いよいよ、ロンドンオリンピックの開催日が近づいてきましたね。夏季オリンピックとしては第30回目となる記念の大会です。各国の代表選手がどのような活躍を見せるのか、想像するだけでも楽しいですね！今大会で注目度の高い選手を紹介するこの企画。今回は日本男子サッカー五輪代表、関塚ジャパンの酒井高徳選手をクローズアップしたいと思います。

【酒井高徳】 さかい・ごうとく

国籍：日本
生年月日：1991年3月14日（21歳）
出身地：新潟県三条市
身長：176cm
体重：74kg
在籍チーム：VfBシュトゥットガルト
ポジション：DF 背番号：2
利き足：右足

2011年12月23日、ドイツ・ブンデスリーグのシュトゥットガルトに移籍した酒井高徳選手。2012年2月11日、対ヘルタ・ベルリン戦で左サイドバックとしてスタメンフル出場を果たしました。以降途中加入ながらレギュラーに定着し、地元紙からその活躍を絶賛されています。こうした活躍のなか、日本人の父とドイツ人の母を持つ酒井選手をドイツ代表のサイドバックとして召集できないかという話題が本気で持ち上がっています。

U-16日本代表から各世代の代表に選出されてきた酒井選手ですが、A代表での出場経験が無い為に、FIFAの規則に従えばドイツ代表としてプレーすることも可能です。「ドイツ代表監督から話がきたらどうするか？」という質問に、「大変光栄なことだが、難しい問題」とコメントしています。今後、彼がどのような決断を下すのか注目したいところです。

所属チームでは主に左サイドバックとして出場していますが、右でも左でも遜色ないプレーができるのが特徴です。左右両足を自在に操る酒井選手は、どちらが利き足か区別がつかないほど精度の高いキックを蹴ることができます。

ブンデスリーグではチームの事情によって、右サイドバックでプレーする機会もありますが、両足から正確なクロスを供給して何度もアシストを決めています。また、プレースキックを任される場合もあり、角度によって両足を使い分けます。まるでシュートのような速いボールをピンポイントで送ります。

酒井選手がドイツで評価を上げている理由は高い攻撃力にあります。抜群のタイミングでオーバーラップをしかけると多彩な攻撃パターンでサイドを制圧します。サイドのスペースに流れてボールを持つと爆発的なスピードでドリブルに入ります。ディフェンダーと対面してもキックフェイントとシザースフェイントを駆使して相手のタイミングを外し、一瞬のスピードと切り返しで縦に抜け出します。また、バイタルエリアにディフェンスが密集してスペースのない状況であっても前にチャレンジできる技術を持っています。

ディフェンスに縦のコースを切られた場合でも、ドリブルで縦に行くと見せかけて中央に切り返してワンツーを狙います。パス&ゴーで一気にペナルティエリアまで侵入すると強烈なミドルシュートを放ってゴールを狙います。狭いエリアで周りを使いながらコンビネーションプレーでディフェンスを崩せるアイデアを持ったサイドバックは少なく、酒井選手の高い攻撃センスを知ることができます。

攻撃ばかりが注目される酒井選手ですが、ドイツに渡ってからはディフェンス面も安定してきました。フィジカルの強さを生かしたマンマークには定評がありましたが、ブンデスリーグの屈強なフォワードを相手することで一対一のディフェンスに更に磨きがかかりました。スピードが自慢のフォワードにウイングプレーをしかけられても、サイドラインで球際の強さを見せ、鋭いタックルでボール奪い取ります。体を張ったディフェンスも得意とし、強さと速さを持ったスライディングタックルでドリブル突破を封じ込めます。攻撃参加でオーバーラップした後に、背後のスペースを狙われても戻りが早いのが特徴で、いち早く危険なスペースをカバーします。

7月18日に行われたベラルーシとの壮行試合では、左サイドバックとしてスタメンフル出場した酒井高徳選手。チームに合流して間もないにも関わらず、攻守に渡って安定したプレーを披露しました。オリンピック本番では左サイドからの突破が攻撃の鍵になると思います。酒井選手の躍動感あるプレーに期待します！