いよいよ、ロンドンオリンピックの開催日が近づいてきましたね。夏季オリンピックとしては第30回目となる記念の大会です。各国の代表選手がどのような活躍を見せるのか、想像するだけでも楽しいですね!今大会で注目度の高い選手を紹介するこの企画。今回は日本男子サッカー五輪代表、関塚ジャパンの杉本健勇選手をクローズアップしたいと思います。
【杉本健勇】 すぎもと・けんゆう
国籍:日本
生年月日:1992年11月18日(19歳)
出身地:大阪市生野区
身長:187cm
体重:79kg
在籍チーム:セレッソ大阪
ポジション:FW
背番号:16
利き足:右
杉本健勇がサプライズ選出された理由
ロンドンオリンピック代表の発表記者会見で、関塚監督の口から杉本健勇の名前が上がったとき、会場には一瞬どよめきの声が起こりました。フォワードの代表候補として有力視されていた、大迫勇也、宮市亮、指宿洋史らが落選するなか、これまでほとんど試合に起用されていなかった杉本選手が選出されたからです。これはチーム戦術に変更があったからだと言われています。
今年5月に行われたトゥーロン国際大会で、1勝2敗の惨敗に終わったことで関塚監督の考えは変わりました。これまでは細かいパスと個人技を主体にしたパスサッカーでゲームを組み立てていましたが、それでは強豪国に通用しないと判断したのでしょう。 U-23代表が採用する4-2-3-1というフォーメーションの1トップは、大迫選手や指宿選手など前線でボールをキープしてタメを作れるポストプレーヤーを起用していました。その場合、どうしてもバイタルエリアで攻撃の人数を増やすことになり、相手のカウンター攻撃から失点する場面が多く見られたのです。
関塚監督はこの問題を解決するために、オーバーエイジ枠で一対一の守備に強いディフェンダーを召集。さらにフォワードにはポストプレーを得意とするタイプではなく、スピードとフィジカルに優れた機動力のあるフォワードを選びました。従来よりもディフェンスラインを少し下げてしっかり守り、相手が前がかりになったところで一本の縦パスから速攻を狙うカウンター攻撃に戦術を切り替えたのです。『失点を最小限に抑えて、カウンターから1点を奪う』理想ではなく現実を見据えた関塚監督。1トップのセンターフォワードに選出された杉本選手はこの戦術を踏まえた結果だと言えるでしょう。
高いポテンシャルと才能を備える
ネームバリューこそ低い杉本選手ですが、U-15から各世代の代表には必ず選ばれている逸材で、そのポテンシャルは高いものがあります。187cm・79kgという大柄な体型でありながら、足元の技術に優れておりバイタルエリアでプレッシャーのかかる場面でもボールを足元にピタリと収めます。50mは6秒フラットの俊足であり、機動力を生かした縦への速い突破には定評があります。
高さと強さを持った空中戦は競り合いに強く、Jリーグでもセットプレーから得意のヘディングで何度もゴールを決めています。オリンピック代表では清武選手や永井選手など、ディフェンスの裏に飛び出していくシャドータイプのプレーヤーが多いので、高さと強さを備えた杉本選手は前線のターゲットになり、2列目から味方の飛び出しを引き出せる貴重なプレーヤーだと言えるでしょう。
スーパーサブとしてパワープレーにも期待
オリンピック本番のレギュラーフォワードは、総合力に長ける大津選手であることが予想されます。試合終盤でチームが劣勢のとき、杉本選手はスーパーサブとして試合の流れを変える役割を求められるでしょう。チームがパワープレーを選択したとき、ロングフィードに対してペナルティエリア内で欧州のディフェンダーを相手にどこまで競り合いで勝てるのか注目したいところです。
7月11日に行われたニュージーランドとの壮行試合に後半から途中出場し、ストライカーとして鋭い嗅覚を発揮した杉本選手。ペナルティエリア内のこぼれ球をしぶとくゴールに押し込んで先制点を奪い取りました。ロンドンでもここ一番の勝負強さに期待したいと思います。
総括
19歳と若くて国際経験の浅いプレーヤーですが、将来的にはA代表のエースストライカーになれる才能を持つと言われています。オフ・ザ・ボールの動きの質の向上など、まだまだ課題の多いプレーヤーですが、ロンドンオリンピックでは重要な場面で必ずチャンスが巡ってくると思います。強豪国を相手に値千金のゴールを決めて一躍ヒーローに上り詰めて欲しいです!
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