人に御殿場駅まで送っていただきながら、車道には雪がはみ出してきていて、しかし歩道は腰の高さ以上の雪の山で、車道を歩くしかない何人もの中高生たちの姿を見てしまったら。
継続こそが大切なことなのではないかと、さらに心を苛まれるような思いをいだいてしまったのも、また正直な感想なのでした。
報告●井上良太
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