息子へ。被災地からの手紙(2013年3月8日)

iRyota25

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2013年3月8日 福島県いわき市久之浜町

電車と徒歩で行く「被災地・久之浜」観光ガイド・ダイジェスト版

去年の年末、お前と二人で行った久之浜。あの時はいわきからレンタカーで移動したけれど、JR常磐線は広野駅まで走っている。それに、久之浜は大きな被害を受けた地域が駅のすぐ前。さらに仮設商店街の浜風商店街にも歩いて行ける。

レンタカーを借りなくても、電車だけで移動できて、地元の人たちと話をしたり、お手伝いをしたりすることができるのが久之浜なんだ。今回は、そんな久之浜を電車&徒歩で回る観光コースについて、実際に歩いて調べてみたので、ガイド記事を作る前にざっとご紹介。

東京(上野駅)出発を例に時刻表をめくってみると、10:00上野発、12:07いわき着の特急スーパーひたち15号という電車があった。

いわきから12:20発の常磐線広野行きに乗り換えれば12:34には久ノ浜(駅名は久之浜じゃなくて「ノ」なんだね)駅に到着だ。

ちなみに特急を使わなくても、08:19上野発の勝田行き普通電車に乗れば、2回の乗り継ぎで同じく12:34に久之浜に到着することができるよ。上野・久ノ浜間226.2kmが、大した距離じゃないことが実感できたかな?

ひとつ問題なのは、12時半という微妙な時間の到着になることだ。駅についたらすぐにでも浜風商店街に行って美味しいご飯をいただきたいところだけど、商店街の人たちと相談してみたところ、やっぱり久之浜に到着したら、まずは被災地をじっくり見て、商店街に来るのはその後にしてほしいという意見が多かった。

商店街の情報センターには、3月11日当時の写真や、震災以前の久之浜の姿を示すものなど、たくさんの資料がそろっている。でも現地を実際に見てからじゃないと、説明を受けたり資料を見たりしても実感がわかないんじゃないかと言うんだ。

幸い、久之浜の駅前の国道沿いにはコンビニもあるから、そこで空腹をごまかすなどして、町のみなさんのアドバイスどおり、まずは町を目指そう。(以下、お前が友達を案内する状況を想像しながら書いてみる)

駅の改札を出ると、山肌が崩壊したように見える殿上山が正面に見える。その山の方向にまっすぐ進んでいくとすぐに国道6号線。津波で冠水した国道だね。左手にセブンイレブンを見ながら、横断歩道を渡ろう。

横断歩道から町の中心部にかけては、緩やかだけど明らかに道が下っていくのが分かるだろう。海からあふれてきた津波は、坂道を遡りながら、家を土台から引き離して押し流し、自動車を逆立ちさせるような形で流し去っていった。お寺を過ぎて北町の交差点まで来ると、目の前には土台だけが残された廃墟のような町が広がっている。ここから海までの間には無事だった建物は残っていない。海からの距離がほんの少し違うだけで、被害に大きな差があったことが理解できる場所。この交差点まで駅から歩いて5分ほどだ。

北町の四つ角からは、海岸を目指して歩いたり、神社めぐりをしてみたり、ゆっくり時間をかけて町を歩いてもらいたい。ただ、建物が撤去されているからといって、敷地に入っちゃダメだよ。そこはかつて人々の生活があった場所で、楽しいこと、悲しいこと、辛いこと、たくさんの思い出が詰まっているんだから。また花が手向けられた場所などでは、しっかりご挨拶をしてから通るようにしてね。

久之浜は小さな町。さまざまな被害の痕跡や、悲しみの記憶がコンパクトな場所に詰まっている。火災で焼け焦げたままの街灯や焦げたアスファルト。「がれきに花を咲かせましょう」プロジェクトの対象となった住宅はすべて取り壊されてしまったけど、いまでも探せはいくつかの「がれ花」を見つけることもできる。消波ブロックがいくつも乗り上げている海岸の護岸には、震災直後には何台もの車が打ち上げられていた。コンクリートブロックと同じように。

かつてどんな姿だったのか、地震と津浪と火災と原発事故と窃盗団による盗難の災厄に見舞われる以前、ここがどんな町だったのか。もしも機会があれば、公民館の館長さんや北町の町内会長さんたちに話を聞けるといいと思うよ。

久之浜の被災地は、ほとんどすべてが失われた状態で、訪問した人たちに情報を提供する施設もないから、現地で話を聞くのは難しいかもしれない。でも、これから向かう浜風商店街に行けば、みなさん久之浜の町中にお店を構えていた人たちだから、震災直後のことから、復活までのご苦労、そして将来への思いなどたくさんお話を聞かせてもらえるだろう。久之浜の町なかから浜風商店街へは、駅の南側の踏切で線路を渡って歩くこと10分ちょっとだ。

商店街のお店の紹介をざっとしておくね。月替わりサービスでおすすめラーメンを特別価格で提供してくれる「からすや食堂」さん

駄菓子屋さんの「あかもの屋」さんお弁当や総菜も好評のスーパー「はたや」さん

久之浜の町についていろいろ勉強できる「ふれあい情報館」さん父さんへのお土産の地酒を買うなら「てんぐや」さん

お酒のおつまみなら「石井魚店」さんの干物。絶品!そして、旅行者には関係ないと思うかもしれないけれど、実は大ありなのが、

電器屋さんの「プラネットさとう」さんや設計士さんのお店「白土建設設計事務所」さん。震災当時のことをいろいろお話ししてくれますよ。シューズショップさいとうのお母さんは、頭まで津波に浸かりながら生還した方。お話を聞いて、握手して、勇気とパワーをもらってくださいね。

そして、仮設商店街の床屋さん「スガハラ理容」さん。せっかくだから、久之浜で髪のお手入れをしていくというのはどうだろう?散髪してもらいながら、当時の話をいろいろ聞かせてもらえるよ。震災後に店舗跡から発見された「奇跡のハサミ」も見せてもらえるかも。

被災した町の景色を胸に焼き付けて、浜風商店街でお店の人たちと知り合いになる。

たくさんのお話を聞かせてもらう。きっと、かけがえのない経験になって、

これから先も、何度も久之浜を訪ねたくなると思うよ。遠くない将来、久之浜の子どもたちともつながっていけたらいいね。

帰りは17:01久ノ浜発の常磐線を、いわきでスーパーひたち58号に乗り継いげば、19:36には上野に到着。もう1本前の電車なら15:45発で、上野到着が18:35。春休みの体験に、もう一度久之浜に行ってみたらどうかな。

写真入りの町の詳しいガイドは、別の記事で紹介するね。

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