新たに採取したH4タンクエリア地下水観測孔E-13,14の測定結果を発表
8月21日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。
前日、作業終了後に体調不良を訴え救急搬送された協力企業作業員の診断は「突発性熱中症」
※8月20日午前11時40分頃、作業を終了した協力企業作業員(男性)が入退域管理棟に向かう途中に体調不良を訴えたことから、入退域管理棟救急医療室にて医師の診察を受け、診察の結果、緊急搬送の必要があると診断されたため、午後0時14分に救急車を要請。なお、当該作業員に身体汚染はない。午後0時44分に急患移送車にて福島第一原子力発電所を出発し、午後0時57分に富岡消防署(救急車待機場所)で、救急車に乗り換えて福島労災病院に向かった。(ここまで既出)
同日午後2時に福島労災病院に到着。
医師の診察を受けたところ「突発性熱中症」と診断。その後、点滴の処置を受け回復したため帰宅。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年8月15日午前10時~)
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年8月19日午後4時18分~)
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動(4号機原子炉建屋および共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の年次点検により、一時中断)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)停止中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
地下水バイパス 前回海洋排出時のサンプリング
8月19日午前10時3分から午後3時12分、1,253m3を排出した地下水バイパス海洋排出のサンプリングについて記載。
同日、この際の南放水口付近の海水についてサンプリングを実施し、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
8月20日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
8月20日に初めて採取したH4エリアの地下水観測孔E-13,14の測定結果は以下のとおり。
<E-13,E-14の全ベータ測定結果:8月20日採取分>
・E-13:検出限界値未満(検出限界値:15 Bq/L)
・E-14:40 Bq/L
その他については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年8月21日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
最終更新: