岩手県大船渡市盛
ずっと会いたかった人についに会えた。
とっぷりと暮れた夜の盛駅。
BRTのバスが専用レーンの闇の中にテールランプの残像を曳いていく。
彼は忙しかった。ほんとは10日に会う予定だったが、彼は福島から戻れなかった。
11日には仕事に加えて気仙沼の祭りに呼び出されていた。父さんも、この両日は南三陸にいたり、石巻に行ったりで、うまく時間を合わせることができなかった。
月遅れのお盆前。各地でお祭りが繰り広げられているタイミング。
最悪、今回は会えないかもしれないと考え始めていた時、電話が通じた。
そして、夜の盛駅前のロータリーで会った。
会ってまず握手した。
分厚くて、柔らかくて、とにかくでかい手だった。
時節の挨拶も自己紹介も抜きに、すぐに本題に入った。
質問しなくても、父さんが聞きたいことを話してくれた。
そして、いつものように、東北ですごいヤツに会うたびにいつも思うこと、
「何がこの人を突き動かしているのか?」
その疑問が心に浮かんだ。
父さんも成長したのかな。ロシナンテスで、陸前高田のお祭りで、大曲の獅子舞で、
同じように感じた疑問を言葉にして、質問として投げかけて、
結局、言葉としての答えを得られなかった出来事から。
「新沼さん、どうしてあなたがそこまでやるのか、その理由はね、あなたと付き合っていく中で、俺なりに探させてもらいますね。」
笑顔の新沼暁之ともう一度握手した。●そうそう、お前からの支援金、もちろん忘れず手渡したよ。
新沼さんはね、「おぉ、そういうことですか!」って、すっごく喜んでたよ。
お前のお小遣いが、東北に明かりを灯す一助となる。
よかったね!
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