震災から1年8カ月。石巻の町おこしの拠点が再オープン
ついに“マンガの町・石巻”の象徴、石ノ森萬画館がリ・オープン。セレモニーには漫画家・石ノ森章太郎が生み出したヒーローたちも駆けつけた。一歩前に立つのは石巻のローカルヒーロー「シージェッター海斗」(石ノ森氏のラフスケッチから石森プロダクション監修の元、2004年に誕生)。カッコいいだろ?
石巻市の中心部、旧北上川の中州に位置する石ノ森萬画館(Ishinomaki Mangattan Museum:いしのまき・マンガッタン・ミュージアム)。「マンガによる町おこし」を目指し、年間約20万人の来館者を集める観光の重要拠点だったが、震災による巨大津波で建物1階部分が天井近くまで浸水し、施設は瓦礫や泥に埋まった。
2012年11月17日、震災から1年8カ月の時を経て石ノ森萬画館が復活。「ReOPEN」セレモニーが開催され、多くの来場者を集めた。
上の写真は、旧北上川にかかる内海橋(うつみばし)から中瀬の萬画館へ下っていくスロープ。
メッセージがたくさん書き込まれたベニヤ板が並んでいた。被災した萬画館の窓を覆っていた板に、全国から訪れた人たちが書き込んでいったメッセージだ。復興への熱い思いが凝縮されたベニヤの道は、萬画館復活のシンボルのひとつだ。
▲ 来賓の方々だけでなく、萬画館スタッフも急遽ご挨拶に登場。赤いコスチュームはサイボーグ戦士を模したもの。たとえ1人ひとりでは完全じゃなくても、みんなで力を合わせて敵に立ち向かった「009」たちのように、石巻の復活に向けて走り続ける戦士たちだ。
▲ 石巻初登場の仮面ライダーGIRLSも萬画館の再出発を歌で盛り上げる。
▲けっこう昔のヒーローと、最近のヒーロー。名前をぜんぶ言えますか?
▲ お待ちかねのヒーロー登場に子どもたちの歓声が上がる。
▲ みんなの視線の先にあるのは・・・ リ・オープンのテープカット。
▲ テープカットからさかのぼること数十分、マンガジャパンを代表して来賓挨拶に立った里中満智子さんのこんな言葉が印象的だった。「おめでとうございます、というより今日はありがとうございますと感謝したい日です」
▲ テープカットとともに、金の紙吹雪が舞う。セレモニーに参加した人々から歓声が上がった。
さあ、いよいよ萬画館の館内へ!
幾多の困難を乗り越えた石ノ森萬画館。セレモニーの後は館内が無料開放された。
▲ ▼ ジローがキカイダーに変身していくパネルに子供たちは興味津々。
▲ もちろん東日本大震災の展示も。井上きみどりさんの漫画も注目を集めていた。
▲ 震災時、萬画館前に立っていたシージェッター海斗。津波で流されるも数週間後、奇跡的に発見されたという。失われた腕や足がが痛々しい。子どもたちが見つめるモニターには、震災直後の石巻の映像が映されていた。子どもたちも大人も食い入るように画面を見つめる。
▲ 石巻日日新聞が震災翌日から貼り出した“壁新聞”も展示されている。
▲ 震災直後の3月13日から移動中継車の機材で放送を再開し、地域を支えたラジオ石巻(石巻コミュニティ放送)のブースも。
▲覗いているのは3月に正式再オープンする萬画館の姿を示す秘密のからくり箱。未来の姿はどう見えるかな?
▲ 萬画館の展示に興味津々な子どもたち。その歓声もまなざしも笑顔も、1つひとつがかけがえのない宝物。
▲ ミュージアムショップのレジには、2階へのスロープに続く長蛇の列。
▲ セレモニー後も続々と萬画館に人々が訪れた。リ・オープンからほぼ1時間後の入場者数は1770人。その時点で館内には780人もの人がいるとカウントされていた(石ノ森萬画館による)。
被災地の文化施設として、この盛り上がりは“次”への勇気につながるだろう。
▲ とはいえ、これで石ノ森萬画館がもう大丈夫というわけではない。地盤が沈下したため建物のまわりはこんな状態。さらに町の復興となると、先が見えない状況がずっと続いている。
再開した萬画館だが、来年には一時休館し、2013年3月22日に改めてリニューアルオープンする予定だ。
まだまだ先は長い。
▲ 萬画館の玄関に設置されている石ノ森章太郎の手のオブジェ。
つなぎ合う右腕がいま、求められている。
●TEXT+PHOTO:井上良太(株式会社ジェーピーツーワン)
最終更新:
ockn1006
わー、こんなに賑やかなんですね!
お父さんとか子供さんだとドンピシャ世代でしょうか、テンション上がりそうです。
僕はロボコンと仮面ライダーくらいしか知らないですが・・・。笑