地下水バイパス、通算12回目となる海洋排出を実施
7月26日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。
25日に救急搬送した協力企業作業員は「熱中症」
※7月25日午前11時頃、サブドレン集水設備設置工事に従事していた協力企業作業員が体調不良を訴えたことから、入退域管理棟救急医療室にて医師の診察を受けたところ、緊急搬送の必要があると診断されたため、同日午前11時57分に救急車を要請。
同日午後0時32分に救急車にて福島労災病院へ向かった。当該作業員の身体に放射性物質の付着はない。(ここまで既出)
同日午後1時53分に福島労災病院に到着。同日、受診した福島労災病院より診断書が発行され「熱中症」と診断された。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年7月22日午前9時50分~)
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年6月16日午後2時42分~)
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動(4号機原子炉建屋および共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の年次点検により、一時中断)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・残留熱除去系による原子炉停止時冷却運転(炉心冷却)と非常時熱負荷運転(使用済燃料プール冷却)を交互に実施中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
地下水バイパス ~12回目となる海洋排出を開始
※1~4号機原子炉建屋等への地下水流入抑制対策として設置した地下水バイパス設備の地下水バイパス揚水井から一時貯留タンクに汲み上げていた地下水について、一時貯留タンクグループ2から採取した水[採取日7月15日]の当社および第三者機関による詳細分析結果は同等の値であり、共に運用目標値を満足していることを確認したことから、7月26日午前10時1分、海洋への排水を開始。
報道一斉メールでは午後5時54分に排水を終了したこと、排出した地下水量が1,963トンだったことを伝えています。
地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr2)からの排水についての続報です。
本日(7月26日)午前10時1分より海洋への排水を実施していましたが(お知らせ済み)、同日午後5時54分に排水を終了しました。
排水終了後に漏えい等の異常がないことを確認しております。
排水量については、1,963トンでした。
福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク(Gr2)からの排水について(続報)|東京電力 平成26年7月26日
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
平成26年7月25日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
新規事項なし
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年7月26日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
最終更新: