開成町あじさいの里はまだ見頃

izunoshippo200000

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神奈川県で一番小さな町、開成町。小田原市から丹沢南麓までを含めた県西エリアのほぼ真ん中にある町では、水田地帯に5000株ものあじさいが植えられている。田植え後の瑞々しい緑色と、青い空を映す水田を背景に、青、紫、赤紫、白といろとりどりの紫陽花の花が咲き誇る姿は聞きしに勝る美しさ!

開成町では毎年梅雨入りの頃、あじさい祭りが開催されている。神奈川県で一番小さな町は、田圃のそばに花開くあじさいを眺め歩く人でいっぱいになる。

地元の人たち、東京からやってきた人たち、そして東北・宮城県からシンポジウムに参加しにやってきた谷地沼さんたちと、田圃脇の土手道であれこれおしゃべり。清楚な出で立ちの紫陽花の花を楽しみながら、そぞろ歩きした。

この地は、小学校の校庭で薪を背負って勉強している像で有名な二宮尊徳さんの地元でもある。二宮さんの時代には、富士山の宝永噴火で大量に飛んできた火山灰のせいで、噴火後数十年にも渡って地元の河川が氾濫を繰り返し、土地は痩せ、農家の人たちは困窮するのみならず、仕事のやる気すら失っていたのだとか。

そんな、大きなマイナスの十字架を背負った土地で、二宮さんは、土地を耕すためにはまず人々の心を耕すことだと事業を始めた。

詳しい話はまた別の記事に譲るけれど、二宮さんは、単に荒れた土地を耕すということではなくて、いまでいうマイクロファイナンスのような仕組みで、農業者の自立を促したりしたらしい。彼が興した活動は幕末から明治に入っても綿々と受け継がれ、ある意味、逆境に負けない日本農民のバックボーンとなったとも言われる。

そんな土地でのあじさい祭り。東北と関東での田植えの時期の違いとか、見た目の美しいトウモロコシを育てる手間とか、いやいやそんな真面目な話ばかりじゃなくって、まあ楽しいこといっぱい話したりしながらも、滔々と流れる用水を目にすると、これって二宮さんの時代のもの?なんてこともぽつりぽつりと交えながら、歩く紫陽花の道。

なかなか、いいものでした。

あれからもう一週間以上。あじさい祭りは先週で終わってしまったけれど、紫陽花の花はいまもまだ見頃なのだとか。

最終更新:

コメント(2

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  • N

    nezumisenpai

    開成町のあじさいまつり私も昨年行ってきました。なだらかな山に囲まれた田園風景にいろいろな種類のアジサイがとてもきれいに咲いていました。
    今週行ってもまだまだ楽しめそうですね。

    • I

      iRyota25

      あじさい祭りの開催中はなかなかの人出でした。田んぼの畦や土手に最初にあじさいを植えた人は偉いなあと思います。二宮さんの精神が引き継がれているのかも。